【ボランティア1】「ホームレス問題を考える」学習会に参加しました

国際コミュニケーション学部 箕浦実紗(2回生)

CHOゼミ2回生は、「共に歩むための他者理解」の活動として、日本の貧困を考えるワークショップ「ホームレス問題を考える」学習会に参加しました。今回は、この学習会について報告します。

*この報告は、阪南大学【実学志向型総合的キャリアシステムの構築】事業の2015年度キャリアゼミ支援事業「共に歩むための他者理解 (CHOゼミ)」活動の活動報告の一部です。

ホームレスに対するイメージ

 私たち2回生の11名は、去る12月16日に、NPO法人Homedoor主催の釜meets「ホームレス問題を考える」学習会に参加してきました。NPO法人Home doorは、日本の貧困問題や様々な社会問題が絡み合うホームレス問題の理解や支援に取り組んでいます。
 私たちは、この日、NPO法人Home doorの松本浩美さんから講演をしていただいている間、数回にわたって、自分たちが持っている「ホームレス」に対するイメージについて、グループディスカッション形式で語り合いました。「ホームレス問題」に関する講演が始まる前に出てきた、あいりん地区やホームレスに対するイメージは、「汚い、治安が悪い、怖い、酔っ払いが多い」というのが多かったです。しかし、グループディスカッションや講演が進行するにつれて、ホームレスが生まれるのは社会環境や社会的構造に起因するものであることを学びました。ホームレスになった経緯は、単に本人が人生の生き方に努力をしないことや勉強をしなかったこと、仕事をしなかったことからだけでは無いということを知りました。ホームレスになった経緯は色々とありますが、決してその人の責任でない場合も多いです。例えば、漁師家系として生まれたAさんは、ずっと家の手伝いをさせられ、勉強が出来る環境ではなかったと言います。また、ある人は仕事で怪我をして以来、働きたくとも働けなくなり貯金を崩す生活をした末に待っていたのがホームレスであったという人もいました。
 ホームレスを作り出してしまう社会的問題も存在します。例えば、かなり優秀な人材であったとしても10人の求職希望者がいる中で、実際に就職できる人は5人しかないという場合は、どう頑張っても残りの5人は職が見つからずにこぼれてしまうということです。どんなに努力をしようとも無理な場合も存在するということは、今まで考えてもみなかった概念でした。

社会の偏見の怖さを感じる

 松本さんからの講演を聞いているなかで、社会の偏見の怖さを感じました。近年度々起きているホームレス襲撃事件に関することです。ホームレス襲撃事件を起こす犯人となる少年たちは、「社会のクズを自分たちが処理してやった」ととんでもない言い訳をしているのだそうです。昼間に道路の片隅で寝ている姿を見て、「働かないクズ」と思っているに違いないです。しかし、それは偏見であることを知りました。偏見が残虐な行動を誘発させたことであることを知りました。
 実際は、ホームレスの約7割の人が、働いているということです。彼らは、ホームレス襲撃などを恐れるため夜に働き、人目が多く明るいためまだ安全と思われる日中に休息を取っているのだそうです。そのような理由で、朝夕逆転の生活を送っているのだそうです。
 ホームレスの人々の仕事内容は、空き缶や段ボール集めなどがあるようですが、そのような仕事を7時間ほどしても、わずか一日千円ほどの稼ぎであるそうです。他に、あいりんセンターから出る車に乗り込み、日給9千円の出稼ぎに行く人もいますが、実際の手取りは5千円ほどであるのが現状だそうです。仕事の中には、被爆した東北の木やがれきなどの除斥作業など、他の人が3K(汚い、きつい、危険)と思い、やらないような仕事をこなしているのです。仕事の中には保険もつかないままに働かないといけないのが現実であるということも習いました。

「ホームレス問題を考える」学習会を終えて

 この「ホームレス問題を考える」学習会を通じ、私たちが抱いていたホームレスに関する先入観や偏見というものは完全になくすことが出来ました。同時にホームレスの方に対して間違って認識を持っていたことに気づかされました。社会的な問題が絡み合っていることについても勉強になりました。正しい知識を身につけることで偏見をなくすことが出来る、偏見をなくすことで互いに理解し合う力や助け合う力に結びつく、さらに、このような活動を小さな輪からでも広げていく事が大切だと考えるようになりました。
 CHOゼミには、「共に歩むための他者理解」の活動としてボランティア活動を考えている人が多いので、今後どのようなボランティア活動をしていくのかについて深く話し合う契機となりました。