2018年4月25日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、八尾市にある株式会社中田製作所を訪問し、若手社員3名にお話をうかがいました。
 株式会社中田製作所は昭和52年創業、アルミ専門の精密部品機械加工メーカーとして高品質で魅力ある製品をお客様にお届けしています。納品先は液晶・半導体・産業用ロボット・医療機器など多岐に渡り、特に近年はアルミを含む幅広い金属材料に対する超微細加工技術の開発に成功。平成19年(2007年)と平成25年(2013年)には内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」優秀賞に選ばれるなど、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 松本 華歩 さん

 今回はアルミを専門に扱う中田製作所を訪問し、模擬会社説明会と工場見学をしていただいた。中田製作所は高いアルミの加工技術を有している。資本金1000万円、社員数33人と大きい会社ではないが年商4億5000万円を売り上げている。主な事業内容は、半導体製造装置、液晶製造装置、医療医薬機器、産業用ロボットなどのアルミ部品を企業に提供している。なかでも中田製作所が強みとして掲げているのが、超微細加工技術だ。ミクロンレベルの微細加工技術を応用し、精密微細加工だけでなく加工方法を工夫することによって、より難易度の高い製品を作り出している。実際に、極微小径穴加工技術(直径が髪の毛ほどの小さな穴をアルミにあける技術)で作られたサンプルを見せていただいた。ただのアルミの塊だが、裏からライトで光を通すとドラえもんが浮かび上がった。実は、アルミの塊に光を通さなければ分からないほどの、小さな穴がたくさん開いていたのだ。このサンプルを見て中田製作所のアルミ加工技術に感心した。しかしその後にさらに小さな穴をあける技術も有していると聞き、驚きを隠せなかった。
 中田製作所は上記のような製品を製造し、顧客に届けるために主に3つの部署で成り立っている。①技術職 ②営業職 ③事務職だ。①技術職は製造はもちろん頂いた図面をもとに加工プログラムを作成したり、品質管理を行っている。現場でありながら品質管理の場面では、女性が活躍していた。②営業職は提案営業型をとっており、売り上げを左右する部署だ。③事務職では、幅広い業務をこなす。会社全体の事務作業はもちろん、営業につながるWebサイト作成やエミダス(多くの中小企業が登録しているマッチングサイト)の更新、イベント準備、運営など話の中でも様々な仕事内容をこなしているとうかがった。私は将来、たくさんの人と関わりたいと思い、営業職に就きたいと考えている。だから、営業職について詳しく聞こうと思っていたが中田製作所の事務職の幅広い仕事内容の話を聞いて大変興味を持った。例えば一つのイベントを作り上げるのにたくさんの人とかかわれるし、何よりも達成感が感じられると女性社員が話されていた。女性社員が率先して会社全体を引っ張っているように見えて、このような働き方もあるのだと私自身の働き方の視野が広がった。
 今回、中田製作所を訪問させていただいて、上記のようなことが学べた。

経済学部2年生 桑山 楓香 さん

 八尾市にある中田製作所を訪問した。実際に企業へ訪問するのは初めてだったので緊張感とワクワクがありとても楽しみだった。中田製作所の周りには沢山の中小企業があり初めて工場が沢山あるところを歩いたので新鮮で楽しかった。阪南大学の卒業生の方もいらっしゃり給料やボーナスなど普段聞きたくても聞けないことを伺えたので社会人とはどういうものなのかを知ることができた。
 中田製作所ではアルミ精密部品切削加工をしており超微細加工技術開発をしている。実際に見せていただいたサンプル(ドラえもん)は感動した。髪の毛より細い穴が開けられており光を直接当てるととても細い線に見えた。工場内には大きな機械がいくつもあり色はなんとガンダムをイメージしたものだった。ユニークなチョイスだと感じた。また、納期を早くするために研磨も自社で行っていると伺った。お客様に商品を早くお届けできるし会社にとっても一つ一つの商品を早く納品できると他の仕事も引き受けることができるので効率が良いと感じた。
 女性社員の活躍できる幅が大きくて驚いた。書類の作成、注文書、ホームページの更新、採用、発注、営業のアシスタントなどがあり私は特に採用に関わることが出来るのはやりがいを感じられると感じた。実際に女性社員の方が1次面接をした方が入社するとやりがいを感じるとおっしゃっていた。そして、工場見学をしている際外国の方が何人か働いており驚いた。中小企業で外国の方が働いているのを知らなかったからだ。ベトナムの方で大きな声であいさつもしていただきとてもまじめな方たちだと感じた。
 また、福利厚生がユニークで印象深い。なかでも「記念日休暇」というものがあるのは驚いた。誕生日か結婚記念日に休暇が取れ社長から1ホールのケーキをいただけるという。とても社員思いの会社であると感じた。そして、社員みんなで参加する行事も様々ありそして勉強会という成長する機会やメンター制度、週末会というものがあり新入社員でも働きやすい職場である。
 中田製作所を訪問して今までは視野になかった中小企業への就職だったがもっとたくさん企業研究をしたいと感じた。とても繊細な技術を持っており社員思いな企業であった。

経済学部2年生 松本 幸 さん

 今回私たちは4月25日に、八尾市にある「中田製作所」に行きました。ここではアルミ精密部品を最新の設備で加工製造しています。そして、長年の経験、ノウハウを活かし、設備だけでは再現できない機械加工の限界を超えるような微細なアルミ精密加工技術を得意とする企業です。
 まず初めに私が感じたことは、従業員の方たちのことを大切にしている会社だと思いました。福利厚生が整っていて産休、育休などもしっかりととれるので、仕事に復帰したいと考えている方からすると、大変ありがたいことだと思いました。私は子供ができたとしても、仕事に復帰したいと思うので、この制度が整備されているのは大変魅力的です。他にも記念日休暇というものもあり、この休暇制度は誕生日や結婚記念日に休暇をとることができます。
 そして中田製作所の皆さんは、お客様のことを大切にしている企業です。渡された図面をただ作るという受け身姿勢ではなく、図面を基にお客様と何度も打ち合わせをし、お客様に満足してもらえるように企業側から案の提示などをしています。私ももし、製品を頼む機会があったとして、中田製作所さんみたいに真剣に考えて、案を提示してくれると嬉しいし、心強いなと思いました。この真剣に考える姿勢で何社救われたのだろうかと思い、これからもお客様に寄り添って考える姿勢は続けて欲しいです。
 このような努力のお陰で「ものづくり日本大賞」優秀賞を受賞しています。他にも様々な賞を取っていて、これは努力の結晶だなと感じました。大企業でもないので、名も通っていませんが努力して頑張っていると結果がついてくるのだなと思い、コツコツ頑張っている中田製作所の皆さんがかっこよく見えました。
 他にも、社長から「経営計画書」が従業員に配布されています。この経営計画書には、昇給のタイミングやボーナスのことも書かれています。この企業の良い点は、景気や業績の変動に関わらずボーナスとして貰える金額が決まっていることです。貰える額が決まっていると、計画などが立てやすく減額の心配もないので安心できます。この経営計画書の本当の魅力は、社長と接する時間が少なくてもこの計画書を読めば社長の思いなどが身近に感じられ、仕事に邁進できることです。私が就職したときに、毎月社長からの思いなどが分かると仕事に対する思いが高まるなと思いました。
 私は中小企業の大企業の下請けというイメージがあり、就職したくないなと思っていました。しかし、最先端で頑張っている姿を見てイメージが変わり、中小企業に就職してみたいなと思いました。貴重なお話ありがとうございました

経済学部2年生 岩根 仁志 さん

 八尾市にある半導体や医療機器などの部品を製造する中田製作所で、模擬会社説明会と工場見学をしていただいた。中田製作所はアルミを加工する会社で髪の毛より小さな5ミクロンの穴を開ける技術を持ち、日本ものづくり大賞優秀賞を2回受賞している。
 今回の中田製作所への企業訪問を通して社員の皆さんの堂々と説明をする姿や仕事のやりがい、魅力を話す姿がとても印象に残っている。その中で一番印象に残っているのは会社の将来についてだ。会社の将来について質問した時、中田製作所は強い会社を作る、不景気に負けない強い会社、ここにしかない技術を持った強い会社を目指すという答えが返ってきた。会社の規模の拡大や社員数の増加を目標にする企業が多い中で中田製作所は強い会社作りを目標にし、社員一人一人が思う存分に働ける環境、明るく楽しく元気のある職場作りをしたいという言葉がとても印象深く、私の心に残った。新入社員に対してのメンター制度やジョブローテーション、おやじ休暇や記念日休暇などの社員に対する配慮は少しでも自分に合った職場、働きやすい環境で仕事をして欲しいという経営者の願いが込められているように感じた。このような経営者が社員のことを考えていることこそが中田製作所の強みであり、強い会社である証拠だと感じた。
 また、今回の企業訪問で私自身の中小企業と営業職に対する見方が以前に比べ一変した。中田製作所の賞与は景気によって変動することがなく、等級制度があり年齢に関係なく等級が上がれば給与が高くなる仕組みになっている。福利厚生に関しても産休、育休の手厚さや予防接種の補助など福利厚生に力を入れている印象を持った。営業職に関しても、基本ノルマがなく、主に加工の提案や製品を届けるのが仕事となっており、阪南大学OBの方や管理職の方の営業がどういう職なのかという話を聞いているととても営業職に興味が湧いた。その中でも「営業は恋愛と一緒で駆け引きが大事」という言葉がとても印象的だった。相手の要望を聞き、こちらの要望も聞いてもらいお互いが納得する形に持っていく難しさ、取引先と何度も言い合いをし、破談になることもあれば、謝罪し取引が上手くいくこともあり、そのようなことを繰り返し、取引をしていたという体験談などを聞く中で、以前の営業は苦しいだけだというマイナスなイメージがなくなり、難しく、苦しい分やりがいのある仕事だという事を学んだ。
 最後に、この企業訪問を通して、質問に答えてもらった社員の方々全員が堂々と中田製作所を選んだ理由や今の仕事のやりがい、魅力を笑顔で堂々と話す姿は、仕事に対する誇りや自信も持っており、経営者の考えや会社の環境に共感、満足をしている証拠だと感じた。私も2年後、自分が働く会社の魅力ややりがいを人前で堂々と話せるようイメージなどで進路を判断せず、企業説明会やインターンシップなどを利用し、しっかりとした企業研究を行い、私自身が本当に働きたい、仕事に誇りを持てるような職場選びが大切になってくると感じた。

ご参考