大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」⑪
株式会社タナカカメを訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

 2017年1月10日(火)、経済学部の三木ゼミ2年生は、枚方市にある株式会社タナカカメを訪問し、代表取締役社長の田中俊成さん、総務部次長の北村さんにお話をうかがいました。
 (株)タナカカメは大正8年創業、油圧プレスの専門メーカーで、設計から製造、据付、アフターサービスまで自社で一貫して行うことのできる強みを持っています。2010年に大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 石原 夏帆 さん

 1月10日私たち三木ゼミ生は株式会社タナカカメを訪問しました。タナカカメは昔、軍の指定工場にもなっていた、粉末成形プレス、鍛造プレスなど機械を作る会社です。粉末成形プレスではセラミック粉末や耐火物、自動車に使われる部品などが成形できます。自動車メーカーとも多く取引しているそうです。社内一貫生産で納入後のメンテナンスまでしてくれるので、取引先も安心して機械を購入できると思います。
 社長のお話では、常に熱意が感じられましたが何よりもお客様のことを考えているのが強く伝わりました。今まで訪問したような、同じ製品を大量に生産する会社ではなく、年間20〜40台の生産を行っているそうです。製品によりますが、期間は3か月〜1年半で、大きいものや精密なものはそれだけ多くの時間が必要だろうと思いました。
 工場見学も社長が案内してくださり、中は広く3つの建物にわかれていました。製品を楽に運べるように横並びの建物にレールを敷き、重いものはレールに乗せて移動させることができる工夫もされていました。建物の上にクレーンのようなものもあり、見学しているときも動いていたのでそういう機械の操作もできる必要がありそうでした。中には企業秘密の製品もありブルーシートで隠されていたので、外部に知られたくない製品もしっかり管理してくれるので安心だと思います。
 若手社員との懇親会でもたくさんのお話を聞けました。年齢層は高めだそうですが、若手でも前線に立たせてもらって仕事ができるのでやりがいを感じることができるそうです。年3回会社で行事があるようで交流もあるとのこと。ほぼ定時で帰ることができるし残業日も決まっていて良い印象でした。完全に受注生産なので口コミで広まっていき現在に至るようです。信頼度も高いと思います。それは社長がお客様のことを一番に考えているからこそだと思いました。

経済学部2年生 佐野 宏太 さん

 2017年1月10日に、私たち三木ゼミは枚方市にある「株式会社タナカカメ」を訪問しました。
 今まで私たちが訪問してきた会社は、1つの商品の一部を担う部品を製造している会社だったのですが、今回のタナカカメさんは部品を製造する際に使用するプレス機械を製造している会社でした。いつもと違う視点での模擬会社説明会でした。社長さんと総務の次長様が学生に名刺を下さったのですが、今までなかったことでしたので緊張しました。
 粉末形成プレス、冷間鍛造プレスなどのプレス機械を制作しており、一つの機械を作るのに3か月〜1年かかるそうです。タナカカメさんは「社内一貫対応」と言って、お客様のニーズ見合わせた提案して、発注・設計・加工・組立・搬入・引き渡し、と最初から最後までを自社で行い、さらにアフターフォローで取引が終わった後も点検などに対応していました。取引先の企業も聞いたことのある企業ばかりで、主に自動車関連の企業を相手に納入していました。
 今まで訪問させていただいてきた企業に比べると敷地が広かったです。工場見学の時に小さな物の組立を行う第一工場、機械加工を行う第二工場、大型の組立を行う第三工場と大きな工場を3つ回りました。
 若手社員の方々との懇談会で聞いたところ、理系の学部や大学出身の方が多かったです。大学時代に学んでいた図面の書き方などを仕事でそのまま活かしていたので、即戦力となっているのだと感じました。また、若手社員の研修など若手を育てるための工夫が多く見られました。
 今回の企業は理系出身の方が多く文系の自分たちが働いている姿はあまり想像できませんでしたが、とても熱い気持ちを持っておられる社長さんのもとで働いてみたいと思いました。

経済学部2年生 森永 弘佳 さん

 先日、「ものづくり中小企業と大学生の求人求職のミスマッチ解消の取り組み」として株式会社タナカカメを訪問しました。
 タナカカメは粉末形成、鍛造、深絞り、熱形成、板金加工用など、お客様の要望に合わせて各油圧プレス・成形機を提供する油圧プレスの総合メーカーです。私たちは昨年の五月から中小企業を何社か訪問してきました。今までの中小企業は機械や製品・商品の部品を造る中小企業や、部品を形作るための金型を製造する中小企業が多かったです。しかし、今回訪問したタナカカメは部品や金型を造るための機械を造る中小企業でした。タナカカメで造られているプレス機は国内だけでなく海外でも使われています。国内に限らず海外でもタナカカメの機械が使われている理由は、お客様に寄り添うスタイルで、設備のご案内から納入、アフターサービスまでを大切にしており提供しているところだと思いました。アフターサービスが充実していれば海外で何かトラブルがあったとしても解決しやすく信頼できると思いました。また、日本クオリティーの信頼性があるからこそ海外での取引も多くあるのではないかと思いました。
 私は今回初めて機械の下の部分を見ました。今まで機械はただ床に固定されているだけだと思っていました。しかし、機械の重さはとても重く、部品や製品を製造するためには何トンという大きな力がかかるため、機械の下は2.3m掘られており頑丈に固定されているということが分かりました。また、昔の職人さんとかは機械を使用する際に怪我をして指を失う人が多かったようです。しかし、現在の機械は安全面もしっかりと考えられていて機器の工程作業内に人間が入ると安全装置が作動し、事前に怪我を防ぐことができるようになっています。そのため、昔に比べ怪我をする人も大幅に減り安全面もより強化されていることが分かりました。
 今回の訪問でより日本製品が海外でも需要があり、利用されていることが分かりました。また、お客様の要望に応え提供するだけでなくアフターサービスを充実させることでより多くの取引を行うことができると思いました。

経済学部2年生 飯尾 梨紗 さん

 1月10日私たちは株式会社タナカカメに企業訪問しました。敷地内には小さな神社や池があり鯉も泳いでいました。
 社長さんはいつもニコニコしていてとても気さくな方で私たちの質問にも快く答えてくれました。私たちの自己紹介の時間も作ってくださり、興味を持って質問してくれたりもしました。驚いたのが、事前に阪南大学のホームページで私たちの活動を調べていただいており、その活動を話題にして距離を近づけようとしてくれました。そんなことをしてくれる会社は初めてでとても嬉しかったことを覚えています。
 この企業は主に部品を作る機械を作っており、売れる台数は少ないけど物が物なので売れた時の金額が大きいのが特徴です。普通の機械は長持ちして10年程度だけどこの会社の機械は30〜40年もつらしく戦時中は軍事用で国に依頼されていたこともあるそうで、この会社の技術力がわかりました。どこにその部品を使うか、コスト的にどうなのかを考慮して製造工程を変えると、同じ部品を全く同じ材料で作っていても強度が変わることを知りました。機械の中にタナカカメの機械を組み入れる企業もあるらしいです。タナカカメのロゴは特徴的でおぼえやすいのでまた企業を訪問する時は探してみたいと思います。
 工場内はとても綺麗にされており、作っているものが大きいのでその分機械もひとつひとつ大きく、大きいものが持ち上げられ動いている様子はとても迫力がありました。取引先の企業との契約もあって、企業秘密のため見せられないようになっている場所もあり、とても興味をそそられました。
 若手社員の方とも話す機会を設けていただきました。従業員数は57名と少なくその中でも20代は7人、30代は10人と少ないため平均年齢が高く、親子ほど離れた先輩からはとても可愛がってもらえるらしく、働きやすいと言っていました。機械研修というものもあるらしく遠方まで行き勉強する機会を設けてくれるのは自分のスキルアップにも繋がると思うのでとても素晴らしいことだと思いました。

ご参考