2016.3.17

国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 第14号」 ゼミの個性がそれぞれに光る卒業研究発表会

国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 第14号」 ゼミの個性がそれぞれに光る卒業研究発表会

2015年度卒業研究発表会を開催

 2016年2月3日(水)の終日を使い、南キャンパスのアッセンブリホールにおいて、国際観光学部の第3期生による卒業研究発表会が開催されました。中山惠利子学部長の開会挨拶をかわきりに、個人やグループを合わせて15組が発表を行ないました。専門演習で開講している全てのゼミから発表者が出て、卒業研究やゼミ活動の成果を報告しました。今年は森重ゼミと和泉ゼミの学生が発表会の準備と運営を担当して下さいました。
 発表会は4回生だけの会ではありません。1回生から3回生までの学生たちも、これから自分たちが取り組む研究や活動の手本を見ようと、たくさん集まってきます。熱心にメモを取る学生や、発表者に質問を投げかける学生の姿もあり、真剣そのものです。会場ではポスターセッションも行なわれ、壁には数々のボードが立てかけられています。列のなかには「ラ・れっとる」第12号で紹介した日本観光研究学会でのボードも出展されていました。普段はなかなかゼミ間の交流ができませんので、こういう機会に他のゼミの活動や研究に触れると、新鮮で刺激を受けます。
 今年度の発表者および発表テーマは表の通りです。持ち時間は15分。すべてパワーポイントを用いての発表でした。ゼミの個性や特色を活かし、堂々と発表する姿が印象的でした。広報部では、発表者のひとりである松村ゼミ4回生の平山あかねさんにインタビューをしました。平山さんは3回生のときに学生委員会の委員長を務め、ゼミ活動や学校行事に積極的に取り組んできました。それらを通じて学んだことや苦労したこと、後輩たちに伝えたいメッセージなどをお聞きしました。(湯栗未名美)

※この活動は、阪南大学給付奨学金制度によって運営しています。

松村ゼミのモットーは「研究よりも実践」

湯栗:発表お疲れ様でした。いきなりですが、卒業発表会で一番苦労したことは何ですか?
平山:毎年そうですが、松村ゼミの卒業研究発表は、ゼミで活動してきたことを発表しています。個々の研究が多い他のゼミとはスタイルが違います。これまで全員でやってきた数多くの活動をどう紹介するか。自分たちでストーリーを組み立てるのは、大変でしたね。
湯栗:発表で紹介されていた「松村ゼミのモットー」が気になったのですが、もう一度教えていただけますか。
平山:第1は「研究よりも実践」、第2は「勉強よりも活動」、第3は「現場へ出て、実践し活動する中で学び習い、現場と共に育つ」、そして、最後は「新聞は読むものではなく、最前線で活動して載るものだ」という先生の方針です。
湯栗:沢山ありますね!ゼミ活動を通じて「このモットーが大切だな」と実感できた経験はありますか?
平山:松村ゼミは、勉強よりも、座学よりも、フィールドワークを大切にしています。観光学というのは、教科書だけではわからないことがほとんどです。実際に足を運び、見聞きしなければわからない。先生といっしょに地域に入って活動していると、そのことが実感できますね。

深いからこそ楽しいゼミ活動

湯栗:平山さんが松村ゼミを選んだ理由はなんですか?
平山:新入生の入門ゼミから松村先生がご担当でしたので、ごく自然に。1回生の時には、ゼミヘの関わり方も浅く、先輩や先生が作った企画やイベントに参加するだけでした。ところが、参加しているうちに、「自分もイベントの土台から作ってみたい」と思うようになってきました。
湯栗:そのあと松村ゼミに入り、やりたかったことはできましたか。
平山:そうですね。初めのうちは上手くいかないこともありましたよ。でも、3、4回生になれば、土台作りが逆に楽しみになりました。
湯栗:楽しみというと?
平山:ゼミ活動は、自分ひとりだけで考えるのではありません。何か大きなことを実行するときは、自分の意見も主張しつつ、他のゼミ生の意見も尊重します。他人の考えに触発され、新たなアイディアが生まれることもあります。その瞬間はわくわくしますね。
湯栗:和気あいあいとしたゼミの様子が伝わってきますね。
平山:はい。松村ゼミの活動しているのは主に大阪市の西成区ですが、その地域で先生は長く活動してこられましたので、街の人に評価され、多くの実績もあります。だから、活動の内容も深くなる。楽しいゼミ活動ができたのは、そういう深さにあるのかも知れません。
湯栗:なるほど。松村先生は一つひとつの場所を大切にしてこられたのですね。地域での信頼関係があるから、活動内容の幅も広がるのでしょうね。
平山:そのとおりです。ゼミ活動のお陰でたくさんの人と関わることができました。いい経験をさせていただきました。

胸を張って堂々と

湯栗:大学生活について、後輩たちにアドバイスはありますか?
平山:受け身じゃなくて、率先して自分から動くことです。大学生活を謳歌してほしいです。卒業の時に「阪南大学に入って良かった」と思えるかどうかは、自分自身の頑張りや意識のもちようだと思うのです。
湯栗:平山さんが「阪南大学に入って良かった」と思ったのは、どんな点ですか。
平山:教職員と学生の距離の近さですね。親身になって相談事を聞いてくれる先生や職員の方がたくさんおられます。困ったことや悩み事をなんでも相談することができます。
湯栗:松村先生にも、相談を持ちかけたりするのですか?
平山:もちろんです。今回の卒業研究発表についても、アドバイスをもらいました。就職活動でも、「ゼミでのこんな経験が、その会社でなら活かせる」などと教えて下さいました。よくゼミ生たちをご飯に連れて行って下さるので、そこでお話することが多いですね。
湯栗:それはいいですね。
平山:はい。活動が終わってから行くのが恒例になっています。先生の行きつけのお寿司屋さんに連れて行ってもらうこともあります。学生だけでは敷居の高いところですので、密かな楽しみともなりました(笑)。
湯栗:楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。では、最後に、来年、卒業研究発表をする3回生にアドバイスがあれば、お願いします。
平山:自分たちが取り組んできた研究や活動に誇りもち、胸を張って、堂々と発表してください。入念に準備をすれば、自信がおのずと湧いてきます。頑張ってください。
湯栗:ありがとうございました。

インタビュー後記

 平山あかねさんにインタビューをお願いしたのは偶然ではありません。この広報部が立ち上がったころでした。同学年の友人たちに「インタビューをする人を探しているのだけど…」と相談したところ、「この先輩の話は聞いた方がいい」と、口々に名前が挙がったのが平山さんでした。社交的で、実に表情が豊か。たくさんの後輩から慕われている理由がよくわかります。平山さんをはじめ、今年も多くの先輩たちが卒業してゆきます。私たちは、まだまだ遠く及びませんが、自分のめざす目標に向かって精一杯頑張ります。社会に出ればお忙しいでしょうが、ときどき話をお聞かせいただければ幸いです。インタビューに快く応えていただいた平山さんや卒業研究発表会でいい手本を見せていただいた先輩方に、心より感謝いたします。「ご卒業おめでとうございます」の言葉を広報部一同からも贈らせていただきます。