活動テーマ:私たちが考える「理想の英語リメディアル教育」とは
産学連携先:オンライン英会話学校Lingua Espresso


日本の大学生は、中高6年間英語を勉強しても実際に話せる人は非常に少ない。いくつかの原因が指摘されているが、このキャリアゼミ活動ではその中の「動機付け」「聴解」の部分に焦点を当て、自分たちが考える「理想の英語リメディアル教育」を連携先と協力して作り上げることを目的とする。

活動内容は以下の通りである。
  • ゼミ生は「動機付け」「聴解学習」を実施するグループと実施ないグループに分かれる
  • 前者には約20回の聴解学習機会と、英語力が向上した際のインセンティブが与えられる
  • 聴解以外の部分(主に単語、文法)については、共通のテキストを用い、各自自習する
  • 一定期間経過後に、前者と後者で英語力向上にどの程度の差が出たのかを測る
  • これらの活動を通じ、連携先と一緒に、体系化された「私たちが考える理想の英語リメディアル教育」を作る

学生活動状況報告

1年間の「動機付け」「聴解学習」を通じ、以下のような学習のポイントが理解できました。
  • 音素の練習で今まで教わったことのない知識を得た。
  • 習慣づけしないと身についたものも忘れてしまうことがわかった。
  • 多言語(英語以外)から学ぶリスニング習得の過程を学べた。
  • 今までの勉強方法の誤りに気づくことができた。
 一方で、個々人に合った自習方法を見つけるのに時間がかかったという問題点も発生しましたが、河田先生から「自分に合った自習方法を見つけることができたのであれば、それは大きな進歩だ」というご講評をいただき、このプロジェクトに取り組んで良かったと思いました。残念ながら目標とするTOEICの点数アップには届かなかったため「体系化された英語リメディアル教育」が十分構築できたとは言えない状況ですが、少なくとも私たちは英語の勉強の仕方、モチベーションの保ち方について習得できましたし、連携先の河田先生にも何らかのお役立ちができたのではないかと思います。1年間ありがとうございました。

経済学部 3年生 渡邉 果穂

参加学生一覧

鈴木 麻友、渡辺 早貴、井内 亘、杉本 佑介、眞壁 成夢、宮本 竜治、渡邉 果穂、藤田 健司、岡嵜 維也、CHEN SHIYU

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

オンライン英会話学校Lingua Espresso
代表 河田恭郎様

 最終報告会で皆さんのご感想を聞けたのは大変有意義でした。「自分に合った自習方法がわかるのに時間がかかった」ことが「良くなかった点」としてあげられてましたが,裏を返せばこれは「時間はかかったにしろ自分に合った自習方法が見いだせた」という意味であり,これを聞けて非常にうれしく思いました。
 自分に合った学習方法を探し出すことは,英語学習に限らずあらゆる学習の成否を左右するきわめて重要で汎用性の高いスキルだと私は思っています。レッスンは発音中心でしたが,その意味で発音うんぬんよりよほど価値のある教えだったかもしれません。それを獲得してもらえたのなら,私基準の評価では「超絶よかった点」であり,それが起こせたのであれば私は非常に満足です。
 そして私の「自習のペースに対するハンパないプレッシャー」に負けずに食らいついてきてくださった受講生の皆さんに心より感謝したいと思います。是非今後も英語の勉強を続けてくださることを願ってます。

教員のコメント

経済学部 三木 隆弘 教授

 1年間の活動、大変にお疲れさまでした。決して英語が得意とは言えないメンバーで、英語教育(学習)の方法を考えてもらうという、やや無謀なテーマにもかかわらず、ゼミ時間外の活動も含め本当に良く頑張ったと思います。目標には達しなかったものの、十分な学習効果が出たと評価できるTOEICの点数アップを実現した人もいました。結果的に、個別の最適教育(学習)法は見つかったものの、それを普遍化に導くところにまでは至りませんでしたが、連携先コメントにもあるようにそれが見いだせただけでも大変大きな成果だったと思いますし、連携先にとっては十分な成果が得られたと考えます。
 指導教員としては、英語を学ぶことを「楽しい」と思ってもらえなかったことが課題だと思っています。皆さん真摯に取り組んでくれていましたが、どちらかと言えば難行苦行のような雰囲気でした。どのような形になるかまだわかりませんが、この部分については来年度に向けて改善していきたいと思います。