流通学部 流通学科 片渕卓志

世界最貧国であったバングラデシュに焦点を当てた数回にわたる講義の中で、バングラデシュで20年もの間ストリートチルドレンの問題に取り組んでいる現地NGO「エクマットラ」の共同代表である渡辺大樹さんが特別講義を実施しました。

20年前にバングラデシュに足を踏み入れることになったきっかけ、そこから仲間を集め、子ども達の人生を背負う覚悟を持って活動を本格化していった経緯、そして「ストリートチルドレンの大逆転劇」を描くべく、大自然の中でのびのびと暮らすことができる学校(アカデミー)を開校し、そこで展開されている様々な教育プログラムについてお話頂きました。
受講生からは、バングラデシュの経済成長や生活に関する質問の他にも、「日本にいる我々ができることは何か」という質問も出てきて、他国の課題も自分事として捉えている学生の姿が見受けられました。講義の最後に各学生が講師への感謝状を作成し、バングラデシュへ届ける予定です。

受講者のレポート(抜粋)

流通学部 3年

(ヨットレースの大会に参加するために)タイに行ったときにバスから見たストリートチルドレンの姿というのを見て、大学を卒業してすぐ行動に移し、実際に現地の子どもたちや社会の問題に立ち向かっている姿を見て、行動することの大切さを改めて感じました。
 現地の人たちに問題を伝えるために、ドキュメンタリーではなく映画にすることで大人たちが社会の問題に気づけたという話も、行動力が高いからこそだと感じます。・・・(渡辺さんのこの仕事に対する)「やりがい」は何なのかと疑問に感じていましたが、「青空教室」で身につけた力や自信を社会に出て発揮し、社会を引っ張っていくくらいに変化した子どもたちを一番身近で見ていることがやりがいなのだなと気づきました。

流通学部 2年

「青空教室」がストリートチルドレンの子たちには大切で自分の成長につながる、かけがえのない存在になっていたと私も思いました。ストリートチルドレンに対してこんなにも熱心に考えて、行動しているのがすごく「かっこいいな」と思いました。今ではもともとストリートチルドレンであった子どもが青空教室を卒業し、現在大学に行った子がたくさんいること、彼らがその後(青空教室で)話す側として戻ってきて、というサイクルがとてもいいものだと感じた。

流通学部 4年

渡辺さん本日は貴重な講演をありがとうございました。私が今回のお話を聞いて一番印象に残った所は、ストリートチルドレンの子ども達に歌や詩を教え、それを何百人といる場所で披露したという所です。子どもたちが歌を披露している時の姿や顔をその場で見たかったと思うくらい、子どもたちの嬉しさや心境を感じることができたお話でした。また、「青空教室」で育ったストリートチルドレンの子どもが学ぶ楽しさを知り、(その後)チャンスをつかみ大学に進学したり、ビジネスを作る活動を行っていると知り、いま大学に通っている自分より可能性が無限大だと感じました。
 ストレートチルドレンの子ども達がいる国で、彼らがアカデミーに通えるようになったり、学ぶ楽しさを子どもたちが知ることができたら、世の中の可能性を最大化にでき、「世界を変えたい」という取り組みや活動はもっと活発になり、活動を一緒に行ってくれるスタッフも増えると考えています(注:ムハマド・ユヌス・グラミン銀行総裁が定義する「システム・チェンジ」)。

流通学部 2年

学生からの質問にも、とても詳しく丁寧に回答して下さり、ありがとうございます。「ストリートチルドレンの子どもたちに教育していく中で大切なことは何か」との質問にたいし、「一人ひとり目を向けて、それぞれの趣味・趣向を理解することが大切」と話されました。やはり一人ひとりに合った生き方が大切になってくるんだということを学びました。

流通学部 3年

「これは無理」と思うのではなく、「どのようにすれば、解決できるだろうという考え方」を大切にしていきたい。

流通学部 3年

 ストリートチルドレンの背景をもつ子どもたちが、5・600人の前で一生懸命唄うことで成功体験を積んだのは大きな進歩だと感じた。子どもたちにそれだけの大きな変化を与えることができた「青空教室」の話には本当に感動しました。学校に行って、(ストリートチルドレン出身であるにも関わらず)学級委員に任命されて帰ってくるのは、その子どもにとっても、渡辺さんにとっても本当に嬉しかった出来事だったんだと感じました。

流通学部 2年

 (すでに青年期にさしかかっている人たちに対し)ビジネスを教える「ストリートMBA」の活動に特に関心を持ちました。子どもたちにビジネスを教えることは、今後のバングラデシュの発展に大きく影響するものであると思うので、これからも続けてほしい活動です。・・・私もバングラデシュなどといった世界各国の貧困国の発展に携われないかと考えていました。
 私は将来、ファッションデザイナーになりたいと思っています。バングラデシュでは、サリーなどといったファッションが有名であると耳にしたことがあります。バングラデシュならではの生地を使って服を作る、といったように、「ファッション」で貧困国の発展につなげていけるような人材になれるように頑張ります。

国際観光学部3年

今回(渡辺さんらにより)エクマットラが立ち上げられるまでのお話を聞かせて頂き、思ったことは、私も渡辺さんと同じように「今この状況を変えたい!」と思える瞬間に出会えるのかなと思いました。それはとても素晴らしいことだと思いました。