2019.3.30

学生による授業案「国際ボランティア」が新規開講!

活動テーマ:ボランティア+観光+海外の大学生との交流=異文化理解@ツアー Ride 0n Relationships-smile at each other-
産学連携先:東武トップツアーズ株式会社


 タイでのボランティアと観光ツアーとを兼ね備えたスタディーツアーをキャリアゼミとして企画しました。自分達を利用者に見たて、「自分たちがしたいボランティア+異文化理解のための観光」をテーマに、徹底的に利用者の視点に立って現地の人々との交流、ボランティア、かつ観光やショッピングなども楽しめるツアープランを作成しました。なかでもとくに注目したのが、ボランティアの定義です。そこで我々は「WIN-WINなボランティア」の定義づけから活動を開始しました。我々が定義するボランティアとは、時間的金銭的に負荷の大きい自己犠牲的奉仕ではありません。これらのボランティアに対する障壁をなくすことはもちろん、一方的ではなくボランティアの対象者と提供者の双方が良い影響を与え合えるようなものです。いわば、「WIN-WINなボランティア」といえます。我々が実施したボランティアは、タイのシンブリー高校の生徒に対して行ったさまざまなレクリエーションです。日本に興味、関心をもつ生徒が多いこともあり、日本人との交流は大変満足してもらえました。我々は、タイの生徒とのコミュニケーションを通して、彼らの価値観、考え方だけではなく、特別な技能がなくても喜んでもらえることを実感しました。我々が現地で交流するということでだけでもボランティアとして成立することは、非常に大きなポイントとなりました。

学生活動状況報告

  本プロジェクトは「自分達がしたいボランティアと異文化理解を目的とした観光を兼ね備えた1つのツアーを作成する」企画者側の一面と「作成されたツアーを体験し、その経験をもとに異文化理解を深める」利用者としての一面、両方を兼ね備えたものになっています。それに加え、帰国後は「次年度に新規講義の開講を目標に向け責任感を持ち、受講者を増やすためタイでの経験をブラシュアップし他学年に向けて魅力を発信する」発信者としても活動してきました。
実際にタイに行き、日本語を交えたゲームなどを通して現地の学生達と交流しましたが、言葉や考え方、価値観を超えて全員が交流することができました。今の私たちが出できる等身大に見合った活動でも、ひとつの大きなボランティアとして成り立つことを体感しました。
約1年半のゼミ活動を通じ、企画者、利用者、先導者として何事にも責任感と主体性を持った上で活動してきた経験、新たなボランティアの可能性を見出すことができた経験を経て、視野が広がり常に柔軟な考えができるよう成長しました。私達は4月から4回生になります。ゼミ活動はここで終わりではなく、始まりです。さらに素晴らしい活動、関係性を次世代に築いてもらえるよう、自分たちの得た経験を生かして魅力を発信していきます。

国際コミュニケーション学部 3年生 多田 彩乃

参加学生一覧

岩津 南美、碓井 美智子、小出 真子、佐々木 梨乃、世儀 珠々日、多田 彩乃、田中 梓、冨田 直暉、中田 成、中村 裕一、野口 湧飛、濱里 柚夏、丸居 一貴、吉野 迅義

連携団体担当者からのコメント

東武トップツアーズ株式会社
大阪法人事業部 久保田 萌子氏

 ボランティア実施の意味を考える所から始まり、実際にツアーを成立させるための手配まで学生様同士で協力し取り組まれた姿を見て正直驚きました。私はボランティアとは何か、を深く突き詰めて考えたことがありませんでした。困っている人を「助けてあげる」立場だけでなく交流を通じて「共に理解しあう」ことを目標にする大切さを、改めて学ばせて頂きました。様々な人の立場に立って課題を解決しようとする学生の皆様のために、旅行会社として微力ながらお力添えできればと思っております。

教員のコメント

国際コミュニケーション学部 永田 拓治准教授

 異文化理解。ありふれた言葉で、誰しもが一度は耳に、口にしたことがあるのではないだろうかと思います。しかし、異文化理解を実感した人はどれぐらいいるのでしょうか。本キャリアゼミに所属する学生たちはいま異文化理解を実感した上で、その難しさをかみしめています。本プロジェクトは文字通り、まったくの白紙状態から始まりました。異文化理解という目標を掲げたものの、いったい何から始めたら良いのか、何度も何度も話し合いを重ねながら、ボランティア・異文化交流・観光を兼ね備えたスタディーズツアーの作成に行き着きました。自分たち自身をツアー利用者に見立て、ツアーへの希望や要望を徹底的に洗い出し、ツアーを組み立てていきました。その過程ですべての希望要望をかなえることの難しさ、ツアーとして実現可能かどうかというシビアな視点を学んでいきました。なかでもボランティアがゼミ生たちの最大の難関となりました。広範な意味を持つボランティアのまえに、当初は立ちすくんでいましたが、自分たちのボランティアを「WIN-WINなボランティア」に見定め、その内容を確定していきました。すべてを自分たちで作り上げ、実行したタイでのツアーの経験はゼミ生たちにとってまさに異文化理解の入り口となったはずです。また自分たちが体験した貴重な文化理解の機会をほかの学部学生に体験してもらえるように「特殊講義:国際ボランティア」の授業案を作成し、次年度新規開講に結びつけたことは、ゼミ生の成長力の証、といえます。ゼミ活動で培った主体性、企画力、協調性、実践力、そして成長力にさらに磨きをかけてほしいと思います。