宮崎駿監督から伝わったもの

住吉 安沙実

 私は11月3日に愛知県蒲郡市海陽町にある、ラグーナ蒲郡に行ってきました。ラグーナ蒲郡で2013年9月21日から2014年3月2日まで行われている「ジブリの森」の展示会に行きました。私は本当に宮崎監督を尊敬し、監督が作った作品にはいろんな時代背景やその時々に起こったことが書かれていました。

※この報告は、阪南大学【実学志向型総合的キャリアシステムの構築】事業の2013年度キャリアゼミ支援事業「異文化交流と比較文化論的調査により多文化共生を目指す(CHOゼミ)」の「宮崎駿監督から伝わったもの」の活用法に関する調査報告の一部です。
※この学生教育研究活動は阪南大学学会より補助を受けています。
 展示されていた作品は、「平成狸合戦ぽんぽこ」、「となりのトトロ」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」の4点が展示されていました。平成狸合戦ぽんぽこでは、物語にも出てくる狸が展示物のからくりで化けていたり、壁には『「化ける」とは、精神集中の極点で体の全細胞全組織を瞬のうちに組み換える自然界最高の驚異なる』と書かれていました。ぽんぽこでは、化けるにも一苦労がいるのだなと感じました。となりのトトロでは、おなじみのセリフ、「あなたはだあれ?まっくろくろすけ?」などが壁に書かれたり、雨の中さつきちゃんがメイちゃんをおんぶしながら、バス停でお父さんの帰りを待っていて、トトロも一緒にバス停にいるシーンの写真撮影会を体験しました。「あなたの名前はなあに?」「トトロっていうの?」というシーンの模型がおいてあったり、様々な楽しめる工夫がされてありました。もののけ姫では、映像とのからくりがつかわれており、シシ神様が出てくるという仕組みになっていて、もののけ姫のサブタイトルが「生きろ」だったので、生命の神秘が伝わってきました。「森と人、双方生きられる道はないのか」を登場人物のアシタカが答えを見つけるべく走り出している感情は伝わってきました。この映画で私は現代の環境問題、動物の絶滅危機などを表しているのではないのかと考えています。そして、「最後に千と千尋の神隠し」です。「千と千尋の神隠し」はベルリン国際映画祭において、アニメーションとして史上初の最高賞である金熊賞を受賞している世界的にも有名な映画の一つです。千と千尋の神隠しでは、千という女の子は現代の女の子のような性格をしており、途中で出てくるカオナシは、現代人が減少しているコミュニケーション能力が表現されていない顔が元となっていると伝わっています。なんでもかんでも飲み込んでしまうので、良いことももちろん、悪いことも飲み込んでしまう。とてもすごいキャラクターだと思います。お金を手からこぼして、千尋を表現するところは、現代の詐欺などとよく似ているような気がします。宮崎駿監督はそれぞれ一つ一つの映画にはその時代背景とともに現実的に起こっていることを表現していると私は解釈をしています。今、私たちはいろんな歴史を忘れて行っていると思います。この映画は一生残していかないといけない映画だと私は感じています。忘れてはいけない時代を子孫にも理解してもらうために、宮崎監督の作品が改めて感じることができた展示会でした。
  • 写真:平成狸合戦ぽんぽこ

  • 写真:となりのトトロ

  • 写真:千と千尋の神隠し