2020年6月1日(月)、経済学部「グローバル・ビジネス論a」(三木担当)は、株式会社マーチ 代表取締役社長 伊賀 真理 様にTeamsでご出席いただき「マーケティングとイノベーション」というテーマでご講演をいただきました。

伊賀 真理 様 ご略歴

慶應義塾大学経済学部卒業後、大阪ガス(株)に入社。
2002年に(株)パレット(大阪ガスグループ・インテリア雑貨店)代表取締役社長に就任。
2006年に大阪ガス(株)を退社し、(株)マーチを設立。
2009年より3年間の任期付で大阪府府民文化部府政情報室広報課参事。
2012年に任期を終了し(株)マーチに復帰。
2016年~2020年枚方市広報アドバイザー

関西学院大学経営学修士課程修了、
関西学院大学経済学博士課程満期退学
  1. ご講演の内容(大項目のみ)
  2. イノベーションの基礎知識
  3. 将来に向けて期待すること
 以下に今回のご講演で得られた、学生たちの気付きの一部を紹介します。

木南 龍人 さん (国際観光学部2年)

 今回の伊賀さんのお話で最も僕が考えさせられたことが、「マニュアル・アプローチ」と「クリエイティブ・アプローチ」についてです。前者は“一つずつ順に解いて行く、答えが一つ”といったものに対してのもの。後者は“答えに向けての手順やプロセス、方法を考え出す”といったものです。ではなぜ、この二つに関する話で僕が考えさせられたのかというと、僕には今将来やりたいことがうっすらと見えてきているからです。
 ざっくりいうと芸能関係です。有名人になりたいんです。お金が大好きで目立ちたがり屋でなにより歌うことが大好きな僕は今までどれほど考えてもやりたいことが見つかりませんでしたが、歌を歌うことだけは好きだと言い切れました。歌うのが好きだから、といった甘い考えだけで言っているのではなく、自分の歌で人々の心を動かせる人になりたいと思っています。有名なアーティストになるために必要なことはたくさんありますし、「僕なんかが有名人になれるのだろうか」とネガティブ思考になることもよくあります。そしてそれが原因で一歩を踏み出せていないのが僕の現状です。例えば、「僕の歌は本当に人の心に響くのだろうか」とか「自分に自信がないわけではないけれど井の中の蛙なのはわかっている」といった思考です。そして20歳なので少し出遅れているようにも感じているわけです。
 さて、ここで伊賀さんの話が思い出されました。「一つずつ順に解いて行く、答えに向けて方法を考え出す」です。まず、今の僕には足りないものが多すぎて何から始めたらいいのかもわかっていないから一歩も動けないんだと自分で考えました。そして、一つずつ紐退いて行くと少しずつ足場もできるのではないかという答えにたどり着きました。しかし、これはクリエイティブ・アプローチでさえないまだまだ序盤のことだとわかっています。では何から始めるべきなのか、自分の目標のためには今何ができるのか、をこれから考えよう、といった思いになれたのが今回の伊賀さんのお話でした。
 講義の最後に僕は、伊賀さんに「社長になると決めるときに不安はありましたか?」と質問しました。彼女の答えは「あったよ。そして、それをなくすために考え、動いた(ざっくりまとめてます)」でした。この時僕は「すごい人だな。でも僕にだって普通の人より才能があるはずだし、いっぱい考えてそれを一つでも行動に移せばなにか変わるんじゃないか」と思えたんです。いつもは変に自信家なくせに大事なところでネガティブになるのが僕だと再確認し、「そこからなんとかしよう。自分が前向きじゃないと人の心は動かないじゃん」とまた少し前進することができたと思います。
 まとめます。「しっかりと自分の頭で考え、それを行動に移せる人こそが、他の人の心を動かせるんだ」とそう思えたのが伊賀さんの話でした。なぜなら僕の心が動いたから。今できることを精一杯頑張ろうと思いました。頑張ります!

若園 暉 さん (経済学部3年)

 今回、伊賀さんに講義をしていただき、伊賀さんは自分自身の人生の歩んできた道のりまで語ってくれた。それを聞き、私は現在の伊賀さんのように自分の人生の道のりを自身を持って語れる人間になりたいと思った。
 伊賀さんは、大阪ガスに長年勤め、その後に、株式会社を立ち上げ今を生きている人に対し、私はどちらかというと会社を立ち上げる勇気もない臆病な人間だ。だが勇気はなくても私は、小さい頃から人前では、何を考えてかはわからないが、軽はずみに「社長になりたい」と口にしていた。もしその時の自分に会う事があるのなら、現在の私は、「なんの冗談だ笑」と笑ってしまうだろう。なんの努力もせず、やる気のない私だったからこそ伊賀さんの人生の話を、純粋な「尊敬」という言葉を心に置いて聞く事ができた。
 だが、いつからだったのだろう、私が「社長になりたい」と口にするのが無くなったのは。伊賀さんの人生の道のりを聞き私が本当に気付かされたのは、自分自身の臆病さだった。私は以前、努力とは無縁の自堕落な人生を送っていた。だが、とある友人に出会ったのをきっかけに、私は努力の意味、何かを自身の力で成し遂げることの喜びを教わり、人生が明るく変わった。だがそれ以降だろうか、私は現在の自分に必死で「自分のやりたいこと」「人生の目標」が見えていないのだ。なので、私は伊賀さんの歩んだ人生の道を簡単にまとめ、受け取り直した。伊賀さんは「勉強が好き」だと後半に述べていた。それを踏まえて彼女の道を最初から受け止めると、別の答え、新たな答えが見えてきた。彼女は、「勉強が好きな社長」なのだ。私はそれに気づいたとき、伊賀さんは自分自身の好きなことを仕事にして生きているんだと考えた。勉強が嫌い、学ぶことが嫌いな社長なんて、当然、勉強が好きな社長より長続きするわけがない。この考えを導き出したとき、私の人生に対する意識は、どこか変わったような気がした。
 私は今まで、自分の目標は何かを、決めようとしていた。だがそれは間違っていたのではないかと現在では思う。なりたいもの、職業を決めてそれに向かって走るのではなく、現在の自分を誠意一杯生きて走った先にうっすらと、少しずつ見えて来るものこそが本当の自分自身のやりたいこと、好きなことなのではないだろうか。名前を残した偉人や、社長達は頂上の見えない高い山だ、だがそれを見上げて、登ることを諦めるよりも、自分なりの足取りで登ってこそ、本当の誇れる人生になるのではないだろうか。私は自分なりの足取りで登り、登りきれなかったとしても、今よりきっといい景色を見たい。