活動の目的及び取り組む課題

 少子高齢化及びそれに伴う人口減少により、日本のあらゆる産業は国内市場だけでは将来の成長性と収益性を確保できない状況にある。食品産業もその例外ではなく、大企業のみならず多くの中小企業が海外にチャンスを求めている。しかしながら、実際には中小企業にとって海外販路開拓は容易ではない。この活動においては、香港フードエキスポに出展することにより海外市場に活路を見出そうとする食品関連中小企業を、実際に現地(香港フードエキスポ)でサポートする事により、その食品関連企業が海外展開する上での課題を出展社側及び見学者側両方の立場で見極め、その解決方法を提言にまとめ報告する事を目的とする。

活動内容

 フィールドワークは前期(夏季休暇中)に終了しており、後期はその内容を2つのグループに分かれてディスカッションし、1月10日のアジアビジネスパッケージ海外活動報告会と、1月18日の(株)かね善への報告会に向けて準備を行いました。
 1つのグループは、香港での日系飲食店とスーパーを日本と比較した内容を発表しました。日系飲食店では、メニューは英語と日本語が記載されており、グローバルに対応されていました。また、料理も日本と変わらなかったです。しかし接客姿勢に問題があり、改善の余地ありという報告もさせていただきました。一方、スーパーでは、日本の食品は香港で高級なものとされ、輸送費等を含むのである程度仕方がないとはいえ、日本の倍以上の価格で販売されていることなどを報告しました。
 そして、もう一つのグループは、香港フードエキスポの大阪府ブースでお手伝いをさせていただいたことと、異文化交流をして感じたことを発表しました。香港フードエキスポに来ているバイヤーにデラウエアの試食をしてもらい「試食してどのように感じたか」「もしこれを購入するとしたらいくらなら購入するか」などのアンケートを集計し、その結果
① 味以外にも食感や見た目も重視される
② デラウエアの知名度が低い(デラウエアを初めて食べる人が多かった)
③ 自分たちが思っていたよりも日本の食品が浸透していない
ということがわかったので報告しました。この調査は柏原市の若手農家からデラウエアの海外輸出の可能性を知りたいというご要望を受け実施したもので、来年度の新2年生も継続して取り組むことになりました。

代表学生の感想

 同じアジアビジネスパッケージ海外活動報告会及び(株)かね善で発表させていただいたことは、初めて私たちが体験しわかったことを、どのように報告すればうまく伝えることができるのか、パワーポイントをどう利用すれば見やすいのか、様々な視点から考え、また人前で話す良い機会だったので、これからの学生としての活動に活かせていけると感じました。
 また、(株)かね善で発表した際には、香港と日本を比較するとどうように違うのかを自分たちなりにまとめて、日本の食品・外食産業がどのように海外事業展開すれば良いかということをまとめて発表したので、アジアビジネスパッケージの学内報告会とはまた違ったプレゼン方法を考えて、何度もグループで討論し、まとめました。報告会は、自分の意見をまとめることや、相手側にうまく伝えることなど、いろんな視点で学ぶことが多かったです。

経済学部 2年 二階堂 秋華

参加学生一覧

荒木 凜太郎、飯尾 梨紗、石原 夏帆、佐野 宏太、武村 勇汰、二階堂 秋華、森永 弘佳

連携団体担当者からのコメント

株式会社かね善 瀬戸 健仁氏

 2017年1月18日(水)の最終報告会、大変お疲れ様でした。皆さんが香港において純粋な心で感じられた内容については、私共も十分参考にさせていただきたいと考えております。日系外食産業の海外進出については「どこまで日本流にこだわり、どこから現地流に合わせるのか」というその境界の見極めが大変重要だと思います。これは外食産業に限らず、サービス業全般や果ては工場運営・営業活動にも同じことが言えると思います。皆さんが今後どのようなお仕事に就かれるのかわかりませんが、もし海外関連のお仕事をされるのであれば、この点について十分注意してお仕事をされるのが良いと思います。お疲れ様でした。

教員コメント

経済学部 三木 隆弘 教授

 1年間の活動お疲れ様でした。2017年1月18日(水)の(株)かね善様への報告をもって、この活動は一旦終了となりましたが、今年度調べてもらったことは2017年度新2年生に引き継ぎ、2017年度は大阪府環境農林水産部との連携事業として「南河内産ぶとう(デラウエア)の香港市場での拡販」を、三木ゼミ継続案件として取り組んでもらいます。皆さんに調べてもらったことが、具体的な経済活動として表れてくることになります。引き続き後輩の指導をよろしくお願いします。

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