流通学部3年 足立 詩歩 さん

 夏休みの8月14日から9月12日までベトナムでのインターンシッププログラムに参加しました。参加理由はグローバル社会と言われている中で、海外で働くとはどういうものなのか興味があったことと、全く慣れていない環境の中で、自分の行動力を向上させたいという思いからこのプログラムに参加しました。
 インターンシップ先は日系企業の「TRANSCOSMOS TECHNOLOGIC ARTS CO., LTD」というITの会社で、私ともう一人同じ阪南生がそこで一緒に働きました。任された仕事は二つあり、一つ目は、「ベトナム人の社員が長期ビザを取得する為のマニュアル作成」です。ベトナムでは日本に滞在するためのビザが1日から必要で、長期滞在ともなると必要書類が多くなり、手続きも複雑になってきます。この会社は日系企業なので今後ベトナム人の社員が、転勤または技術者という形で日本へ行くことが多くなると考え、ビザ取得を自分達で行えるようにするために必要な作業として、一連の流れをまとめたマニュアル作成を任されました。
 社員の方からは8月中に終わらせてほしいと指示があり、任されていたもう一つの仕事と同時進行で進めていかないといけなかったので、調べる作業、まとめる作業をそれぞれ何日間でするのかスケジュールを決めてから作業に取りかかりました。調べていくと自分が思っていたよりも複雑な内容で最初は戸惑いましたが、自分達がまずしっかり内容を把握してから、分かりやすく見やすいマニュアルが作れるように意識しました。分からない事やレイアウトの仕方は社員の方にアドバイスを頂き、最終のチェックで了承を得ることができなんとか8月中に作業を終わらせることが出来ました。相手にとって分かりやすい資料の作り方や、スケジュール調整の大切さ、目標設定の重要性が分かった業務内容でした。
 二つ目の仕事は「ベトナムの社員の方に日本のビジネスマナーを教える」ことです。会社には日本人のお客様が来られることが多く、その際の対応として社員の方々には、日本のビジネスマナーを理解して実際に使ってほしいということ、また日本に仕事で行った際にビジネスマナーが出来るようになってもらいたいということで任されました。
 私は秘書検定を持っているので、ある程度のビジネスマナーの知識はありましたが、それらを伝えるとなった時、そもそもベトナムにはビジネスマナーというものがなく、まずなぜそれを行うのか理由から説明する必要があり、日本人は感覚で分かったりすることが、文化の違いからそれらの理由を細かく伝えなければならず、日本人の私達でも説明をするのが難しくなると感じました。その為より分かりやすく説明をするために、社員の方にお借りした日本のビジネスマナーの本や、ネットを参考にしたり、実際にベトナム人の社員に意見を聞いたりして、資料作成をしました。セミナーの日程は仕切って下さる社員の方々と話し合って決めました。そこでは英語を使っての話し合いだったので、英語が出来るもう一人の子に助けてもらいながら、日数や時間帯を決めました。途中で日程が変更になった際には、英文のメールでやり取りをして日程を確認し、セミナーの前日には案内メールなども作成しました。私は英語が苦手で、特にメール作成には苦労しました。一緒に働く子に教えてもらいながら、自分の英語力の乏しさを痛感し、もっと勉強しなければいけないと感じさせられました。
 セミナーは四日間のうち、最初の三日間は90分、最終日は30分間で総復習と簡単なテストの時間にしました。初回以外は前回の復習をする時間を作って、より理解を深めてもらえるように工夫しました。また自分達で毎回終わった後に反省会をして、良かった所、悪かった所を分析しながら、次のセミナーに生かしていきました。セミナーは日本語で説明をして、日本語が分かる方に通訳をしてもらいながら進めました。また社員の方のアドバイスからアンケート用紙を作成し、毎回のセミナー後に配りました。感想には「分かりやすい説明をありがとうございました」や「次回のセミナーが楽しみです」などがあり、それらがとても嬉しく、次の日のモチベーションの向上になりました。
 ベトナムで約一か月過ごして、慣れない環境に最初は不安もありましたが、慣れていないからこそ自分から行動することが重要で、遠慮や受け身の姿勢では何も出来ないということが分かりました。ベトナムの方々と一緒に働いて学んだことは、積極性や自分の意見をちゃんと伝えること、いつも元気な所、優しい所などたくさんあります。これらの学んだことを大切にし、自分のステップアップや、残りの大学生活、これからの社会人としての人生に生かせればと考えています。

経済学部 3年生 杉本 佑介 さん

 8月14日から9月12日の約一ヶ月間ベトナムにインターンシップに行きました。私がこのインターンシップに参加した理由は、国内でインターンシップをするよりも何か得られるものが多いのではないかなと思い参加しました。そして私が今回派遣された企業はW&S joint stock companyというリサーチ会社で、デスクワークが基本でパソコン業務が多く、相関係数や収集されたデータの整理や入力を行いました。その中で私が直面した問題というのは主に二つあります。
 まず一つ目は英語が話せないのでコミュニケーションを取るのが困難だということです。最初の自己紹介の時も趣味以外全く話すことができず、1分も話すことが出来ませんでした。また昼休憩の時に話したくてもすぐに言葉が詰まり、話が終わることが多々ありました。そこで私は会話から全てを携帯のGoogle翻訳や、身振り手振りを使い話しました。しかし、それは翻訳している間待ってもらわなければなりませんが、会社の方々はしっかりと待ってくださり、最終的にスムーズではありませんが会話をすることができました。これにより、会議や資料のコンセプトなど高度な内容のことを話すのは厳しいことが多いですが、翻訳に身振り手振りを合わせたら日常のコミュニケーションなどは取れるのだなと分かりました。
 二つ目は、日本人の上司の方から資料の英訳と、その資料のマニュアル作りを任されました。しかしその上司の方は具体的にどのように作って欲しいのかはあまり話してくれず、聞いた話を基に手探りで作りました。作り終わり提出したところ上司が求めているものと違うと言われ、作り直すことになりました。その後はしっかりとわからない箇所を聞き、上司が満足いく資料を作り終えることができました。これについてはわからない箇所を手探りで進行していくのではなく、当たり前のことではありますが、わからないところははっきりとわからないと言うことが大事だなと改めて思いました。
 私はこのインターンシップでの経験で、海外で働くというのはこんなにも難しいのだなと感じました。当たり前ではありますが英語を話す機会が多く、ここまで困ることがあるとは思いませんでした。ベトナムで働く日系企業のある責任者の方からお話をうかがった時も「通訳がいるのである程度の内容を伝えることができるが、深い内容を伝える時に英語が話せたら伝えれるのに」というお話があり、その通りだなと思いました。そして私はこれまで国内で働きたいと思っていましたが、ベトナムで働いている人たちを実際に見て、ベトナムで働いてみたいと思いました。

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