2019年4月17日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、枚方市にある株式会社光栄プロテックを訪問し、代表取締役の三田雅憲さん及び若手社員の皆さんにお話をうかがいました。
 株式会社光栄プロテックは1970年(昭和45年)創業。建築金物などの意匠を高める仕上げ加工を専門に行っています。銅合金の建築金物の意匠仕上げ「硫化いぶし仕上げ」や、独自技術として銅以外のステンレスやスチール・アルミを硫化いぶし風にする「硫化いぶし色仕上げ」、また銅独特の「緑青仕上げ」や、鏡面塗装による「ピアノ調仕上げ」など多彩な仕上げ技術を有し、「緑青仕上げ」は日本銀行大阪支店の屋根、「ピアノ調仕上げ」は高級ブランドショップの内外装材など多くの建築物に使用されています。平成27年(2015年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部3年生 西野 有咲 さん

 株式会社光栄プロテックは、建築金物を始め、設備関係や車両関係の金属製品の特殊表面処理や特殊塗装を得意としていた。独自の塗装技術があり、他の企業では出せないような塗装を行うことができる。機械だけでは出せないようなモノを手作業でも仕上げられるような、職人技も持ち合わせていた。高い技術を持っているからこそ、高級なホテルやブランドから鉄道関係の幅広い業種から依頼がくる会社であった。
 この企業を訪問して、とても印象に残ったことが、自社に対する意識がとても高いと感じた。社長のお話や企業説明で自社についての独自の技術などに対する思いが強いと感じた。そして自社の課題をお話ししてくれた時、明白に理解していて、改善しようとしていた。これも、意識が高いからこそ、もっとよりよくしようとしているのだと感じ、強く印象に残った。このように企業説明の際に、包み隠さず話してくれるということは、自社に誇りを持っているからこそできるものだと思った。
 企業説明の際に、技術職の女性社員にも気持ちよく働いてもらえるように考えており、とてもいいと感じた。金属系の塗装のため、重たい品物などで移動が大変だったり、怪我が多いことから、働きにくい感じだと思った。しかし、若手社員との懇談会でお話を聞かせてもらった時に、怪我はすることはするみたいだが、他に不満はないとのことだった。これは社長や社員がしっかりと女性社員のことを考えているからこそ、不満なく働けているのだと感じた。また、技術職の女性社員だけでなく、他の社員にも働きやすい環境を作り出そうとしてある姿勢があったと感じた。
 求められているものを形にすることができる技術や、他には作り出すことができない技術を持ち合わせていた。そして、これまでの伝統を受け継ぎながら技術を高め、今までにできなかった金属系以外の塗装もできるよう研究していた。企業訪問を通じて、発展のために日々努力を積み重ね、さらなる高みを目指す企業だと感じた。

経済学部3年生 桑山 楓香 さん

 枚方市にある株式会社光栄プロテックを訪問した。株式会社光栄プロテックは幅広い金属製品の塗装や特殊表面処理を行なっている会社である。例えば、経済・金融情報を扱う世界的大手のサービス企業「ブルームバーグ」イギリス支店の外装パネルや名古屋商科大学のアーチ状の枠・扉、エクシブ六甲のエレベーター扉、PRADAの窓枠・店内棚、トワイライトエクスプレス瑞風の窓枠・天井を手がけたそうだ。
 訪問する前まで塗装については全くと行っていいほど知らなかった。説明を伺い塗装にもいくつもの種類があることを知った。そして、手作業・機器作業・装置作業と言ったように塗装方法にも種類がある。光栄プロテックでは6つの技術がある。硫化いぶし仕上げ・硫化いぶし色仕上げ・カラークリヤ塗装・ピアノ調仕上げ・赤錆仕上げ・緑青仕上げだ。それぞれで全く違う仕上がりになる。このように塗装をする技術の違いによって普段街中で見ている建物の雰囲気や印象はかなり変わってくるのだと気づいた。
 工場では、実際に作業をしているところを見学した。手作業で丁寧におこなわれていた。また、こちらの工場には女性の方も働いている。ご本人は重いもの等運ぶときに力になれないので悔しい。とおっしゃっていたが、それ以外の点で女性技術者がいることによってかなり良いのではないかと感じた。女性目線で見れ、作業ができる。また、男性目線とは違った視点で技術を使えるのではないかと考えられるからだ。
 今回の訪問先、光栄プロテックでは毎日掃除をしていると言う。話を伺った部屋もとても綺麗であった。また、千葉にある工場とも同時に朝礼を行うと言う。異なった地にいても同時に朝礼を受けられることは1日の始まりにとても良いと感じた。
 この訪問によって1番感じたことが、中小企業のすごさである。世界的に有名なハイブランドの店舗にも使用されるほどの通用する技術があると言う点だ。私たち大学生にも馴染みのあるハイブランドの店舗にも使用されていると言うことを知った時はとても感動した。他にも、まだ知らないだけで中小企業の技術は私たちの生活に生かされている部分はたくさんあるのだろう。
 また課題点もあげられる会社だからこそ、将来性もあるだろうと感じた。

経済学部3年生 仲村 優輝 さん

 今回、株式会社光栄プロテックに訪問しました。光栄プロテックは金属塗装を専門に手掛けている企業です。この企業は誰もが知っている大手企業(例えばPRADAやGUCCIなど若者に人気がある企業)に納品している。
 光栄プロテックは独自の技術を持っていて、硫化いぶし色仕上げという銅合金に施される仕上げをほかの金属(スチール、ステンレスなど)に再現した仕上げでイギリス支店のブルームバーグ、名古屋商科大学丸の内キャンパスなどに使われている。この技術だけではなく、緑青仕上げ、赤錆仕上げなどこれらの技術を有していることで、顧客から信頼を得ることができる。
 私が光栄プロテックで一番驚いたことはPRADAやGUCCIなど私たちが知っている大手ブランドに提供していることです。ピアノ調仕上げという技術を使いピアノの透き通った黒色になっている技術、この技術を使うことで高級感あふれるデザインに仕上がる。この技術が認められPRADAやGUCCI、JR西日本が運行している豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」にも使われている。これらのことからこの企業はほかの企業に負けない技術力を持っているので、新しい顧客の獲得など将来性があると私は感じた。
 この企業はなにが足りていないかを明確に課題として認識している。女性技術者の確保、人材育成、大学との産学協同研究などが挙げられていた。このことからこの企業が将来のことをどれだけ真剣に考えているかがわかった。
 私はこの企業に訪問して、この会社の伝統的な技術に魅了されました。なぜそのようなことを感じたのか、これまでの伝統的な技術の使い方を変えることで独自技術方法を作り出した。そうすることでほかの企業に負けない独自の技術を用いて顧客の要望にあった物を提供することができる企業であると私は感じた。
 最後に、この企業に行った際にホームページで見たが私が思っていたイメージとは違っており、実際に訪問してみると内装が綺麗で整っていた。社内に入った時からこの会社の技術レベルの高さがうかがえた。

ご参考