産学連携先:ジュンク堂書店難波店

 森下ゼミ3期生(3回生)の今年度キャリアゼミ(特定の企業とのコラボレーション)は、アフターコロナを見据えた「コミュニティビジネス」の在り方について研究してきました。
 対象としたのは書店、それもいわゆる「街の本屋さん」。
 アマゾンの躍進によりその数を減らし続ける書店の中にあって、コミュニティの核として生き残る「街の本屋さん」をフィールドワークして、そのコミュニティビジネスの本質に迫りました。

学生活動状況報告

 本日の報告会を通して、私が1番印象に残ったことは、井戸書店の森さんがページ薬局での本の売り方について、「本を薬と思って売れ」と最後にお話ししてくれたことでした。薬と同じで本にも、癒しをくれるものがあり、時にはその本の言葉で心の病を治すことができる、勇気をもらえるというようにして考えられると私自身も感じたのでその言葉を聞いた時とても驚きました。
 それぞれの書店で傘を売る、棚が動く・論語塾というイベント、自費出版などで差別化されており、これら全部が地域の方との触れ合い、コミュニティで信頼関係が築かれ、この本屋に行きたい、なくなると困ると思われるモノなのだと考えました。
 売っているモノは本だけでなく、店主の人柄、ストーリーを売っていることがわかりました。
流通学部  児玉 鈴

ゼミ集合写真

参加学生一覧

香川 亮太、赤瀬 烈、岩切 友音、内村 星奈、亀岡 聖弥、亀川 凌太、北野 蒼士、木下 友愛、栗崎 萌、児玉 鈴、塩崎 桃花、大仁 賢人、西川 未玖、林 健太郎、兵頭 弘樹

連携団体担当者からのコメント

ジュンク堂書店難波店
店長 福嶋 聡 様

 ゼミ生の皆さんは皆、真剣に取材・発表のためのまとめに取り組んでおられたと思います。小林由美子さんが、「話を最後までしっかり聞いてくださって、感動した」というのは、行き帰りの道でも私に仰っていたので、社交辞令ではなく本心です。他の店主の皆さんも、同様の感想を漏らしておられました。
 私自身これから見習っていきたい4つの書店さんは、個性的で発信力があり、地域に無くてはならない存在になっています。そのことを、大型チェーン店やAmazonしか知らない若い人たちに、驚いて欲しかった。その意味で、最後の森社長と森下先生のことばは、最適な締めだったと思います。
 一つ課題を言うなら、発表内容の作成で手一杯で、発表の仕方・段取りにまで気が回らなかったチームが多かったことです。各自が話す内容、順序等をしっかり決めて、スムーズでメリハリの利いた発表の設計を心がければ、もともとの良い内容がさらに輝くと思いました。

教員のコメント

流通学部
森下 信雄 准教授

 書店経営・・・それは「価格を自由に変えられない」「品質はどこで買おうが当たり前に同じ」「Amazonの躍進」という経営を取り巻く環境の厳しさでいえば、数あるビジネスの中で最も過酷な環境に置かれているといっても過言ではありません。
 そんな環境下でしぶとく生き残る「街の本屋さん」にはどのような特徴、差別化要因が潜んでいるのかを、コーディネートをお願いしたジュンク堂書店難波店・福嶋聡店長の講話を皮切りに、ご紹介いただいた4店の店主様へのヒアリング、お店、そして街のフィールドワークを重ねて、ゼミ生たちがレポートをまとめ上げ、本日、すべての店主様にお集まりいただき、報告会を実施しました。
 店主様からのねぎらいの(少しは辛辣な)コメントをいただき、ゼミ生たちは達成感にあふれた様子でした。
 来年はいよいよ就活・・・社会に出る準備を本格的に始めますが、この時期に「何を売っているのか?」「何にお金を払っているのか?」を体感できたことは、彼らの大きな力になると信じます。