ふだん私たちが接しているメディアや広告はどのように作られているのでしょうか?プロと素人の違いはどこにあるのでしょうか?私たち大野ゼミはメディアリテラシー、とりわけ映像表現を中心にして、その技法を学ぶことを続けています。実際にプロの方と同じ条件で私たちが取り組んだら、どこまでできるのか、プロとの違いの大きなポイントはどこにあるのか? をワークショップ形式で体験しました。また、一部の学生はオンラインで参加しました。
国際コミュニケーション学部 鬼頭 大輔

学生活動状況報告

 私たちの東京での研修は、広告プランナーによる写真撮影術のワークショップ、動画クリエーター展の体験学習、そして仕上げとして、フジテレビでの番組作りシミュレーションでした。
 朝の情報番組「めざましテレビ」を再現するということで、実際の生放送と同じ環境で、私たち独自のVTRなども挟みながら約15分のスタジオ番組を制作しました。キャスター・カメラ・照明・音声・VTR送出・フロアディレクター・総合ディレクターなどの役割を全て私たちが担当し、フジテレビの方の指導を受けながら、機材もプロの機材をそのまま使うという本格的なものでした。事前の緻密な打ち合わせ、リハーサルを経て、本番に臨んだわけですが、わずか15分の番組でも精一杯で、これをプロの皆さんは毎日2時間30分、それも月曜から金曜の週5日、途切れることなく続けていると知り、その集中力、ミスの許されない正確さ、ジャーナリズムという仕事への情熱に驚くばかりでした。
 途中にエンタメ情報として挟んだVTRは私たちがゼミで動画制作研修で手がけたもの(岡崎体育さんのミュージックビデオを限りなく正確に再現するというもの)ですが、プロの皆さんにお見せするには拙い部分もあり、スタジオモニターでの放映を見ていてちょっと恥ずかしかったです。
 初めて導入された東京のテレビ局での研修は、メディアを内側から見る視点を私たちに与えてくれました。それも単なる社会見学ではなく、実際にその現場を体験するというプログラムでした。これが大野ゼミの新たな名物研修として後輩たちにも受け継がれていくと良いなと思いました。
国際コミュニケーション学部 鬼頭 大輔

ゼミ集合写真

参加学生一覧

東本 旭、 猪股 千寛、 片岡 ほのか、 北濱 菜那、 鬼頭 大輔、 熊山 鈴那、 小池 吏香、 児島 空羽、 坂田 実優、 佐古 璃音、 妹尾 晴夏、 辰見 凌亮、 中西 理子、 中野 明日春、 西見 聖良、 濱名 優佳、 桝田 百花、 宮西 愛唯、 内田 渚月、 沖本 玲巳、 角野 莉子、 木崎 結衣、 岩瀬 七葉、 菖池 紗良、 辻 彩里、 松本 樹実、 松山 佳永、 和田 瑶乃、 乾 真尋、 岸岡 豪、 轟 公太、 畑木 翼、 増田 航太、 徳川 陽人

連携先コメント

株式会社フジテレビジョン
チーフプロデューサー 高橋 和子 様

 番組制作体験プログラム「フジテレビのお仕事!」は、実際のテレビ制作の現場を想定し、数十人単位で一つの番組を作り上げるというプログラムです。
そのため、大野先生から「ゼミ生向け・十数名でできるような内容の特別カリキュラムを組みたい」と最初にご相談を受けたときには、果たしてそれが可能か、いささかの不安もありました。
しかしながら、学生の皆さんひとりひとりが専門家からのアドバイスをしっかりと理解・吸収し、責任を持って一つの番組を作り上げていく様子は目を見はるものがありました。 
今後も、学生の皆さんのメディアリテラシー教育に一緒に取り組んでいければ幸いです。

教員コメント

国際コミュニケーション学部
大野 茂 教授

 大野ゼミではワークショップを通じてメディアリテラシーを学びますが、その集大成が東京のメデイア企業の協力を得ての研修です。毎年、基本に忠実に、しかし内容は少しずつ変えながら何年も続いてきた、ゼミの伝統行事ともいえるものです。ここでの研修内容は提携先の企業にとっても一つのメソッド・教育パッケージになっています。
 ここ数年はコロナ禍で思うように外部と連携したゼミ活動ができず、想定外の五輪にまつわる事件の影響などもあって、ゼミ運営をどうしたら良いか悩みました。しかし、フジテレビの協力による新たなメディアリテラシー研修モデルの開発に取りかかることができました。関係者の皆さまに深く感謝します。
今や誰もがSNSで表現をし、組織内でも動画ナレッジが増えています。この体験を後の学生たちにも伝えると同時に、このメソッドは学生たちが社会人になってからも様々な局面で活かしていくことができると確信しています。