2019年4月10日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は東大阪市にあるMOBIO(モビオ)を訪問しました。
 MOBIOは、大阪府がクリエイション・コア東大阪に開設した、府内全域の中小ものづくり企業のための「ものづくりの総合支援拠点」です。 平成22年4月に大阪府ものづくり支援課もここに移転し、まずます充実したものづくり企業の支援を実施しています。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生としては4年連続の訪問であり、今後課題解決型ゼミとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」「大阪のものづくり企業 海外拠点リスト」の各事業を推進していく上で必要となる、大阪の中小企業に関する基本情報を学ぶことができました。
 以下に、今回の校外学習における学生たちの「気づき」の一部を紹介します。

経済学部2年生 土井 瑞奈 さん

 MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)とは大阪府と関係機関が運営する中小企業のためのものづくりに関する支援拠点である。大阪府のものづくり支援課が入居し、府の本庁機能を担っている。今回MOBIOを訪問しMOBIOの歴史や活動内容などを知り、印象に残ったことが2つある。
 初めに、MOBIOが行っているビジネスマッチングが印象に残った。ビジネスマッチングとは、取引あっせん事業、B2Bネットワーク事業、ビジネスマッチング推進事業を行い、企業にビジネスチャンスを提供している。また、ネットだけでは探せない情報を知ることが出来る。特に海外と取引がしたい企業のために、企業・製品情報を日本語と英語で作成したり、海外からの問い合わせは日本語に翻訳し連絡したり、グローバル支援も充実していることが印象に残った。
 次に、常設展示場が印象に残った。常設展示場では中小企業の最新技術・製品を展示しており、ビジネスマッチングや情報交換の場としてたくさんの人が訪れている。展示場には、企業案内の資料がたくさんあり、日本語だけでなく、英語や中国語の資料もあった。展示品と資料を見ることで製品の特徴や企業に関する情報などMOBIOに訪れないと知ることが出来ない情報がたくさんあると感じた。また、海外と取引している企業が多いことが印象に残った。中でもハードロック工業株式会社が印象に残った。ハードロック工業は絶対ゆるまないナットで有名である。日本では鉄道や橋、発電所、鉄塔など様々な場所で使用されており、国民の安全を守るためにかかさないものである。海外ではイギリスの鉄道や中国の高速鉄道など世界25カ国で使用されている。アメリカでは、緩み止め効果についての研究論文が発表された。中小企業の製品が世界中で使用されていることに驚いた。
 MOBIOを訪問するまでは中小企業は規模が小さく、車や機械などの部品製造であまり儲からないイメージがあったが、世界中で活躍している企業や高度な技術を持つ企業がたくさんあることを知り、中小企業に対するイメージがかわった。中小企業が活躍しているのは中小企業に対するMOBIOの支援が充実しているからだと思った。

経済学部2年生 沢埜 柊太 さん

私は4月10日(水)に大阪府商工労働部ものづくり支援課及びMOBIOへの訪問を行った。まず初めにMOBIOの職員の方から説明を受け、最後にMOBIOの常設展示場を見学した。
 職員の方から受けた説明は、大阪のものづくり中小企業の現状やMOBIOで実施する各種施策などといった内容であった。大阪の中小企業の事業所、従業者数、出荷額は日本トップクラスであるのだが、1~3人といった小規模な事業所を中心に事業所数が年々減少している傾向が見られた。
 こうした事業所数が減少している現状に対し、大阪府ではMOBIO、大阪産業技術研究所の2ヶ所でものづくり中小企業をサポートしている。MOBIOでは従業員10~99人の中小企業約8,830社を主なターゲットにビジネスマッチングを中心に総合相談、取引先の紹介や知的財産相談などを行っている。週に1~2回のペースでMOBIO-caféという少人数制の企業交流の場も設けている。また、大阪のものづくり中小企業を広めていく為に企業や商品を紹介する情報誌「MOOV,press」の発行やMOBIOのホームページで情報発信している。
 そして今回のMOBIOを訪問して個人的に印象に残ったのが大阪ものづくり優良企業賞「匠」だ。これは大阪に本社を持つものづくり中小企業で「技術力」「品質・コスト・納期」などが高く市場で高い評価を受けている優秀な企業を対象に表彰されるという仕組みである。この事業が開始されて12年間で900社を超える企業が受賞した。この賞を受賞した中小企業はものづくり紹介冊子に掲載されるなど大きな宣伝にもなる。実際にこれまでに受賞した企業の声には新たな強みの発見、知名度の上昇、開発案件の増加などがあった。こうした事業が中小企業の成長を支えているのだなと考えた。
 最後の常設展示場の見学では、普段食べていたはぴなん丼の容器や以前から知っていた緩まないナットが大阪の中小企業が作った製品であることを初めて知った。
 今回のMOBIOへの訪問を通して大阪の中小企業の現状やそれに対する大阪府の取り組みを知ることが出来た。また、これらのことを頭に入れたうえで次回からの企業訪問に臨んでいきたい。

経済学部2年生 杉本 侑也 さん

 MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)に行き、様々なことを学んだ。
 元々、大阪ではものづくりがとても盛んで、第一次世界大戦後には大阪が「東洋のマンチェスター」と呼ばれていたらしい。そして今では、事業所数42,680所・従業員数604,086人と全国2位、中小規模の製造出荷額16.9兆円で全国3位と高い集積・中小企業が多い町である。東京都や愛知県などは輸送用機械や業務用機械、印刷系の産業が多いが、大阪府は、繊維・衣服、機械金属、生活用品など幅広い業種にわたる多様な産業が集積している「フルセット型の集積」という特徴がある。MOBIOは大阪にある中小企業を総合的にものづくり支援しているサポート拠点である。
 MOBIOではビジネスマッチングを中心に支援していて、総合的な相談、取引先の紹介、産学連携相談など、ものづくり中小企業の外部連携を支援している。
 私が、特に面白いなと思ったのが、MOBIO-Caféと、MOBIOにある国内最大級のMOBIO常設展示場だ。まずMOBIO-Caféは、MOBIOが中小企業の人たちが普段出会えることができない異業種の方や団体などと出会える場所を提供するというサービスである。少人数でのセミナーで会社同士、じっくりと話し合える場になっている。そして、大阪府が提供している大規模展示商談会事業や、ものづくりイノベーションネットワーク事業によるマッチング、各種事業へのエントリーなど「ものづくりと事業をつなぐ場所」でもある。このように企業同士をつなげることによって、新たな製品ができたらとても面白いと思う。
 次に、MOBIO常設展示場では中小企業の優れた技術・製品を一堂に集めて、ビジネスマッチングにつなげることを目的に大阪府が開設した国内最大級常設展示場で200社の会社のブースが設立されている。この展示場の特徴として、いつでもPRができることが重要なポイントだと思う。200社以上もブースがあるので、気になる企業も出てくると思う。そこでブースに名刺入れを作り、気になった企業には名刺を入れる。入れられた企業には連絡が入り、そこで企業同士マッチングする。このシステムはとても面白いと思った。
 MOBIOに行って、大阪府には中小企業が多いことすら知らなかったけど、優れた技術を持っている中小企業同士マッチングすることでよりよいものがこれから生まれていくと思うと、とてもいい仕組みだと思った。MOBIO-Caféなどおもしろいセミナーも知ることができた。