2019年7月17日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、大阪市生野区にある日本電鍍工業株式会社を訪問し、代表取締役の寺内亮一さんにお話をうかがいました。
 日本電鍍工業株式会社は昭和42年創業。製品の表面処理にかかせないめっきを事業内容とし、付加価値を高める加工で顧客を支えています。さびを防ぐ亜鉛めっき、化学研磨やカラーめっき、銀めっきやニッケルめっきなどを扱っています。平成29年(2017年) には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 下河原 旭洋 さん

 日本電鍍工業株式会社は、銀、クロム、ニッケルなどの薄い層を、他の金属の上にかぶせるめっきを製造している会社です。製造されためっきは、建築部品や、電気部品、ボルトネジ、工業用のパーツの表面処理をするために使用されています。めっきを製造している機械はプログラムで自動化しており、社員の方は機械がたくさんある中、少人数で仕事を回しており、AI化、人件費削減を図っています。
 会社訪問をしてまず初めに、寺内社長のご挨拶と会社紹介が行われました。寺内社長は日本の少子高齢化問題や、現在の就活の状況などをパワーポイントを使って分かりやすく説明していただきました。また、会社を選ぶ際に寺内社長は「休みの多さや働きやすい環境などで選ぶより自分のスキルアップができるかできないかで選ぶ方が将来に役立ってくる」と言っていました。確かに環境が良いという理由で会社に入っても環境というものは変化するので自分が思っていたものと違うものになるかもしれませんが自分のスキルアップのためと強く思っているのであれば就職は失敗しないのではないかと思いました。寺内社長のご挨拶は、就活を控えている私たちに向けての激励の言葉だったと思いました。
 次に、若手社員の方にインタビューをしました。入社を決めたキッカケを聞くと「1日体験があり面白かった、社員の人たちの人柄が良い」などでした。また2人が共通していた答えが「社長に魅力を感じたから」でした。次に仕事をしている中でどのようなところでやりがいを感じるかを聞くと、「人に感謝される時、貢献できたと思った時やお客さん、仲間に頼られる時」とおっしゃっており、寺内社長のご挨拶の際、何のために働くのかと質問されたのを思い出しました。私たちは「お金のため」「生きていくため」と答えました。これらの答えも正解ですが、社長は「感謝されるために働く」とおっしゃっており、社長の思いが社員にも強く伝わっているのかなと若手社員の方に質問していく上で思いました。
 日本電鍍工業株式会社を訪問して思ったことは、中小企業で人数がとても少ない中、機械の自動化などでうまく仕事を回しているのが効率的だと思いました。また、社長は将来を見据えて行動するとても成長志向な方で色々と考えていることがあるのだなと感じました。今回の企業訪問は、私の将来を考えさせてもらえるような良い企業訪問でした。

経済学部2年生 今井 咲利佳 さん

 今回、日本電鍍工業に見学に行って製造過程がどんどん進化していることが分かりました。よく、単純作業は機械が操作して人間はあまり作業をしないと聞いていましたが見たことはありませんでした。日本電鍍工場で工場見学をして、初めて人が誰もおらず機械だけが作業をしているのを見ました。作業は機械がし、判断が必要なところだけ従業員の方が操作するそうです。これから、ほとんどの仕事が機械になるのだと初めて実感がわきました。
 日本電鍍工場は鍍金の会社ですが、正直見学に行くまで鍍金が何か知りませんでした。しかし鍍金は、意外と身近なものに使われていて驚きました。一番身近なものは、装飾用途です。鞄の金具などに使用されています。他にも、先が尖がっていないパチンコの釘などがありました。鍍金は歴史が長く古代エジプト時代から、日本では700年代の奈良時代にすでに活用されていた技術です。そんな歴史あるものだと思いませんでした。
 この会社で1番印象に残っているのは寺内社長のお話です。学生の私たちに、就職活動や働いてから役に立つことをたくさん教えてくれました。その中でも、20代が仕事に求めるべきことが心に残っています。それは、「スキルのステップアップ」「人とのコミュニケーション」「自分で仕事をまわせるようにする」という事です。社長の話を聞いてその通りだと感じました。たくさんのことを自分から積極的に学んでスキルアップすることで転職した時や育児休暇などから帰った時に役に立つなと思いました。人とのコミュニケーションは当たり前に大切です。目上の方から仕事に仕方や気を付けるべきことを教えてもらい、自分も後輩に優しくしたいなと感じました。仕事だけではなくプライベートも関りをもって人脈を広げたいと思いました。最後の仕事を自分で仕事をまわせるようになるということが1番大事だと思います。自分が指示する側に立てば、責任があるけれど仕事に対するやりがいがより生まれると思います。他にも指示する側と言う事は、スキルをたくさん持っていると言う事でいろんな知識があるから、同じ業種の職場だと有利になれると思いました。
 寺内社長のお話を聞き、まだ就きたい職が決まっていないですが何か目標を見つけて頑張りたいなと感じました。大切なのは、周りから認めてもらう事と寺内社長も言っていたので今から周りの友達に認められるような行動をとっていこうと思います。

経済学部2年生 柳内 理沙 さん

 7月17日(水)に私たち三木ゼミ生は大阪府大阪市生野区にある日本電鍍工業株式会社さんへ企業訪問してきました。
 日本電鍍工業株式会社さんでは主にめっきと化学研磨を専門にしておりその会社の歴史は1967年に亜鉛めっきを開始して今年で52年目になり、かなりの実績があります。そもそもめっきとは銀・クロム・ニッケルなどの薄い層を、他の金属の上に被せたもののことで日本電鍍工業株式会社さんではそのめっきを得意にしており防錆の用途で扱われる亜鉛めっきをはじめ、3年前からは機能性めっきへの取り組みも開始しており今では装飾用途など様々な種類のめっきを取り扱っています。
 この企業に訪問して印象に残ったことが2つあります。まず1つ目は、人材育成に力を入れていることです。日本電鍍工業株式会社さんでは他の会社や企業と違い研修などは確かにありますがこれといったわかりやすい人材育成マニュアルなどは存在しておらず自分で考え、探し出して技術や仕事をつかんだり、先輩方に直接聞いたり、見たりすることで自分自身の力で自身の成長に繋げにいったりと今の時代では珍しい人材育成だと思いました。また、女性社員が多いため男性よりも女性中心に厳しく指導していると仰っており現代ではこれもまた珍しい人材育成だと思いました。
 2つ目は寺内社長が私たち学生の将来にとても気にかけてくれていたことです。今まで訪問してきた大体の企業では会社の説明をしてそこから工場見学、質問などその会社のことしか話をしてきませんでしたが寺内社長は違いました。寺内社長は私たちゼミ生に将来働く際企業が求める人材の考え方や思想をわかりやすく、あつく丁寧に語ってくれました。また、森本さんと藤本さんに入社を決めたきっかけを質問した際、寺内社長の熱意がとても強くそこに惹かれ、ついていきたいと感じたから入社を決めたと仰っていました。確かに話し方などから寺内社長は熱意が強く社員ではない私でもその熱意が伝わってきました。
 今回の訪問で日本電鍍工業株式会社さんは、少人数で若い人が多い中、今の時代では珍しい人材育成でも経営が上手く成り立つことが出来ておりそれは、寺内社長が会社や社員さんたちへ対する熱意がとても強いから社員さんたちもついていくのだと思いました。こういった社長が会社や社員に対して面と向かって接することにより人数が少なくても企業が成り立つのだと思いました。

ご参考