2014.4.14

2013年度 学生懸賞論文表彰式を開催しました

 阪南大学学会では、学生会員の研究成果を広く公開する機会として「学生懸賞論文」を実施しています。
 2013年度は28本の応募がありました。優秀賞5本、奨励賞8本が入賞しました。2014年2月21日(金)、622教室で開催されました表彰式では、受賞者は阪南大学学会会長の辰巳浅嗣学長から表彰状が贈られました。なお、受賞者は下記のとおりです。
表彰区分            表          題       学  部 氏  名
優秀賞 堺市におけるバルイベントを利用した地域活性化 国際観光 黒川 隆介
優秀賞 地方の生き残りをかけた6次産業化-山口市の農家を事例として- 経済 楳本 優香
優秀賞 世界から見たルワンダ虐殺-国連・NGO・それぞれの国の視点- 国際観光 阪口 美沙
優秀賞 子ども兵士の終戦後の社会復帰における問題-シエラレオネを例にして- 国際観光 岡本 みく
優秀賞 高齢者介護における現状と課題-国が行う高齢者介護の対策に着目して- 経済 小山 晶基
奨励賞 高知県四万十市滞在型観光の取り組みに関する研究 国際観光 三本 真由
奨励賞 堺市における産業観光を利用したインバウンド振興 国際観光 瀬尾 拓弥
奨励賞 公立中学校における修学旅行内容の変化-長崎県の平和教育を事例に- 国際観光 夏野 未羽
奨励賞 マレーシア・サバ州とスールー王国の領土問題 国際観光 シュウチャシン
奨励賞 ノンバーバル・コミュニケーションの分析-日本と韓国の映画を中心に- 国コミ 藤原 菜摘
奨励賞 日本の家電メーカーの業績回復 経済 松岡 弘樹
奨励賞 "What's the Hip Hop in Japan and America"-Society, Music and Fashion- 国コミ 城下 裕二郎
奨励賞 日本のアニメ文化で日本を救えるか-本当の観光立国とよばれるために- 国コミ 金高 莉佳

【優秀賞受賞者のコメント】

タイトル:「堺市におけるバルイベントを利用した地域活性化」
国際観光学部 黒川隆介

 堺市は観光資源として、仁徳天皇陵や、神社、茶の湯文化、刃物、線香など豊かな歴史文化に恵まれており、それに加えて農業が盛んです。
 しかし、歴史文化方面と比べて、農業に関するPRが少ないのが現状です。
 そこで、堺市の地産地消である堺の恵みを府内、府外に発信していきたいと考え研究を始めました。
 今回の論文作成とイベント提案の為、現場視察として、何度も堺市を訪れ、飲食店へのヒアリング調査を行いました。そして、イベント提案を作成するにあたっては、単に自分のやりたいことを詰め込むのではなく、その地域の現状、課題を調査し、日程、予算、コース、運営の仕組みなど具体的に考えていきました。
 予想ではありますが、本論文で提案したサイクルーズ・バルは堺の活性化に繋がると考えます。
 今回、卒論研究のために、現状・課題を現場視察を通じて調査し、イベント提案をするという流れは今後、就職する上でも活かすことができました。これからも地域のことを深く考えていきたいと思います。

タイトル:「世界から見たルワンダ虐殺-国連・NGO・それぞれの国の視点-」
国際観光学部 阪口美沙

 アフリカのルワンダにおいて、今から20年前に、フツ族によるツチ族の大量虐殺が行われました。国連や国際社会は、ルワンダで大量虐殺が行われている事実を知りながらも、見て見ぬふりで適切な行動を起こさず、虐殺が行われていく様子をただ傍観しているだけにすぎませんでした。
 命の危険を感じることのない安全な国で日々生活している私たちは、国民同士の紛争と聞くと自分たちには無縁な話であると目を背けがちです。また、アフリカは自分たちの国とは違う貧しい国だと無意識の内に格付けを行っている傾向があります。
 しかし、こういった意識を持っていることや、無関心でいるということが私たちを知らない内に虐殺の加担者にしている可能性もあるのです。
 ルワンダはなぜ世界から見殺しにされなければならなかったのか、今回優秀賞を頂けたことに甘んじず、今後もルワンダに関する研究に励んでいきたいと考えています。

タイトル:「子ども兵士の終戦後の社会復帰における問題-シエラレオネを例にして-」
国際観光学部 岡本みく

 私がこの受賞において、まず初めに感じたことは多くの方への感謝の気持ちでした。
 指導の先生からは、この論文に対して多くのアドバイスを頂き、友人たちは遅くまで学校に残って励ましてくれました。私はそんな皆さんにありがとうと何度言っても言い足りないくらい感謝しています。
 また、私が努力し完成させた論文が多くの方に読まれ、実際に評価されたことも非常に嬉しく思っています。
 たまたま、大学の図書館でシエラレオネに関する図書を見つけて、約2年かけてこの国のことを知り、子ども兵士の問題を学び、論文を執筆しました。資料を集めているときも、論文を書いているときも、何度もつらい事実から目をそらしたくなりました。
しかし、この難しいテーマを選択し、論文を書き上げた後に私が得たものは、知識だけではなく論文の書き方、特にどのようにすれば人の心に強く残る言葉で表現できるかでした。
 今回得られたことを活かして、これからも研究を進めていきたいと思っています。

タイトル:「高齢者介護における現状と課題-国が行う高齢者介護の対策に着目して-」
経済学部 小山晶基

 急激な高齢化が続いているわが国では、現在、在宅での介護が進められています。今回の研究では在宅における介護について、また、多発している高齢者の孤独死について、それぞれの実態を把握し、それらの問題や課題を取り上げ、その解決策や防止策を自分なりに考えました。
 この論文の中で私の提案したものが、全ての問題解決に至るとまでは言えませんが、少なくとも解決に向けた小さな提案をすることができたのではないかと感じています。
 この論文を評価していただいた事はとても嬉しく思います。高齢者介護とはまだそれほど直接関係のない私たち若者も、現在この国が直面している高齢化によって生じている問題に少しでも目を向けて、新たな制度、政策について考えていけることができれば、これらの問題の解決へ繋がるのだと思います。

【奨励賞受賞者のコメント】

タイトル:「公立中学校における修学旅行内容の変化-長崎県の平和教育を事例に-」
国際観光学部 夏野未羽

 今回、奨励賞を受賞することができ大変嬉しく思います。私が「公立中学校における修学旅行内容の変化〜長崎平和学習を事例に〜」をテーマにした理由は、旅の持つ魅力が子供達にとって大きな影響を与えると考えたからです。
 誰もが学生生活で経験する修学旅行の内容は、月日と共に変化しています。その中で平和学習に着目したのは、日本が世界で唯一の被爆国であること、現地で見て・聞いて・感じることこそが一番の勉強になると思ったからです。
 本論文を書き始めた頃は、行き詰まることが多々ありました。しかし、4年間にわたり国際観光学部で学んだこと、2年間のゼミ活動で学んだことを思い出し、常に支えて下さった清水先生のおかげで納得のいく論文を書き終えることができました。本論文を書くにあたりご指導下さった清水先生には、感謝の気持ちでいっぱいです。奨励賞を受賞できたことで、清水先生に少しでも恩返しができていれば幸いです。

タイトル:「ノンバーバル・コミュニケーションの分析-日本と韓国の映画を中心に-」
国際コミュニケーション学部 藤原菜摘

 私はノンバーバル・コミュニケーションについて研究して、論文として発表しました。ノンバーバル・コミュニケーションとは、言葉を使わないコミュニケーションのことを指します。この研究を通して、今まであまり意識していなかった言葉以外のコミュニケーションが数多くあることに気づき、無意識に行っている動作などが何らかの心理を表している場合があるということを知りました。
 また、ノンバーバル・コミュニケーションは言葉が通じなくても、他国の方とコミュニケーションがとれる手段だと思っていましたが、国によってジェスチャーの意味が異なったり、スキンシップにも国によって違いがあるということが研究をしていくうちに明らかになりました。
 今回の論文は、指導の先生のサポートがあったからこそ、より良いものに仕上がりました。その結果、このような賞を頂き大変嬉しく思います。

タイトル:「日本の家電メーカーの業績回復」
経済学部 松岡弘樹

 2007年の夏以降、世界的な原油・資材価格の一段の高騰やサブプライムローン問題などを背景としたアメリカの景気後退の懸念によって、急激な円高の進行や株式相場の大幅な下落がおこり、日本国内家電メーカーの生産や設備投資の減少等につながりました。
 国内家電メーカーのコスト競争力が低下し売り上げが落ちたため日本製品が高騰したことから、海外ライバル企業はドル安による価格の低下が進み、日本製品の売上がどんどん
落ち、業績が悪化しました。
 こういった中で国内家電メーカーがどのようにすれば業績回復することができるのかということに興味を持ち、また、これからの日本にとっても重要な問題となってくるであろうと考えたことがこの論文作成の動機になりました。
今回受賞ができたことはとても嬉しく思っております。4年間の集大成として努力して取り組んだことを忘れず、何事にも力を入れて頑張っていこうと思います。

タイトル:「日本のアニメ文化で日本を救えるか-本当の観光立国とよばれるために-」
国際コミュニケーション学部 金高莉佳

 本論文は日本のアニメ文化について、研究した結果です。私がこのテーマを調べようと思ったきっかけは、ゼミ活動で心斎橋の観光パンフレットを作成しようとした際に、外国人観光客にインタビューしたところ、日本のアニメに興味をもっている外国人が数多くいたことでした。
 そこで、日本の漫画やアニメを使って、観光客を集めることはできないかと考えたのがきっかけでした。
 今回、日本のアニメや漫画を調べていくうちに、日本のアニメの素晴らしさをより深く知ることができました。そして、自分が思っていた以上に日本のアニメは、海外に人気があること、海外の人々がどれほど熱い気持ちで日本を愛してくれているのかを知ることができました。
 本論文を作成するにあたって、116人の方にアンケートに協力いただきました。また、指導の先生にもサポートしてもらい、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、このような賞をいただき本当に嬉しく思います。