2018年10月1日(月)、経済学部「グローバルビジネス論b」(三木担当)では、公益財団法人 大阪観光局 理事長 溝畑 宏 様をお招きし「IRがもたらす大阪の未来」という演題でご講演をいただきました。

溝畑 宏 様 ご略歴

1985年 自治省入省
2002年 大分県企画文化部長
2004年 株式会社大分フットボールクラブ 代表取締役
2010年 観光庁長官
2015年 大阪観光局理事長
 以下に今回のご講演で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部 3年 森田 晃代 さん

 今回の講演で最も印象に残ったことは、観光産業を盛り上げるためには、地域の人々が自分の住んでいる場所に自信と誇りを持つことが大切だということです。理由は3つあります。
 1つ目は、その地域の資源や魅力が圏外の人々の目にとまることができるからです。現在SNSの利用が広まっており、人々の情報収集能力が高まっています。ですので、他の地域と差別化を図るためにも自分の地域の独自性が問われると考えられます。
 2つ目は、独自の地域資源が時代の流れに適合した付加価値をつけることが可能だからです。近年日本の観光業はグローバル化が進み、日本政府観光局によると2017年の訪日外国人旅行者数は「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が始まった2003年と比較して約5.5倍に増加しています。更にSNS等との相互作用により地域資源の更なる魅力を引き出し、新たな一面を見出すこともできるからです。溝畑さんは例として大阪城を挙げ、世界水準の観光施設を目指すために指定管理者制度を利用した様々な改革を紹介していました。枠組みを越えた考え方の重要性を感じることができました。
 3つ目は、観光客に対する地域住民のサービス精神も不可欠であることです。住民が訪れた人に最高のおもてなしをすることで再び訪れてもらったり、その地域にとって望ましい情報発信源となってもらうことができます。双方が喜びを分かち合える関係を構築すべきだと考えます。
 以上のことから、地域の人々が自信と誇りを持つことで魅力発信・資源の革新ができるとわかりました。

経済学部 3年 香川 鴻旭 さん

 私が最も印象に残ったことは、溝畑さんの「必ずやり遂げる」という意思の強さです。話を聞いていると、内容のほとんどが実現するには膨大な時間と努力が必要なものなのですが、話を聞けば聞くほどこの人には実現できそうだと実感させられました。私が思うに「言霊」とはまさにこういうことだと思いました。カジノを作るにしても、日本ではカジノはマイナスなイメージしかありません。その中で法案を通すのはかなり厳しいと思います。そして、きっと反対派が多い国民をいかに納得させ、法案を通すのかにすごく興味が湧きました。日本人は先入観がとても強く、シンガポールなど既に法案が成立している国と同じように行くとは限りません。日本国民のイメージをどう変えていくのかが非常に気になります。
 溝畑さんのお話は、とても大阪のことを考えていて、本当に大阪のことが好きなのだと感じました。私も生まれてからずっと大阪に住んでいるので、大阪に対する思いがすごく伝わってきました。お話には全て根拠があり分かりやすかったです。また、自分の将来に関する話をしていて、話を聞く前と比べると何か自分の中で少し変わった気がしました。私は今日のお話を聞いて、常に何か行動に移す・計画することに決めました。とりあえず今を変えることで将来はもっと有意義になると思います。そして私も大阪のためにできることは何かを考えて有言実行していきます。

経済学部 2年 古川 れい さん

 私は今回の授業を聞いて「自分のやりたいこと、したいことを今見つけて精いっぱいしよう」という言葉にすごく考えさせられました。大学生という時間は人生の中で勉強も大事だけど人とのつながりやコミュニケーション力などを身に付ける場だと思います。自分のしたいことを有意義に費やす時間が設けられていて、それをいかに将来のために今努力したり使ったりするかです。そして、それを仕事にしたり、好きなことを好きなだけしたり、自分の人生のプラスになることをしたりしていきたいな、と思いました。「30代を越えてしたいことがないと、終わりだ」と溝畑さんがおっしゃっていた言葉にすごく考えさせられました。一生好きなことをして生きていくってなかなか難しいことだと思うし、大変な中で溝畑さんはどんどんしたいことにチャレンジして、失敗しても成功するまで頑張った結果が今の地位や仕事なんだと思いました。
 私には今、夢があります。この授業を聞いて、もう一度前向きに考えるようになりました。海外に行って、もっと世界を見て、これからの将来のことを考えたいし、その夢についても努力をしてそれを好きなことから仕事にしていけるように頑張ろうと思えました。溝畑さんがおっしゃっていた「何事も素直に、そして、楽しく行こう」という言葉を忘れずに、これからも夢に向かって頑張っていこうと思います。いくつになっても好奇心を忘れず、いつでも楽しい人生であるよう、そんな人生にしていこうと思いました。

経済学部 2年 岡本 大輔 さん

 溝畑さんがお話してくださった中で私が最も印象に残っていることは、大阪にIRができたらどういう影響があるかということだ。私は今までIRが大阪にできることは反対だった。なぜならIRが大阪にできることでギャンブル依存症の人が増えるからだ。
 実際にニュースでIRのことについて言われていたのは、ギャンブル依存症の人が増えることについてだった。でも今回溝畑さんのお話を聞いて、決してIRが大阪にもたらす影響が悪いことばかりではないということだ。IRの私のイメージはカジノが主な観光地になっているのかなと思っていたが、実際には海外のIRではカジノは観光地の一部でしかないということが分かりました。
 私はIRを作るのはデメリットもあるけどメリットの方が大きいのではないかと思うようになりました。確かにギャンブル依存症の人が増えることは心配だし、未成年への危険がないわけではない。でもそれは大阪にIRができると決まったら対策をしっかり大阪府・大阪市が考えて、試行錯誤しながらいろいろやってみたりしないとわからないと思う。
 私はもし、自分がギャンブル依存症になったら怖いなと思う。大阪府・大阪市の対策に頼るだけではなく、自分自身でもカジノのことを知ることがすごく大切だと思う。大阪に人が集まることによって大阪が東京にも負けないくらいの大都市になってほしいと思う。溝畑さん、貴重なお話ありがとうございました。

経済学部 2年 春田 祐希 さん

 はじめに溝畑さんは「恋愛上手は仕事も上手くいく」というお話をされたのがとても印象に残り、感銘を受けました。私はまだ彼女がいたことがないので、大学生の間に恋をいっぱいして、仕事も上手くいくようにしたいと思いました。
 本題の、大阪のIR誘致についてですが、今まで偏った知識しかなかったのでネガティブな印象の方が強かったです。しかし今日の講義を受講して、IR誘致の本質を知ることができました。私はカジノを大阪に作ると聞いて「治安が悪くなるのでは」とか「ギャンブル依存症の人が増えるのでは」など考えていましたが、海外の実例を見てみるとカジノができることによって警備が強化されて逆に犯罪が減ったり、ギャンブル依存症防止のための規制によりギャンブル依存症が減ったなどの話を知って、ポジティブな印象の方が強くなりました。そしてIR誘致はカジノだけではなく水族館やレストランなど様々な施設を統合した、老若男女が楽しめる場所だということが良く分かりました。
 大阪を盛り上げるためには良いことなのかなと感じ、IR誘致にも興味が湧きました。自分に機会があればIR誘致に関わることができたらな、と思います。