僕は、2008〜2012年のチャンピオンズリーグをもとに、ペップ・グアルディオラ時代のバルセロナがどのような戦術を用いて相手を圧倒したのかを調べました。
 3年生の頃からこの研究をスタートさせ、ダートフィッシュという分析ソフトを用いて行いました。1プレーずつシーンを切り取り、Excelデータを表にしました。最初は、ダートフィッシュの操作を覚えるのに苦労したが、やっていくうちにだんだん慣れていき、スムーズに操作できるようになりました。
 卒論を通して1番苦労したことは、分析結果を言葉で分かりやすく説明するということであります。頭では分かっているのに、いざ言葉で説明しようとするとなかなかできないのが、もどかしい気持ちになりました。しかし、上赤坂先生に何度も添削していただき、アドバイスをもらったことで、だんだんと形になっていきました。そして、最終的には、分析し、それを言葉で伝えていくという作業が楽しくなっていきました。分析していく中で、新たに生まれる課題にも自分で考えて前向きに取り組んでいくことができました。
 卒論を通して、サッカーを深く知れたことはもちろん、分析し、考え、それを論理的に展開していく能力が身についたと思います。これは社会に出ても絶対に必要な能力だと思うので、しっかり活かしていきたいです。
流通学部 原 耕太郎

学生活動状況報告

 卒業論文作成を振り返ってみて、最初は不慣れ事の方が多くあったように思えます。それはまず「ダートフィッシュ」という分析のアプリを使い試合を分析してきました。ダートフィッシュで分析したデータを基に論文を完成させていくのですが、私自身分析やデータを関連して文章を完成させるという作業があまり得意な方ではなかった為、上赤坂先生には大変迷惑をかけながらの論文作成となってしまいましたが、その経験が必ず今後社会に出て社会人として生きていく時に生きていくと感じております。
 論文自体は、1978年代のミランの分析をしましたが、分析しデータをとっていくうちにストロングポイントだけでなく、ウィークポイントも多くありました。思っていた結果とは異なるものを見て分析してデータを取っていくのは面白いなとも思えました。
 今回の卒論論文を作成するにあたり、ダートフィッシュを用いて分析することで新しいデータを自分達なりにまとめる事の難しさも知る事ができたし、出来上がった時の達成感も得る事ができいい経験になったと思います。今後この経験が生きるかはわかりませんが、得たものは多いと思うのでその時がきたら十分に発揮したいと思います。
流通学部 河原 淳

参加学生一覧

河原 淳、工藤 蒼生、古賀 勇貴、高田 椋汰、高津 成央、竹村 謙吾、常盤 駿斗、中里 竜也、早川 海瑠、原 耕太郎、常陸 宙太、松原 大芽、室津 颯斗、山口 和樹

連携先コメント

株式会社ダートフィッシュ・ジャパン
藤井 透 様

<ゲーム分析のタギング機能>
簡易的に操作し収集する方法
タギングの手法を用いてゾーン、エリアのボール経路を可視化する分析の実現
可視化した情報を、時間、プレイ、パススキルに分けて統計情報を算出する方法を実現します。

1)タギングパネル項目の作成方法
ゲームコンセプトを明確にする分析項目の検討
収集されたデータから、ゲーム内容の評価、映像ファイルのデータベース化がされ、フィードバックが容易にされました。

2)データの個数、統計情報
アクチュアリープレイタイムでのスキル情報、パス、シュート、ドリブル、ボールタッチそれぞれのスキル詳細、ロング、ショート、ボールタッチ方法などスキルの評価を個数表示、統計表示できるようにタギングのシートを開発できました。

<3D表現とムービーを活用した分析フィードバック>
選手のポジショニング、フォーメーション、ユニットにかかわる位置情報を3D座標から、動画として表現。
サッカーフィールドの大きさから考えた距離間やフィールド上で動く選手の距離間を算出できるようにします。

それぞれのデータを、コーチングに役立つようにアニメーションで表現できる方法を開発に向けて進めました。

教員のコメント

流通学部
上赤坂 佳孝 准教授

学生のコメントからもわかるように、これまで行ってきたサッカーというスポーツを普段プレイして感じていたこと、また自分の試合や興味のある試合の映像を観ることで、感覚的になんとなく理解している構造や現象があります。その感覚的な質的要素は、非常に大切なことではありますが、大学生という4年間を通して、見つけた研究テーマに対して質的な要素を、ダートフィッシュという分析ソフトを使用し量的に変換、そしてその量的データを用いてロジカルな文章を作成する工程は、時間のかかる大変な作業ではありましたが、非常に有意義な時間を過ごせたように感じます。それには欠くことのできない分析ソフト、ダートフィッシュの皆様には感謝しています。学生も分析を通して、現場での実際のパフォーマンス向上、また論文作成を通してロジカルな思考の影響により、人間的成長が感じられました。