2019年1月21日(月)、経済学部「グローバル・ビジネス論b」(三木担当)は、ASIA-NET代表、株式会社クロスコスモス代表取締役、TCA東京事務所駐日代表の吉村 章 様をお招きし、ご講演をいただきました。

吉村 章 様 ご略歴

 1961年生まれ。87年から台湾でビジネスマン向けの日本語教育に携わり、96年台湾最大のIT関連業界団体、Taipei Computer Association(TCA)へ移籍。同年、駐日代表として帰国。2001年からは中国に進出する日本企業支援が業務の柱となり、現在に至る。中国への出張者・赴任者向けの異文化研修や地方自治体向けの海外市場開拓セミナーの講師を務めるなど幅広く活動。『知識ゼロからの中国ビジネス入門』(幻冬舎)、『中国人とうまくつきあう実践テクニック』(総合法令出版)など著書多数。
 以下に今回のご講演で得られた、学生たちの気付きの一部を紹介します。

岩根 仁志 さん (経済学部2年)

 今日の吉村さんのお話を聞いて最も印象に残っているのは「距離感」「見極め」「積極果敢」という、タマゴ型コミュニティに必要な3つの要素です。これは中華圏の人たちだけではなく、日本人や他の国の人と接する時にも使える要素だと感じました。距離感は自身と相手の立場やどのくらいの親密度かなどを考えた上で付き合うということで、見極めは相手が自分にとって有益であるかなどを見て接して感じることであり、積極果敢は距離感や見極めを行った上で自分が仲良くなりたいと感じた人に自ら仲良くすなろうとする努力だと自分の中で感じました。
 最後に、私は海外で仕事をすることに少し興味があり、もし海外の人と仕事をする機会があれば「距離感」「見極め」「積極果敢」を頭に置いて、人間関係・人脈を構築していきたいと考えました。また、今回は中国人の話でしたが、欧米やアフリカなどの考え方や文化にも触れ、自分の異文化理解を深めていきたいと感じました。

匿名希望 さん (経済学部2年)

 今回の講義で、日本人と中国人では多少の違いはあっても、考えが変わらない部分もあるのだと思いました。
 何個かの質問をされたうち、私の考え方は中国人と同じだなと思うことが多くありました。知り合いや友人、自分にとって特別な存在である人たちには、それだけおもてなしをしてあげたいという気持ちも湧き、特別な配慮をしてしまうのではないかと思いました。中国人のように家族・友人に対する感じ方が違うと思うので、私と中国人の間にそこまでの大差はないのではないかと思いました。
 中国と日本、どちらでも人望があるということは大事だなと思いました。結局はどれだけ人とコミュニケーションをとり、信頼され、良い関係性に築き上げていくかが重要だと思いました。そのためにもお人よしでいるのも良くないし、疑ってばかりというのもいけないと思いました。
 今回の講義では、人との関わりが自分にとって良いことにつながると思ったので、もっと色々な人と関わり、将来的にも役立つような生き方をしたいと思いました。
 ご講演ありがとうございました。

竹尾 花奈 さん (経済学部3年)

 今日の講義で最も印象に残ったのは、中国人の「友人」との付き合い方についてです。
 前期で使用した教科書の著者ということで、聞き馴染みのある言葉が多く、おさらいのような側面もある内容でした。その中で1つ驚いたことがあります。中国人が周囲の人間のカテゴリー分けを、知っているか・知らないか、で行っているということは、私の記憶にもありました。しかし、席の近い人と簡単に話し合いをした上でそれを学ぶことで、日本と中国との根本的な価値観の違いが浮かび上がるのを感じました。
 外面的な人付き合いとプライベートの差です。我々はプライベートに重きを置いたうえで、建前で他人を尊重することが多いのだと思います。ですが中国人は友人が大事であるという本音を隠さないのです。これは私自身が取り入れることは決してできない振る舞いですが、ある種とても気持ちのいいことだと感じました。
 どこか金銭面などで打算的なイメージのある中国人ですが、タマゴ型コミュニティに話を聞き、それは偏見であると考えを改めたい気持ちを抱いた気がします。