本シンポジウムは、2024年11月29日に開催した第1回シンポジウムおよび2025年2月21日のワークショップ等で得られた成果を踏まえ、南大阪地域における広域連携と持続可能な地域づくりの方向性を議論する場として開催しました。当日は平山学長による開会挨拶ののち、本学国際学部の松村教授がモデレーターを務め、行政や観光関連団体など約40名が参加しました。 第1部では、大内敬弘氏(近畿日本鉄道)と永田修一氏(南海電気鉄道)を迎え、万博後の国内外の人流変化と南大阪の可能性について議論しました。大内氏からは、飛鳥・藤原世界遺産登録に向け、アクセス認知の不足や価値の伝え方、歴史人物との結びつきの理解といった課題をあげ、2026年の盛り上がりを一過性に終わらせない継続的な施策の必要性が示されました。永田氏からは、インバウンドの動線が「関空→難波→周辺観光地」に集中し、泉州が素通りになりがちで南河内への訪問も限定的である現状が共有される一方、リピーター増加に伴い「集中から分散・周遊」へと質的変化が起こり得るとの見立てが示されました。2030年のIRや2031年のなにわ筋線など今後の人流変化も機会として捉える視点が共有されました。 第2部では、今後の南大阪の進むべき方向性と2026年をテーマに、世界遺産(百舌鳥古市古墳群/飛鳥・藤原の宮都)を軸に議論を深めました。山口准教授は、百舌鳥・古市から聖徳太子・推古朝を経て飛鳥・藤原へ至る歴史の流れの中で、四天王寺が歴史的にも現代の交通面でも「ハブ」となり得る点を説明しました。和泉教授は、古墳が「見せるモニュメント」である一方、観光としては分かりにくいという課題を踏まえ、歴史ストーリー、街道・交通による物理的連結、ガイド等の人的連携という3つの視点でつなぐこと、さらに文化観光では「追体験」を支えるインタープリターの役割が重要であることを指摘しました。鍋島氏(太子町役場)は、竹内街道や横大路の歴史的価値と沿道資源の豊かさを紹介し、太子町の史跡群が百舌鳥・古市と飛鳥の「間」を埋める要素になり得ることを示しました。吉兼名誉教授は、飛鳥の遺構が地中に多く「行っても見えにくい」課題に触れつつ、街道の価値は「モノ、コト、ヒト」が通ったことにあるとして、何が通ったかを物語として可視化する重要性を提起しました。また、自治体ごとに分断されがちな地図情報を重ね合わせて共有し、多様な資源を一体で見える化する発想や、飛鳥から大阪側への相互送客の視点も示されました。 当日はこのほか、南大阪の観光資源を巡るFAM TOURや、参加者からのアンケート結果として、2次交通、ブランド力、広域的な周遊ルート、食といったキーワードが、今後の重要テーマとして挙げられました。本学は引き続き、南大阪12自治体をはじめ関係機関と連携した取組を進めてまいります。