第16回松原ブランド研究会が開催されました

 今年度最後となる第16回松原ブランド研究会が2月25日に阪南大学で開催されました。今回は大阪・南河内の生活情報誌『らくうぇる。』を発行されている有限会社ステラ代表の石井タミ子氏と、同社副編集長の松岡理絵氏をゲストにお招きして、「地域における効果的な情報発信のあり方」をテーマに研究会参加者との懇談会という形式で行いました。

 南河内の生活情報誌『らくうぇる。』は月刊フリーペーパーとして新聞折り込みなどで85,000部発行されています。また、地域情報マガジン『らくうぇる南河内』が2006年以降現在まで8巻発行、販売されており、南河内エリアで発行する唯一の雑誌として、地元のみならず他府県からも注目を集めています。雑誌では、グルメ情報や歴史・観光スポットの紹介など、魅力的な情報が数多く掲載されているのですが、南河内エリアに含まれるわが松原市の情報に関しては、これまでのところほとんど取り上げられていません。そこで松原の魅力をいかにアピールすべきか、情報を発信していく上での課題は何か、といったことについて話し合ってみようということになりました。
 まず、懇談会の冒頭で、雑誌『らくうぇる南河内』ではこれまでどうして松原市の情報がほとんど取り上げられられなかったのかという点について石井氏と松岡氏にお聞きしました。取材された結果としての印象は、「松原市は近くて遠い存在」であり、取材や広告取りにお伺いしても、積極的にアピールしようとされる方が少ないとのことでした。松原市は大阪のベッドタウンとして市外から移住してこられた方が多く、わが町としての意識が希薄なのではないかというお話でした。

 これに対して、研究会メンバーからは、松原市を積極的にアピールしようという取り組みは最近ようやく始まったところであり、まだまだ不十分ではあるが、たとえば昨年11月に開催された第3回「松原マルシェ」では、市内外から3万6千人を超える来場者で大盛況であったことなどが紹介されました。また、歴史的に見れば、松原市は5世紀前半、反正(はんぜい)天皇が丹比柴籬宮(たじひしばがきのみや)で即位したと伝えられる丹比野の一角にあり、大和朝廷の宮が河内に置かれた初めての地であることや、数多くの民話が残されていることなど、歴史・観光スポットとして魅力のあるところであることが紹介されました。地場産業に関しても全国的なブランドとして確立している「河内鴨」をはじめ、「オオタメン」や和泉食品のソースなどは知る人ぞ知る有名ブランドであるということが紹介されました。その他にも他の地域に引けをとらないグルメ店が数多くあります。

 懇談会を通じて明らかになったことは、こうした地元の魅力的な情報が外に向かって発信されていないこと、そのためにもっと積極的なアピールが必要であることが確認されました。対外的なアピールの方法としては、フェースブックやtabとよばれるスマートフォンアプリを利用した情報提供を行っていますが、いっそう情報を充実させる必要があります。また、今年の4月からは「まつばら町の案内人」による観光案内スタートすることになっており、観光客誘致の取り組みもさらに充実させようということになりました。来年度で5年目を迎える松原ブランド研究会のいっそうの充実を誓って研究会はお開きとなりました。