駐韓国文化院訪問・文化体験について

小田 若奈

 私たちCHOゼミは、国際コミュニケーション学部の1年生達に異文化理解として、隣の国韓国文化を体験してもらいたいと考えました。そこで、韓国文化院の「訪ねていく韓国文化」という活動の依頼をするために、まず、韓国文化院を訪問しました。韓国文化院は、世界27か国にあり、日本には東京と大阪にあります。私たちは大阪にある韓国文化院、「駐大阪韓国文化院」を訪問しました。そして実際に韓国文化を体験させていただきました。ここでは、それを報告いたします。

*この報告は、阪南大学【実学志向型総合的キャリアシステムの構築】事業の2014年度キャリアゼミ支援事業「共に歩むための他者理解 (CHOゼミ)」活動の「韓国文化院と異文化交流」活動報告の一部です。
*この学生教育研究活動は阪南大学学会より補助を受けています。

案内の様子

 初めに文化院の中を案内していただきました、ヌリホール、セミナー室、図書館、ミリネギャラリーがありました。文化院の中には古いものから最近のものまで幅広いジャンルの展示物が多く、見ていて全く飽きませんでした。(写真:案内の様子)

 次に韓国伝統衣装であるチマチョゴリを試着させていただきました。訪問した全員が、チマチョゴリを着ることが初めての経験だったので、嬉しさとともに恥ずかしさもありました。ここでチマチョゴリについて詳しく説明します。

チマチョゴリ試着

 チマチョゴリとは、朝鮮の民族衣装である朝鮮服の一種で、チマ(スカート)とチョゴリ(上着)の上下に分かれて構成されており、これは、女性の装いです。まずはチマ(スカート)から着るのですが、チマは巻きスカートになっており、両腕を通してスカートを巻き付けてから後ろの紐を前に持ってきて結びます。次に、チョゴリを羽織って内ボタンを留めてから、オッコルンと呼ばれる胸の紐を結びます。このオッコルンですが、普通の結び方と違い、結んだ時にオッコルンが横に垂直になるように片リボン結びのように結びます。(写真:チマチョゴリ試着)
 私がチマチョゴリを試着して感じたことは、日本の着物とは異なる点が多いということです。まず、着物は着付けが難しく、慣れるまで一人では綺麗に着ることが難しいのですが、チマチョゴリは着付けが簡単で一度覚えれば誰でも一人で簡単に着ることができます。さらに着物は何枚も重ねて着たり、紐で締めつけたりするので長時間着ていると肩が凝ったり苦しく感じますが、チマチョゴリは薄くて軽い生地で締めつけもなく、自由で動きやすく着心地が良かったです。また、着物の形は全体的に細身で、動きが制限されます、チマチョゴリは胸から下がふわりと広がった形で、体の動きの自由が保障されています。着物の細見は洗練された感がありますが、チマチョゴリはゆったりとして優雅さが感じられました。

王様の韓服

 韓国について疎い私でもチマチョゴリの存在は知っていたので、鮮やかな色でふんわりと女性らしい形のチマチョゴリをいつか着てみたいと思っていました。実際着てみると、思っていたより生地が薄くて軽いというのが印象的でした。そして実物も色鮮やかで、襟や袖などの細かい部分の刺繍が美しかったです。
男性の服装は、パジチョゴリといい、パジ(ズボン)とチョゴリ(上着)の構成です。今回は、残念ながら男性陣が参加しなかったので、男性服のパジチョゴリは鑑賞だけとなりました。(写真:王様の韓服)


 次に展示されていた楽器や遊具に関する説明をしていただきました。チェギチャギやトゥホ(投壺)を実際に体験させていただき、本気で悔しがったり、喜んだりすることができました。トゥホ(投壺)に似たような遊びが日本の平安時代の女性達にも遊ばれていたと聞き、勉強になりました。(写真:サムルノリ)

サムルノリ

 この度は、韓国文化院を探訪し直接体験することによって、私の中で単なる想像で終わっていたかも知れない韓国文化に対する情報が、一つの知識に変わりました。普段の生活の中から、異文化を体験できる機会は滅多にないので、とても有意義な時間を過ごすことができました。韓国文化だけに関わらず、異文化に触れることで自ずと、日本の文化について詳しくなりたいと思うようになり、自国の文化を流暢に説明できる文化院の方がとても輝いて見えました。私自身も、外国人に日本の文化を流暢に説明できるように、日本文化をより詳しく調べたいと思いました。