USJを体験しながら、マーケティングとクリエティブを考える社会見学を実施!

教員研究室トピックス
【大野 茂】大学入門ゼミ

 さる11月4日(休校日)に、希望者11名とスチューデント・アシスタント、指導教員の計13名で、『ユニバーサルスタジオ・ジャパン』の社会見学を実施しました。

 かねてより当クラスでは、「社会見学を行うに当り、その行き先をどこにするか?」の議論を重ねて来ました。事前の調査、当日の計画などをしっかり行い、指導教員を説得できるだけの材料を学生たちが揃えられるか…私としては、期待半分・不安半分で待っていましたが、1年生諸君の熱心な提案に根負けし、この度の実施となりました。

 さらに今回の参加に当たっては「事後1週間以内にしっかりとした自筆のレポートを提出すること」を条件に、指導教員が入場料を負担するという、大胆な逆提案を行いました。
 その結果、個人的な理由で行けない者を除き、合計11名もの学生が参加に名乗りを上げました。

 事前の学習にもじっくり時間をかけました。

 まず、1週間前の授業では、NHKの人気番組『プロフェッショナル〜仕事の流儀〜』(USJ復活の仕掛人である同社マーケティング部長を追いかけた回)をクラス全員で視聴。指導教員の大野は元NHKディレクターであり、この番組は仲の良い同僚が制作していたこともあって、淀川長治ばりに前口上を述べました。
ともすれば‘勘’や‘思いつき’で作られていると誤解されがちなエンタテイメント産業が、実は緻密なデータ分析によって支えられていることを学びました。また、250億円の負債を背負った過去、450億円を投資しての新アトラクション『ハリーポッター』導入の舞台裏などを知ることで、当日への期待感を醸成し、実体験学習への意欲を高めました。VTRを視聴しながら熱心にメモを取る学生諸君の姿が印象的でした。

 当日は快晴。はりきった学生諸君は朝9時から入場ゲートに整列。いつも違って、各自が感心した点を語り合ったり、気付いた改善すべきポイントなどをメモしたり、「遊びにも真剣」です。指導教員の大野からも、テーマパークの歴史、キャラクタービジネスの可能性などについて、入場待ちの行列をしながら即席の青空教室です。各人が楽しみつつも、「顧客サービス」「マーケティング」「来場者への危機管理」など多角的な面から遊園地産業を捉えるヒントを得ました。
 また、東京ディズニーランドと比較してのコンセプトの甘さ、顧客対応の不十分さ等、かなり厳しい指摘をする学生も複数おり、単に手放しで褒めるのではなく、高いレベルでのブランド管理というものにも意識を向けることができた様です。

 そして1週間後の授業には、各自の熱意あふれるレポートが提出されました。どれもがビッシリと文字で埋められ、行間からは‘当日の感動’と‘ビジネスを観察する冷静な目線’の両方が読み取れました。
指導教員には少々大きな支出となりましたが(笑)、それ以上に、学生諸君の成長がうれしく、頼もしく感じられました。

(指導教員:大野 茂)