国際観光学部オリエンテーションキャンプ2014活動報告

 5月10日(土)・11日(日)に兵庫県丹波篠山のアルパインビレッジで国際観光学部のオリエンテーションキャンプを実施しました。新入生と教員250人あまりが1泊2日の時間を共にして、ワークショップ・レクリエーション・篠山見学を通じて交流を深めました。サポートしたのは2回生と3回生よりなる29人のチューター。後輩たちを導き、国際観光学部ならではの、和気あいあいとしたムードをつくりました。
 ワークショップのテーマは「夢(希望)と悩み(不安)」。新入生たちはゼミごとに話し合い、ポスターを作成し、演出を練って翌日の発表に備えました。夜まで準備を続けるチームも少なくはありません。発表の結果は演出の効果で森重ゼミが優勝。そのほかの学生たちも大仕事をやり終えた充実感が笑顔に現れています。レクリエーションはジェスチャーゲームとしっぽとりゲーム。夜の体育館は元気な笑い声であふれました。
 篠山は天下普請の名城を中心として、武家屋敷や山陰道に面した商家街が広がり、往時の風情が楽しめます。観光資源の豊富な篠山は新入生の実習には格好の町です。学生たちはゼミごとに分かれ、自分たちの目的をもってフィールドワークに出かけます。足早に出発する学生の姿には、限られた時間で内容を充実させようという意気込みが感じられました。以下、参加した新入生やチューターたちの報告記事を綴り、詳細をお伝えします。(来村)

キャンプを通じて不安が消えました
中村聡志(国際観光学部1回生・小林弘二ゼミ)

 今回のオリエンテーションキャンプは、小林ゼミとして活動し始めてからまだ1ヶ月しか経っておらず、他のメンバーのことをよく知らない状態であったので、当初は「この2日間をうまくやっていけるか」という不安でいっぱいでした。キャンプの1日目、不安を抱えたまま、「夢(希望)と悩み(不安):課題の発見と共有」をテーマとして、ゼミ単位でのワークショップが始まりました。話し合った結果、私たちのゼミは「結婚について」を発表のテーマとしました。幸せな結婚をするためには、これからの大学生活をどのように過ごしていくかが大切です。「留学をすること」と「様々な体験をすること」を2つの視点として、それらがどのようにして幸せな結婚に結びつくのかを議論しました。
 この2点について、まずはそれぞれのメリットとデメリットを取りあげ、そのメリットとデメリットについて2つのチームに分かれて考えました。そして、その結果を誰がどのような形で発表するのかについて、チューターの先輩を含めて、全員で意見を出し合い、最終調整を行いました。その後、夕食を食べてから学生委員会主催のレクリエーションがあり、ゼミ対抗でジェスチャーゲームとシッポ取りゲームを行いました。残念ながら、僕たちのゼミは入賞を逃してしまいましたが、ゼミのメンバーとの交流を深めることができたと思います。
 翌日になり、ゼミワークショップの発表の時が来ました。私たちのゼミは、発表順位がトップとなりました。私は「留学をすること」についての発表者として皆でまとめたことを踏まえて発表しました。発表練習の段階では、文章がきちんとまとまっておらず、聞き手に伝わりにくいことが心配でしたが、夜中まで話し合い、文章をまとめて練習した甲斐があって、本番ではうまく発表できたのではないか。自分ではそういういい感触がありました。しかし、他のゼミの発表を聞いていると、それぞれ聞き手に伝えようという工夫がなされています。勉強になったのと同時に少し悔しさを感じました。ゼミワークショップの発表が終わり、昼食をとると、宿泊所をあとにして篠山の町へ移りました。篠山城周辺の散策では自分のゼミ以外の学生との絆を深めることができ、友達の輪を広げられました。
 多くの人たちと仲良くなれたこと。それがオリエンテーションキャンプでの一番の成果だと思います。ゼミワークショップを通してゼミの仲間と一つのテーマに対してお互いの意見を出し合い、一つの結論を導き出すうちに、一人一人のことを理解することができました。また、レクリエーションでのゲームを通して互いに親交を深めることが出来ました。「このメンバーとうまくやっていけるか」という当初の不安は、時間が経つにつれて薄れていき、「これからのゼミ活動も、このメンバーならどんなことでも乗り越えられる」と感じられるほどに変わりました。メンバーの信頼関係が生まれました。仲間との友情を深められたこと。互いに協力することを学んだこと。実りのある中身の濃いキャンプであったと思います。

充実したオリエンテーションキャンプ
中尾百香(国際観光学部1回生・清水苗穂子ゼミ)

オリエンテーションキャンプに参加して、いろいろなことを学び取る機会がありました。まずはゼミごとに分かれてのワークショップです。テーマは「夢(希望)、悩み(不安):課題の発見と共有」。漠然としたテーマを与えられ、最初はどのように話を進めていけばよいか、戸惑うばかりでした。そこで2つのグループに分かれ、それぞれ自分の夢や悩みについて付箋に書き出しました。次に各グループで意見を共有し、具体的なテーマを考えていくようにしました。「南キャンパスと本キャンパスの移動が大変なので、バスを出して欲しい」「英語の授業が大変だ」などの意見を出したところ、他の仲間の意見も自分とよく似ていました。そこまではよかったのですが、話を進めていくと、まとめ方がうまく見出せません。具体的にどんなことをしたらよいかも浮かんできません。意見もそのうち出尽くしました。そんなときにチューターの先輩や清水先生が「次はこのようにしてみたら」などと、少し助け舟を出してくださいました。そのようにして、何とか各グループでテーマを決め、具体的な案がまとまったのち、2つのグループから互いに意見を出し合いました。すると、自分たちのグループにはなかった新しいアイディアも出され、新鮮に感じます。最終的には、「南キャンパスでのイベントを増やそう」ということで話はまとまりました。
 考えた改善案を人形劇で発表することにしました。模造紙を数枚つなぎ合わせ、そこに物語風にした改善案を大きく描きました。この作業にはかなり時間がかかりました。他のゼミが作業を終えたあとも、私たちのゼミは残って作業しました。絵が完成した後も、台本作りに時間がかかりましたが、ゼミの仲間と過ごすうちに団結力が高まってゆきます。充実した時間を過ごすことができました。
翌日の発表会で3位に選ばれました。みんなで時間をかけただけに、喜びも2倍になりました。他のゼミの発表を聴くと、自分たちとは違ったテーマでそれぞれの意見をまとめています。どのゼミの発表も共感できる点がありました。ワークショップは初めてで、難しかったものの、いい経験になりました。「ただ何となくそう思う」のではなく、実現した先のことまで考えながら、具体的な案を考えることが大切であることを知りました。自分の意見を積極的に伝えることの大切さも学びました。そのようなワークショップのほかにも、ゼミ対抗のレクリエーションでは、ジェスチャーゲームとポニーテールゲームを楽しむなかで団結力も強まり、嬉しいことに3位に入ることができました。
 2日目の篠山見学も楽しい経験でした。篠山は初めて訪れる場所でしたので、どんなところなのか向かうまでわかりませんでしたが、店舗を見たり、神社に参拝したり、篠山城跡を見学したりと、さまざまに楽しめました。丹波の名物である黒豆を使ったソフトクリームの味も格別でした。古い町並みは風情があり、高い篠山城からの景色もいい天気に恵まれて最高でした。こういう感動を人に伝えることが観光学なのでしょう。これからしっかり学びます。参加するまでは期待と不安が半々でしたが、仲間と楽しい時間を過ごし、先輩や先生方の優しさに触れることができました。これからの学生生活においても、実りのある活動をしてゆくつもりです。

深夜におよぶ準備で納得のゆく発表ができました
栗田真衣(国際観光学部1回生・清水苗穂子ゼミ)

国際観光学部は5月10・11日に兵庫県の丹波篠山でオリエンテーションキャンプを実施しました。私は清水苗穂子先生の入門ゼミで学んでいます。オリエンテーションキャンプに行くまでの清水ゼミは、学生が互いに人見知りをしてよそよそしく、団結力や積極性もありませんでした。そのためオリエンテーションキャンプについての話し合いをする際にも静かで、思うように話し合いが進みませんでした。しかし、キャンプ当日、行きのバスの車内では、そのような不安をかかえながらも期待は大きく膨らみ、この2日間が私たちにとって特別な体験となる予感はしていました。
オリエンテーションキャンプのワークショップは「夢(希望)と悩み(不安):課題の発見と共有」というテーマでした。漠然とし過ぎていて、なかなかイメージが湧きませんでした。こんな状態のまま進めてしまうのか、はたしてゼミのメンバーと打ち解けて話ができるのか。不安ばかりが先行します。ワークショップでゼミは2つのグループに分かれ、個々の考えや意見を書き出しました。教室でのゼミの授業とは違い、ホワイトボードを付箋で埋めつくすほどのたくさんの意見が出たものの、双方の意見が上手くまとまらず、時間ばかりが過ぎてゆきました。他のゼミは発表の準備を終えて自由時間を過ごしているなか、私たちは発表の準備に必死で取り組みました。睡魔や1日の疲れと闘いながらも続け、最終確認が終わったときには、すでに夜中の3時を過ぎていました。多くの時間を費やしながらも完成させた成果を、存分に発表することができ、13のゼミの中で3位という結果を出すことができました。
 レクリエーションではゼミ対抗でジェスチャーゲームとポニーテールゲームをしました。ゼミの団結力を深めるいいチャンスです。レクリエーションが始まると、皆のまた違った面が出てきます。ゲームも盛り上がり、心から楽しむことができました。その結果、これまた3位に入賞しました。予想もしていなかったので、全員が躍り上がって喜びました。翌日の午後は篠山城跡周辺の散策を楽しみました。国際観光学部らしい活動で、土地のよさを存分に味わうことができました。情緒ある街並みを囲む景観や雰囲気は、私たちの心を和ませてくれました。そこで食べた篠山ならではの特産品を使った黒豆ソフトクリームはとても美味しく、充実したひと時を過ごすことができました。
思い返せば、とても不安だった2日間はあっという間に過ぎていました。1日目は個々に夕食を食べていたけれど、2日目の昼食はゼミ生全員がおのずと同じ席に座りました。発表会の準備やレクリエーションを通して団結力が深まっていたのでしょう。今回のオリエンテーションキャンプに参加することで協調性や積極性を身につけ、ゼミとしてはもちろん自分自身も成長できた気がします。
実に有意義な活動でしたが、希望もあります。レクリエーションの時間が短く、皆が打ち解けたころに終了となったことが残念です。もう少しレクリエーションの時間を確保できていたら、ゼミの団結力もさらに強まっていたことでしょう。時間の都合で2日目の昼も宿泊施設での食事となりましたが、各自が篠山の町で食事をとれていたら、さらによかったのかも知れません。篠山城跡周辺の散策の中で牡丹鍋や和菓子のお店を多く見かけました。土地の食べ物を自分自身で体験することで観光資源を深く知り、訪れたことがない人にも土地のよさを発信していけるのではないでしょうか。

友達を作る京都観光コースの提案
高田尚花(国際観光学部1回生・塩路ゼミ)

1泊2日のオリエンテーションキャンプが兵庫県の丹波篠山市で実施され、私たち1回生は初めてのゼミ活動として、与えられたテーマを話し合い、意見をまとめました。テーマは「夢(希望)と悩み(不安)」です。塩路ゼミでは学生たちが2班に分かれ、これからの大学生活に対する夢や希望、悩みや不安を1人ずつポストイットに書いて意見を出し合いました。最も多く出された不安は「友達と仲良くやっていけるのか」「授業についていけるのか」「単位はきちんととれるのか」などでした。そこで、私たちは「友達」や「仲間」をキーワードとして、こうした不安を解消する方法を考えました。「国際観光学部らしさも出さなければならない」ということで、友達や仲間をつくる手段として「旅」をテーマとしました。「京都日帰りローカルバスの旅」を計画して発表しようという意見でまとまったのです。
観光地を京都にしたのは、単純な理由で、京都にはたくさんの観光スポットがあるからです。1日で多くの観光地を巡るために、旅の目的地を1ヶ所にしぼらず、ローカルバスをふるに利用して、京都らしい風景を存分に味わおうと考えました。いろんな人と触れ合うなかで友達ができ、輪が広がれば、「友達と仲良くやっていけるのか」という不安が解消できる。そう考えました。作業はまず、全員で有名な京都の観光地や名物をネットで調べました。ピックアップした京都の名所は、「京都御所」「金閣寺」「銀閣寺」「清水寺」「八坂神社」「太秦映画村」などです。有名な観光スポットですが、所在地が互いに離れていますので、バスの時刻表やルートを細かく決めていきました。続いて、それらの情報を模造紙に表現する作業に移りました。地図を描いたり、さし絵を入れたりなど、誰が見ても分かりやすいようにと考えました。また、遠くからでも見えるように、字を大きく書くことも心がけました。翌日の発表会では、残念ながら入賞しませんでしたが、ゼミのみんなが一生懸命取り組んだ過程に意味があったと感じています。これからの大学生活において、必ずこの経験を活かします。
ワークショップ以外にも、レクリエーションでゼミ対抗のジェスチャーゲームやしっぽ取りゲームをして体を動かしました。こちらは単純に楽しい時間を過ごせました。塩路ゼミの学生は元気いっぱいで、レクリエーションのあとも体育館に残り、ドッジボールを楽しみました。先生やチューターの先輩方とも打ち解けられ、学年を越えて輪が広がりました。丹波篠山の散策では、町の中心となる篠山城跡に登り、周囲を眺めました。城からは篠山盆地が一望できます。城の西側には素朴な武家屋敷が建ち並んでいます。その通りを歩くと、篠山の歴史とのどかな町の風情を感じることができます。時間の都合で町の奥までは行けませんでしたが、もしまた機会があれば、そちらの方も探索してみます。「地元にお金を落とすことも観光の大切な役目だ」という来村先生の教えにしたがい、名物の黒豆ソフトクリームを食べ、丹波篠山の名産である黒豆の製品を土産としました。わずか1泊2日の研修でしたが、大学生活の第一歩として、大きく前に進むことができました。ワークショップでは、意見をまとめることの難しさや大変さを実感する一方で、達成感を味わえました。オリエンテーションキャンプの経験を活かして、これからの大学生活を充実した4年間にするつもりです。

旅行サークルの発足を提案しました
三宅亜紗未(国際観光学部1回生・鷲崎秀一ゼミ)

5月10日から11日の2日間、私たち1回生は全員が兵庫県篠山市のオリエンテーションキャンプに参加しました。まだ知り合って間もない友人と2日間をともに過ごすことに胸の鼓動を覚えながらバスに乗り、南キャンパスをあとにしました。車内では、それまであまり話をしなかった同期の学生と雑談をして仲が深まり、2日間を楽しめそうな予感がして、期待が高まりました。宿舎は篠山の山中にあるVIPアルパインローズ・ビレッジです。宿舎に到着し、食事を終えると、さっそくワークショップに入ります。広いセミナー室に全員が集まり、ゼミごとに分かれて着席しました。発表のテーマは「夢(希望)と悩み(不安)」です。始めの合図とともに学生が意見を出し合い、話し合いが進められます。就職や資格、それ以外の学生生活について、希望や不安を出し合い意見が集まってゆきます。そして、多数決の結果、票の多かったのは「学食とサークル」でした。
学食については、「メニューが少ない」という不満に視点を置きました。それならば、ということで、新しいメニューを考え、価格にもこだわりました。サークルについては、「サークルが少ない」「サークルの作り方がわからない」に視点を置き、サークルの作り方を話し合いました。旅行サークルを作ろうという前提で、サークルの内容や活動計画を細かく設定します。わかりやすい発表にするための工夫もしました。新メニューのイラストやサークルの年間スケジュールなどを模造紙に書きました。
夕食後のレクリエーションは体育館に集まってジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームが行われました。わたしたちも当然のことながら優勝を目指します。ゼミみんなで力を合わせましたが、入賞は逃したのは残念です。ただ、絆を深めることができたのは、賞にまさる収穫でした。レクリエーション終了後も活動は続きます。発表の準備が終わっていませんでしたので、私たちのゼミはもう一度セミナー室へ集まりました。発表に使う簡単なフリップを作成し、最終的にプレゼンテーションで話す文面に誤りがないかを確認しあいながら完成させました。そして、解散する前に2、3度だけ発表の練習を行いました。はたして「明日はうまく発表できるのか」という不安は残りますが、1日目の活動はこれで終了しました。
翌日、準備を済ませ、発表の緊張感を抱えながらも全員がセミナー室に集まりました。本番で成功するかどうかは未知数です。不安でしたが、発表してみると、なんとかなり、無事に終わらせることができました。入賞はかないませんでしたが、達成感はありました。他のゼミの発表も興味深く、ゼミごとに最大の努力をしたことが伝わります。特に清水ゼミの発表は印象に残りました。ある少女の大学入学から卒業までを絵で紹介し、見ていてとても楽しく、わかりやすい発表でした。
その後、ゼミの発表が一通り終わると、宿舎で昼食を済ませて、篠山城へ向かいました。前日の不安や今朝の緊張感はすっかりなくなり、みんないい顔をしています。現地では自由行動となり、私はゼミ生4人で行動しました。神社や城跡も散策し、今考えると、中身の濃い国際観光学部らしいオリエンテーションキャンプであったものと思います。

篠山の街歩きで学んだこと
寺田收孝(国際観光学部1回生・鷲崎秀一ゼミ)

5月10日と11日に兵庫県の丹波篠山VIPアルパインローズ・ビレッジで1泊2日のオリエンテーションキャンプを行いました。自然豊かでのどかな場所に宿泊施設があります。1日目の昼はワークショップで、大学生活の不安や不満について話し合いました。模擬ゼミのような体験ができました。単位取得・サークル・就職活動・学食などが話題になりましたが、数多く意見が出たのは、学食とサークルについてでした。そこで、学食班とサークル班に分かれ、それぞれについて、さらに具体的なことを話し合うことにしました。私は学食のグループに入りました。4月から学食を利用して1ヶ月以上になります。そろそろ不満も出てくる時期です。お互い正直な意見を出し合いました。いくつかの意見が出たなかで、「学食のメニューが少ない」という不満が特に多かったため、発表会のテーマとして採用することにしました。
学生が喜びそうで、かつ採用されそうなメニューを考えます。議論が進むなか、今の学食にはイタリアンと定食系のメニューがないという指摘が出されました。そこで、さらにイタリアンメニュー考案グループと定食メニュー考案グループに分かれることにしました。私は定食組に入りました。どのような定食が学食に必要か。それを話し合ってゆくなかで、4種の定食メニューが考案されました。次に考えるべきことは「提案をどう見せるか」という点です。発表する際には、聴衆の視点に立って考えなければなりません。「絵を描いて見せた方がよりわかりやすくなる」と結論が出ました。作画の能力に不安はありましたが、頑張って描きました。
夕食後には宿舎の体育館でジェスチャーゲームなどのレクリエーションを楽しみ、気持ちがリフレッシュしたところで、再びワークショップの準備を続けました。翌日の発表に備えて、リハーサルを数回行いました。私が発表する部分はわずかでしたが、どのように声を出せば伝わりやすいのかで悩みます。チューターの先輩からアドバイスをもらいながら、練習を繰り返しました。翌日の朝食後、いよいよ発表会の時間です。くじびきの結果、私たちのゼミは6番目に発表することになりました。正直に言って、人前で発表するのは苦手です。上手く発表できるかどうか不安です。出番が近づくにつれて緊張が高まってゆきます。しだいに自信がなくなり、焦りましたが、いざ発表をしてみると、何度も練習した成果が出て、思っていたよりもうまく発表することができました。発表を終えたのちはリラックスして、他のゼミの面白い発表を楽しむことができました。結果が発表され、私たちのゼミは入賞を逃しましたが、やれることは全てやったという達成感はありました。
発表会が終わり、宿舎で昼食をとったのち、バスで大阪に帰る途中、篠山城跡を訪れました。バスを降りるまでは、「こんなところに何があるというのか」と思っていましたが、いざ歩き始めると、すばらしいところです。歴史や考古学を教える来村先生のグループと行動を共にし、篠山城の説明を受けたことは幸いでした。これまであまり興味のなかった城の見どころがわかり、とても楽しめました。また、このとき中国人留学生の崔陽君と歩きながら話をすることができました。領土問題や歴史問題を巡って日本と中国の溝は深まるばかりですが、崔陽君と話すにつれて、少なくとも私の中国に対する誤解や偏見はなくなりました。国家の問題も解決されることを願うばかりですが、私たちのできることは個人と個人の交流を通じて国際理解の輪を広げてゆくことだと思いました。今回のオリエンテーションキャンプでは人前で発表することの難しさ、小さな視点で物を見ずに、大きな視点で大局的に物を見ることの大切さを学べました。そして、何よりも不安に感じていた学生生活にも馴染むことができました。学んだことを忘れず、しっかりと生かしていきたいと思います。

セカンドネームでアップしたコミュニケーション能力
杉村滉太(国際観光学部1回生・吉兼秀夫ゼミ)

オリエンテーションキャンプに行く前はあんなに楽しくなるとは思いませんでした。まず、ゼミごとにわかれてワークショップがはじまります。ワークショップのテーマは(夢や希望、悩み不安)でした。正直テーマが大きすぎで苦手なテーマでした。ただ、吉兼ゼミでは、授業で発表の方法を学んでいましたので、他のゼミに比べれば少し有利でした。私はリーダーに選ばれて、話し合いをまとめる役目を担いました。初めは意見がまとまらず、焦りましたが、チューターの先輩と先生のアドバイスを受けて、何とか舵取りをしました。意見を出し合った結果、「コミュニケーション能力と語学力をうまく向上させられるか」という悩みをほぼ全員がかかえていました。そこで設定したテーマは「コミュニケーション能力アップ作戦」でした。
話し合いは次に進み、能力をアップするための方法を考えました。まずゼミ生どうしが仲良くなることが大切だということで、チューターの先輩や先生も含めて、西洋人のようなセカンドネームをつけることにしました。随時、イメージに合った名前をつけてゆきます。私はスージー、先生はジョンで、その名前で呼び合うようにしました。さらに、西洋人のようなオーバーアクションで接することを決まりとしました。この決まりは効果があり、仲間たちの距離は一気に縮まりました。そこからの展開は速く、「英語を使ったゲームをしては」「映画の名場面を英語で再現しよう」「英語でお笑いコントをしよう」等々、名案がどんどん出てきます。あとはプレゼンの練習をするだけ。スージーこと私とベガこと山本君は英語でミニコントすることになり、2人で入念に練習しました。
夕食後はレクリエーションでジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームを楽しみました。ジェスチャーゲームでは、全員が意外と恥ずかしがらずにアクションをします。これもミーティングの成果でしょうか。その姿に思わず笑いが出ます。ジェスチャーゲームの点数は1番でした。続いてはしっぽ取りゲーム。腰のうしろに挟んだビニール紐製のしっぽを奪い合います。運動が苦手な私はすぐにアウトかなと思っていましたが、終わってみれば生き残ったうえに、右手には相手チームのしっぽを握っていました。結果が発表され、なんと吉兼ゼミは準優勝。リーダーとして商品と賞状を受け取らねばなりません。高校時代の体操服だったので、恥ずかしい思いをしながら、先生の喜ぶ顔に、こちらも嬉しくなりました。ゲームで交流を深めたあと、再度プレゼンの最終確認をし、1日目の活動は終了しました。
2日目は朝からプレゼンの練習です。いい感じに仕上がり、いざ本番へ。吉兼ゼミは7番目です。他のゼミの上手な発表を聞いているうちに緊張が増してきました。自分たちの番になり、ミニコントも全力でやりきりました。吉兼先生の乱入で場内は湧き立ち、手ごたえがありましたが、結果は4位でした。頑張っただけに悔しさが込み上げてきましたが、いい経験になりました。このキャンプでたくさんのことを学びました。リーダーになって皆をまとめ、ひとつのものを作ってゆく難しさを知りました。同時に、人とコミュニケーションをとる楽しさを味わいました。正直に言って、当初は「面倒くさいな」って思っていたキャンプでしたが、こんなにも楽しいのかと驚きました。得たものも少なくありません。できれば来年は後輩を指導するチューターとして、再度この宿舎を訪れたいものです。

オーバーアクションで仲間作り
大北裕美子(国際観光学部1回生・吉兼ゼミ)

オリエンテーションキャンプの初日は、ワークショップが主な活動でした。テーマは「夢(希望)と悩み(不安)」についてでした。用意された付箋に自分たちの「夢」や「不安」を思いつく限り書いてゆきます。それをホワイトボードに貼り出して、同様のものを集めます。その結果、「夢」の方面では「英語を話したい」や「コミュニケーション能力をあげたい」が多く、「不安」の方面では「はたして英語を話せるようになるのか」や「コミュニケーション能力がないのが心配」が多く、ともに同じことでした。「語学を含めてコミュニケーション能力をあげたい」ということが私たちの共通した思いでした。目標が決まれば、それを達成するために何をすればよいかを話し合わなければなりません。コミュニケーション能力がある人はどういう人でしょうか。積極的な人。話し上手な人。聞き上手な人。そのような意見でまとまります。それでは次に、そういう人になるためには、どうしたらよいのかを考えます。そして、互いに英語のセカンドネームで呼び合うことにしました。実際に試してみると、すごく楽しい雰囲気になり、おのずと話が弾み、笑いが出ます。西洋人になりきって、流暢に話し、オーバーアクションをします。そうするだけでも、すごく楽しい雰囲気になりました。話がまとまり、班に分かれてプレゼンテーションに用いるボードを作成しました。視聴者が見やすいように色の組み合わせを考え、アドバイスを出し合い、協力して頑張りました。失敗しないように、何度も発表の練習をしました。
当日のプレゼンテーションではとても緊張しましたが、無事に成功してホッとしました。また、他のゼミの発表を見て感じたことがありました。入賞したゼミはわかりやすいボードを作り、会場に問いかけるなど、やはりそれなりの工夫がありました。いかに、聴いているものを自分たちのプレゼンテーションに引き込むか、という点が大切なのだと思いました。聴き手の興味を引くようなイラストや図を使ってわかりやすく説明することが必要です。勉強になります。
1日目の夜に行われたレクリエーションでは、惜しくも準優勝でした。それでも、準優勝を獲得できたのは、昼間の話し合いで生まれた団結力のたまものでしょう。ジェスチャーゲームは恥ずかしさに打ち勝ち、チーム全員が必至に頑張りました。しっぽ取りゲームは2チームに分かれて2セットを行いました。出場しているもう一方のチームを応援する仲間、しっぽを取られて退場しても応援し続ける仲間を見ていて、チームワークのありがたさを感じました。2日目の午後は篠山城の散策をしました。篠山城は初めて訪れました。お城や世界遺産を見るのがとても好きなので、私には特別に楽しい活動となりました。城は篠山盆地に盛り上がる丘の上に築かれているため、周囲への見晴らしがよく、美しいまわりの景色を楽しむことができました。1泊2日のオリエンテーションキャンプはとても充実していました。ゼミ内の距離も縮まり、他のゼミの人とも触れ合えました。また、プレゼンテーションの練習はいい経験になりました。自分たちと他者を比べることでスキルがより向上する。そのことに気づかせていただき、勉学の上でも充実した2日間でした。

人をまとめる立場に興味を覚えました
米田明日香(国際観光学部1回生・吉兼秀夫ゼミ)

オリエンテーションキャンプのワークショップでは、私たち夢と不安について語り合いました。コミュニケーション能力をつけるためには、どうすればよいか。話し合った結果、それぞれが英語の名前をつくり、セカンドネームで呼び合うことによってコミュニケーションを図りました。おかげで今まで話したことのなかった友達や先輩とも話すことができました。2日目の発表会では、他のゼミの発表を聴いて、内容がわかりやすくまとめられていたものや、聞いていて楽しくなるようなものが多くあり、勉強になりました。自分のゼミの順番が来た時は、とても緊張しましたが、一つのことをみんなで完成したという嬉しさや達成感がありました。結果は4位でしたが、楽しくできたので悔いはありません。
レクリエーション活動では、ジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームをしました。ジェスチャーゲームは、クリップに書かれた題を全身で表現して伝えるのですが、とても難しい題が多くて大変でした。また、しっぽ取りゲームでは、相手チームのしっぽをとり、自分のしっぽをとられないで逃げ切ることができました。私はスポーツをすることが好きなので、とても楽しく、深夜までレクリエーションを続けたい、と思うほどでした。活動の最後に訪れた篠山城跡は、行ったことのない場所だったので、行けて良かったです。とてもいい天気だったし、景色がきれいで気持ち良かったです。イノシシや黒豆のお土産が多かったのが印象的でした。
1泊2日のオリエンテーションキャンプを通じて、友達とも仲良くなることができたし、いい経験ができました。長時間に及ぶワークショップの作業には戸惑いました。ゼミのみんなで意見を出して一つのものを完成させることは、簡単ではありませんが、自分の意見や思いをみんなに話さなくてはならないので、それだけで目標としたコミュニケーション能力や会話力が身についたように思います。自分たちで作ったものを発表することは、大学に入学して初めての経験でしたので、とても緊張しましたが、2日間一緒にいてくださったチューターの先輩は、頼りがいがあり、助けられました。私も先輩方のようになりたいと強く感じました。私は、人をまとめたりするのは苦手ですが、今回のオリエンテーションキャンプを通して、やってみたいという思いが出てきました。この2日間で多くのことを学び、多くのことを経験できました。実りのあるオリエンテーションキャンプであったと思います。

堂々と発表する姿が大きく見えました
川畑亜紀(国際観光学部1回生・吉兼秀夫ゼミ)

1泊2日のキャンプで、意見を出し合い、意見をまとめ、そして発表をしなければならない。そう聞かされたときには、正直に言いまして、面倒くさいとも思ったし、不安でいっぱいでした。長いバスの移動でたどり着いただけに、「こんなところまで来てやることだろうか」とも思ったけれど、教室とは違う、自然に囲まれた穏やかな場所での討論はいつもより伸び伸びでき、こういう環境のなかでの討論もいいかな、という気持ちにもなりました。バスの旅で疲れが溜まっていて、リーダーやチューターの先輩に任せっきりになってしまったことが心残りです。普段から積極的に意見を出すほうではないのですが、こういう機会に自分を変えなくてはいけません。今後の課題として努力します。それでも、発表会に向けての準備では、模造紙に書き込む人や、まとめ役に回る人など、それぞれがおのずと役割を担いました。一部の人だけが頑張るのではなく、それぞれの務めを果たすうちに、チームワークができてきたのは、有意義でした。
プレゼンテーションで、上位3位に入ったゼミは、どのゼミもクオリティか高く、わかりやすく説明する努力をしていました。また、何よりも、堂々とした発表する姿が印象的でした。私は恥ずかしさが勝ってしまい、声が小さくなり、早口になってしまうことがありますが、上位に上がるゼミは、聞き手に自分たちの考えを余すことなく伝えられるよう工夫し、大きな声ではっきり話していて、堂々とした姿が大きく見えました。とりわけ優勝したゼミは、個性的で、第一声からパワフルで、一瞬でそこにいる人たち全員の心を惹きつけました。私たちのゼミも彼らに続く4位でしたが、あとで振り返ると、もっと大胆にオーバーに発表していたら、入賞ができたかもしれません。私はボードを持つだけの役目でしたが、司会をする仲間やコントを演じる仲間たちと同様に、人前で一生懸命に表現するぞ、という意識を持って立っていれば、雰囲気を高める役目を果たせたのではないかと、振り返っています。
ワークショップのテーマであった「コミュニケーション能力の向上」については、私にとっての大きな課題です。それがこのたびのキャンプでできたでしょうか。討論は有意義でした。自分と違う考えを知ることができ、見習うべき点もあって、ためになりました。そのようなワークショップやプレゼンテーションには長い時間が割かれて効果がありましたが、レクリエーションと篠山見学は時間が足りませんでした。レクリエーションは楽しかっただけに、時間が短すぎるような気がします。ジェスチャーゲームは、とても盛り上がりましたので、毎回行うべきだと思います。しっぽ取りゲームは、1人1回のチャンスしかありませんでしたので、リベンジのしたい学生も多くいたのではないでしょうか。篠山でのまち歩きは、暑さと、疲れで皆しんどそうでしたが、ゆっくりと休憩をはさみながら散策できれば、街角で地産の土産を買うこともできたことでしょう。そういう不満も残りますが、オリエンテーション全体は満足できるものでした。行く前は不安でしたが、大学生活最初の行事が終わったとなると、あっという間で寂しい気がします。学部全体が泊りがけで活動をするのはこれが最後かもしれません。またキャンプの企画があって欲しいものです。

サプライズを用意した発表会
高山木実(国際観光学部1回生・段家誠ゼミ)

兵庫県篠山市のVIPアルパインローズ・ビレッジで1泊2日の合宿を行いました。バスはお菓子を食べながら仲のよい友達とさまざまな話をして盛り上がりました。しかし、螺旋を描くような山道の急なカーブを何度も曲がるうちに、少し車酔いしました。着いたところは山中の農村部でした。名称にVIPという単語が付いていますので、高級なホテルで合宿するのかと思っていました。でも、目の前の宿舎は想像とはかけ離れ、いかにも合宿場という感じです。ここでどんなことをするのだろうかと不安になりました。豪華な部屋を期待していましたが、ゼミのメンバーが全員で使用できるほど広くはありません。予想が外れ、当惑しました。
昼食を済ませて大きな会議室に入り、ゼミごとに発表の準備を始めました。まず、題目を決めるのに戸惑いました。発表するのだから、きちんとした内容でないといけないと思い、難しく考えてしまいます。そのため、他のゼミが着実に進めてゆくのに対し、私たちはなかなか案が出ませんでした。また、元々ゼミのメンバー全員とはあまり喋ったことがなかったので、内容を決めるのにも四苦八苦しました。チューターの先輩に手伝っていただきながら、少しずつ案を出していくうちに、2班に分かれ、2つのテーマをもって準備することに決まりました。1班は英語について話し合い、もう1班は段ゼミの年間行事を決めることになりました。
私は段ゼミの年間行事を担当しました。まず話題に出たのが新聞についてです。段ゼミは他のゼミとは違い、毎回、日本経済新聞が配られ、それを皆で読みます。そのような通常の授業に流しそうめんイベント、バーベキューパーティー、映画鑑賞などを盛り込むことにしました。その次に発表の原稿を書き、発表の際に張り出すボードを皆で協力して作成しました。英語の班もテキパキと作業を進めていき、私たちの班より早く終わらせていました。先輩の指導もあって、この作業を通じて、あまり話したことがなかったメンバーとコミュニケーションをとることができました。
美味しい夕食の時間をはさみ、夜にレクリエーションが行われました。初めはジェスチャーゲームでした。ゼミ間の競争で優勝しようと気合い十分でゲームに臨みました。全員が大きなアクションでジェスチャーをします。その姿がとても面白く、笑いであふれ、段先生も感心しています。ゼミの皆も嬉しくなり、絆が深まった気がしました。次はしっぽ取りゲームです。全員でたった1本のしっぽしか取れず、「最下位だ」という嘆きの声も聞こえてきます。それでも「もしかしたら表彰されるかも知れない」と期待しましたが、やはり入賞を逃しました。複雑な気持ちでしたが、楽しめました。
レクリエーション終了後は、発表の練習をゼミの皆でしました。チューターの先輩の提案で、発表の最後に段先生に向かい提案を実現させていただくよう「段先生よろしくお願いします」と皆でお願いしてはどうか、ということになりました。その提案も含めて発表の練習を終え、準備万端となりました。
夜は狭い部屋に布団を敷き詰め、寄り添って寝ました。ひとつの布団で2人が寝るところもあり、暑苦しそうでした。翌日の朝食は机に弁当を広げて食べました。冷めていましたが、皆で食べると、温かく感じられ、美味しくいただきました。食後にいよいよ発表会が始まりました。どのゼミも内容が濃く、表現に工夫が感じられます。「凝っているな」と感心する一方で緊張が高まります。そして段ゼミの番が回ってきました。私は発表原稿を読む役目を務めましたので、かなり緊張していましたが、他のメンバーにも緊張が伝わります。それでも段先生にお願いする最後のサプライズもうまくゆき、成功裡に終えることができました。最優秀賞とまでは行かなかったけれど、票が思った以上に入りましたので、素直に喜べました。最初は期待外れだと思っていた山中の宿舎も、出るころには愛着心が芽生え、出発のときに名残惜しさも感じました。大学に帰る途中、篠山城に寄りました。てっきり天守閣がそびえているものと思っていましたので、跡地だけだと知って期待は外れました。しかし、篠山城からの風景は美しく、空気も水も、篠山名物の黒胡麻ソフトクリームもおいしかった。篠山城周辺の散策も終え、2時間ばかりで、再び山のない大都会に帰ってきました。家に帰ると、騒がしかった昨日の夜が嘘のように、部屋が静かです。「また皆でどこかに行きたい」と思える合宿でした。

「コミュニケーション力」を高めることができました
赤松彩愛(国際観光学部1回生・李貞順ゼミ)

コミュニケーション力。この1泊2日のオリエンテーションキャンプで私が得た大きな成果です。友達の輪を広げようとするとき、仲間と協力し団結するとき、意見がぶつかったとき、等々、さまざまな場面でコミュニケーション力が必要であることを学びました。ワークショップの課題は「夢(希望)と悩み(不安):課題発見と共有」でした。話し合いでは、みずから進んで意見を出しました。そうすることで、初めは黙っていた仲間たちも意見を出すようになります。何について話し合うのか。それを決めるだけで壁に突き当たりました。そこで助けて下さったのが李先生であり、チューターの先輩方です。「本当に身近な夢や悩みなどについて考えてみては」というアドバイスで多くの意見が出るようになりました。「人見知りや恥ずかしがり屋な性格を直したい」「うまく他の人とコミュニケーションを取りたい」といった性格面での悩みや、「授業についてゆくことができるのか」「単位が取れるのかどうか」「留学がしたいのだが、どうすれば」といった学習面での不安など、実にさまざまな意見が出てきました。そのような悩みや不安を乗り越えて、「どうしたら夢に近づけるのか」「そのための改善策は何か」といった発展的な内容が話し合われ、意見が集約されました。このような話し合いを通じて、自分と同意見であれば互いに共感しあい、また異なる意見であれば相手の意見を聞き、その違いについて議論をし、とても充実した話し合いができたと思います。
また、限られた時間内で意見を集約し発表資料を作成するために、ゼミを2つの班に分けて効率を図る工夫もしました。班の中で上手く意見がまとまらないときは、先生やチューターの先輩にアドバイスを求めて参考にしました。模造紙にまとめを書く人、発表の練習をする人など、手分けをして作業するうちに、互いに責任感をもち団結力が高まってゆくような気がしました。発表の原稿が仕上がったのは、夜の11時頃でした。真夜中までみんながロビーに集まり、報告会のリハーサルを続けました。一人ひとりが明日の意気込みを語り、チームが団結してゆきます。そのことが嬉しく、疲れを感じませんでした。翌朝も再び練習し、発表前には円陣を組んで本番に挑みました。結果は、目指していた優勝は逃したものの、団結力が強くなったことに満足しています。
 心に残る思い出は他にもあります。レクリエーション活動では、ゼミ対抗でジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームをして、勝敗を競い合いました。ゲームは思いのほか楽しく、ここでも仲間との親交が深まりました。その結果、なんと私たちのゼミは特別賞を獲得しました。あまりにも意外であったので、全員があっけにとられ、一瞬の沈黙の時間をおいて「やった!」と大きな声をあげて喜びました。翌日の午後は篠山城周辺を散策しました。自由行動でもよかったのですが、私たちのゼミはゼミ単位で行動しました。皆で「思い出に残る写真を撮ろう!」ということで、「THE・青春!」を感じるような写真を撮ったり、丹波名物の黒豆を使った黒豆アイスを食べながら歩いたり、とても楽しい思い出ができました。この1泊2日のオリエンテーションキャンプを通じて学んだことがたくさんあります。仲間と協力することの大切さを知り、困難のあとの達成感を味わいました。「コミュニケーション力」を身につける、という最大の目的も達成できました。楽しく充実したオリエンテーションキャンプでした。

「行ってよかった」と心から思います
高岸伊津美(国際観光学部1回生・榎戸敬介ゼミ)

オリエンテーションキャンプを通して、私は友達を増やし、グループでひとつのことを完成させた達成感を味わい、とても充実した経験をさせていただきました。正直に言うと、キャンプは楽しみにしていませんでした。「ほとんど話をしたことがない人たちと一緒に過ごして、はたして楽しいのだろうか」「ゼミのワークショップは成功するのだろうか」「仲良くなれるのだろうか」などと、さまざまな不安が先に立って、どうしても期待できなかったのです。しかし、活動が始まると、その不安はすぐに消えました。時間がたつにつれて、より一層楽しくなり、とても充実した2日間を過ごすことができました。
ゼミ別のワークショップは「夢(希望)と悩み(不安)」というテーマでプレゼンテーションをすることに決まりました。最初は何から話をしていいのかがわからず、私も仲間たちも黙ったまま座っていました。しかし、リーダー中心を中心として、ようやく話し合いを始め、チューターの先輩にもアドバイスをいただきながら進めてゆくうちに弾みがつき、「紙芝居をしよう」という積極的な結論が出ました。方法が決まれば、あとは迷わずに作業を進めます。みんなで一致団結し、楽しくひとりずつ紙芝居を作りました。グループワークが楽しくなっていったのは、この頃からです。
ひと段落ついたところで夕食の時間となり、食後は体育館でレクリエーションを楽しみました。レクリエーションの内容は「ジェスチャーゲーム」と「しっぽ取りゲーム」です。ジェスチャーゲームは恥ずかしがらずに身体で表現しなければなりません。とはいえ、緊張したのも最初だけ。始まると、そんなものはふきとび、思い切り楽しむことができました。このゲームで固さはほとんどなくなり、次のしっぽとりゲームでは思う存分楽しむことができました。とてもいいレクリエーションになったと思います。
レクリエーションが終わり、少しドッジボールをして絆をさらに深めたあと、ワークショップの準備を再開しました。しかし、そこで「ワークショップの発表の内容を少し変更するように」という先生の指導がありました。みんなは戸惑いましたが、すぐに「こうしたらいいのではないか」などと意見が出て、すぐに変更することができました。そして最後の仕上げをして、最終時間に間に合うように作業を終えました。
次の日、プレゼンテーションの直前になって発表の手順を変えることになったのですが、これにも対応して、発表を成功させました。票数は2票しか集まりませんでしたが、みんなで考えて発表を成功させたことに達成感を覚えました。このオリエンテーションキャンプで大きなものを得ました。グループで何かを完成させる達成感はいいものです。一人では考えられないようなことも、みんなで考えると、いい知恵が出てきます。また、話し合いや準備の作業を通じて絆を深めることができたことも収穫でした。最初は不安があったオリエンテーションキャンプでしたが、2日間を振り返ると、とても充実した時間を過ごせたキャンプでした。「行ってよかった」と心から思います。

夢を実現させようという思いが強くなりました
藤田理沙(国際観光学部1回生・榎戸敬介ゼミ)

今このたび1泊2日のオリエンテーションキャンプで丹波篠山に行きました。1日目の昼から夕方にかけて、ゼミ別のワークショップが行われました。題名は「夢(希望)と悩み(不安):課題の発見と共有」でした。大学入門ゼミの授業で少し話し合ったときは、まだゼミの全員が打ち解けていませんでしたので、あまり意見が出ず不安でしたが、こうして違った環境で話し合うと、徐々に仲良くなり、そのうち活発に意見が出てきました。みんなの夢はホテルスタッフ・テーマパークスタッフ・グランドスタッフ・公務員など、就職に関するものや、「お金持ちになりたい」「幸せになりたい」「国際結婚がしたい」等々、さまざまでした。そのような夢を持つ反面、「大学の勉強についてゆけるのか」「希望通りの就職できるのか」という悩みも抱えています。そこで、私たち榎戸ゼミは、私たちが夢をかなえて幸せになるためにするべきことを紙芝居でまとめました。その内容は、「とにかく勉強しよう」「自分の将来に必要な資格取得に力を入れよう」「留学を通じて語学力やコミュニケーション能力を磨こう」などでした。それらをまとめ、発表の練習をしてから夕食を食べました。この時には全員が仲良くなり、楽しさも倍増しました。食後はレクリエーションでジェスチャーゲームやしっぽとりゲームに興じました。賞はもらえなかったけれど、十分に楽しめました。
翌日の午前中に発表会が開催されました。みんなで話し合った内容をしっかりと発表できたことに達成感を覚えました。結果はわずか2票でしたが、頑張ったことに意義があります。午後は篠山周辺の散策を楽しみました。篠山は黒豆や牡丹鍋で知られることがわかりました。私はいろいろなところを旅するのが好きなので、篠山観光も楽しめました。みんなでアイスを食べたり、お土産を見たり、たくさんの写真を撮りました。授業では話しが弾まなかったゼミの人たちとも、もっと一緒にいたいと思える仲間になりました。これからの入門ゼミの授業が楽しみになりました。このオリエンテーションキャンプを通して、自分の将来や目標について考えることができました。将来の夢はホテルスタッフになることと決めていましたが、達成のためにしなければならない努力について考えたことがありませんでした。これからは留学を実現させて語学力やコミュニケーション能力を磨く一方で、TOEICやサービス接遇検定などの資格を取ることを目標にします。4年間の大学生活を充実させ、自分の希望する会社に就職し、幸せをつかむことを目標にします。もしこのキャンプがなければ、大学の4年間は履修した授業に出るだけの生活となり、就職について考え始めるのも遅くなっていたことでしょう。来年もこのような学部の行事があればと願います。先生方、実行委員の方々、本当にありがとうございました。

元気いっぱいの発表で最優秀賞を獲得しました
廣岡麻未(国際観光学部1回生・森重昌之ゼミ)

 5月10・11日に1泊2日のオリエンテーションキャンプに参加しました。大学入学後の初めての大きな行事ということもあり、みんなは楽しみにしているようでした。しかし、私はなかなかそのような気持ちになれませんでした。期待よりも不安が多かったからです。大学に入り、新しい友達や新しい環境など、すべてが新鮮で、充実した日々を送っていました。大学生活にも慣れ、自分と向き合う時間ができたことで、将来のことやこれからの生活について考えることが多くなっていました。ただ、考える時間が増えた分、「本当にこのままの大学生活を送っていいのか」「これから4年間自分が望むことを学べるのか」という悩みや不安が積もっていったのです。そうした気持ちを抱えたままオリエンテーションキャンプに臨みました。
 1日目、朝早く大学に集合し、バスに乗って兵庫県篠山市に向かいました。2時間半ほどの移動で、途中の赤松サービスエリアでは、有名と聞いていたコロッケを買いました。お菓子もたくさん買って、バスの中で友達と分け合って食べました。やがてバスも宿舎に到着し、諸々の注意事項を受けたのち、昼食をいただきました。昼食後、少し時間があったので、同じ部屋のメンバーでダンスをしたり、歌を歌ったり、賑やかで楽しい時間を過ごしました。その後、ガイダンスがあり、2日目にある発表会のために、ゼミごと分かれてワークショップを行いました。私のいる森重ゼミはAO入試で入学した学生たちが集まっていますので、積極的でとても明るく、入学前から知っている仲間も多いので、他のゼミに比べて元気があります。そのため、ワークショップでも皆が意見を出し合い、スムーズに話が進みました。「国際観光学部をよりよくするには」というテーマをもとに話し合った結果、学部ならではの取り組みをして南キャンパスを盛り上げたいと考え、「ジャパニーズプロム」という題の寸劇を企画し、話の構成などを組み立てていきました。そして、翌日の報告会に向け、ゼミのメンバーで考えた企画の発表練習を何度か行いました。夜には、ジェスチャーゲームとシッポ取りゲームのレクリエーションがありました。シッポ取りゲームではあまりにもハリキリ過ぎて捻挫をしてしまいました。残念ながら入賞することができず、痛い思いもしましたが、とても楽しく、ゼミのメンバー全員との距離もより近くなりました。こうして1日目は充実した気持ちで終えました。
 2日目、朝食後すぐに発表会が始まり、13のゼミがそれぞれの発表をしました。どのゼミもとてもしっかりと考えられていて、改めて大学生であることを実感しました。私たちの発表は「笑いあり」「真剣さあり」「また笑いあり」の寸劇で、元気さをアピールできました。その結果、他を引き離す得票で優勝することができました。午後には、篠山城跡に行き、周辺を散策しました。足を捻挫していたため、あまり歩き回ることができませんでしたが、篠山の緑豊かな美しい景色を楽しみました。また、チューターの先輩がゼミメンバー全員にソフトクリームをご馳走してくださり、短い持間でしたが楽しく過ごせました。そのままバスに乗って大学に戻り、1泊2日のオリエンテーションキャンプが終わりました。
 複雑な想いを持って参加したオリエンテーションキャンプでしたが、楽しさで抱いていた悩みが吹き飛び、目の前のことだけに集中できました。将来のことを考えるのは大事ですが、悩んだときには、今をどうやって過ごしていくかに集中して生きる。そういう生き方を教えてくれたような気がします。

「堂々の2位」と「まさかのビリ賞」
田上未采(国際観光学部1回生・中山惠利子ゼミ)

 5月10と11日に国際観光学部で篠山を訪れ、VIPアルパインローズ・ビレッジという宿泊施設にお世話になりました。篠山は私の地元の近くでもあり、久しぶりに行けることで、他の人たちとは違った嬉しさがありました。同じゼミの人とも今まで以上に仲良くなれるかも知れない、という期待が膨らみ、楽しみにしていました。篠山に近づくにつれ、空気がきれいになってゆくようで気持ちよく、これから素晴らしい環境で仲間たちと過ごす2日間に胸が躍りました。
 1日目はほとんどの時間をゼミ別のワークショップに費やしました。翌日の発表で優勝することを目指して頑張りました。私たち中山ゼミは、国際観光学部生の悩みの一つである「本キャンパスから南キャンパスへの移動の際に使う自転車のこと」について話し合い、「自転車のシェアリング」を提案しました。駐輪所に放置された自転車や4回生が使い終わった自転車を貰い受け、みんなで使う制度です。自転車のシェアリングをするための問題点とその解決策、条件などを真剣に話し合い、このまま実現化できると思われるところまで細かく取り組みました。例えば、会員登録の際には、新たに自転車を購入するより、かなり安価な登録費と年会費を払い、その中から修理費を出すメンテナンス制度を作ったり、「自転車を所定の場所に返却せずに放置する利用者」「壊したのに黙って返却する利用者」などに対する罰則規定を考えたり、半年に一度「クリーン・デイ(日頃の感謝をこめて自転車をきれいにする日)」を設け、参加者には翌年の年会費の割引券を配布する制度を考えたりしました。
 発表には聞いている人たちを引き付けるために劇も取り入れました。私はチャリーズ(放置自転車)の「チャリ1」役として劇に出ました。話し合いに多くの時間をかけたため、通しで練習する時間が少なくなり、そのため夜も集まって準備をし、納得のいくまで準備を整えました。翌日の発表では、さすがに緊張しましたが、自分たちの作ったものに自信があったので、堂々と発表することができました。結果は惜しくも2位でしたが、精いっぱい頑張ったので、ゼミのみんなで喜び合いました。1位を取った森重ゼミの発表は会場がすごく湧いていましたが、私たちの出番が次でしたので、外でスタンバイをしていて見逃しました。それが残念です。
 夜のレクリエーションでは、ジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームをして体育館中大騒ぎでした。一生懸命がんばったはずなのに、まさかの「ビリ賞」で、逆に清々して盛り上がりました。「優勝と同じく、ビリも狙っても取れるものではないよ」と、妙な褒められ方をしたのが印象的でした。ワークショップの発表会をもって宿舎での活動を終え、午後は篠山城周辺の散策をしました。篠山は以前にも来たことがあったので、懐かしく思えました。とはいえ、このたび立ち寄ったところは初めて訪れる場所であったため、新しい発見もありました。小さなお茶屋さんやお菓子屋さんをみつけたり、春日神社を参拝してみたり、観光気分で商店街を見て歩きました。散策は1時間と少しという短い時間でしたが、有意義に過ごせたのでよかったです。
 篠山で過ごしたこの2日間は、普段の大学生活とは違い、豊かな自然に囲まれ、時間がゆっくりと過ぎていくように感じられました。このキャンプで、ゼミのみんなやチューターの先輩たちと楽しい時間を過ごし、絆も深まり、いい思い出もできました。チューターの先輩方には心より感謝しています。私たちの発表がうまくいったのも、先輩たちがいて、アドバイスを下さったからです。逆に迷惑もかけました。申し訳ないという気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。このキャンプを終えて、皆で話し合い発表することの楽しさと達成感を味わえて、これからのゼミ活動や大学生活への期待がよりいっそう膨らみました。学んだことやここでの体験を活かして、今後は国際観光学部の一員として、さまざまな場面で頑張ります。

新入生の成長に感動しました
奥田輝人(国際観光学部3回生・清水ゼミチューター)

 毎年5月の行事となっている新入生オリエンテーションキャンプに清水ゼミのチューター兼学生委員として参加しました。宿舎は前年と同じく兵庫県篠山市のVIPアルパインローズ・ビレッジで、1泊2日でゼミ別のワークショップ、ゼミ対抗レクリエーション、篠山周辺散策といった活動を行うことも去年との同じです。事前の準備として清水先生の入門ゼミでは、当日のワークショップに向けて、授業中に二つのグループに分かれ、予習を行いました。当初、ゼミでの話し合いの様子を見ていると、初対面からくるぎこちなさもあって、話し合いが行き詰まり、オリエンテーションキャンプで果たしてどう展開するのかが見えてきませんでした。
 5月10日の朝8時半、南キャンパスのアッセンブリホールに新入生が集まり、ゼミごとに分かれてバスに乗り込みました。途中、赤松サービスエリアなどで休憩し、昼前には篠山の宿舎に到着しました。昼食をとり、その後、オリエンテーションキャンプのメインであるワークショップを開始しました。ワークショップでは、私たちチューターが出過ぎないようにしなければなりません。のど元まで出てきた意見をぐっとこらえて、新入生たちの話し合いを見守ります。新入生の大半はワークショップが初めてでしょうから、それだけに自分たちで話し合い、結論を出すことが大切です。同時に、新入生同士の話す機会を増やし、仲良くなるきっかけを作ることが目的です。私たちが主導しては、その目的から外れます。今回のテーマは「夢(希望)と悩み(不安):課題の発見と共有」です。新入生は二つのチームに分かれて、漠然とした大きなテーマに戸惑いながらも、楽しそうに話し合いました。ワークショップの時間が終わった後も、さらには夜遅くまで、翌日の発表方法についての話し合いや練習をしていました。その姿を側で見ていると、「絶対に入賞したい」という思いが伝わってきます。ついついチューターの私たちもが熱くなり、気がつけば新入生の中に入って意見を出していました。
 夕食後に行なわれたゼミ対抗のレクリエーションでは、「ジェスチャーゲーム」と「しっぽ取りゲーム」が催されました。どのゼミも新入生とチューターが団結し、優勝を目指すぞ、という勢いがあります。始まると大盛り上がりで、メンバーの団結がより強まってゆきます。清水ゼミは高得点をマークし、3位に入賞することができました。2日目は、朝食の後すぐに前日のワークショップの発表会になりました。清水ゼミは、くじで2番目になりました。早めの発表となり、緊張の様子もありましたが、前日の練習の成果を出し切ることができたようです。こちらも3位に入賞しました。レクリエーションとワークショップのいずれにも入賞できたゼミは初めてだそうです。チューターの私たちも胸を張れる気分です。宿舎での行事が終わると、オリエンテーションキャンプ最後の活動である篠山城跡周辺散策に移りました。こちらでは、グループ行動をとらず、自分たちで行きたい場所へ行くとことにしました。少しの時間でしたが、各自が思い思いに観光を楽しんでいました。このたびチューターとして経験したことは、今後のゼミ活動において十分に活かされると思います。自分自身、2年前にオリエンテーションキャンプにいき、ワークショップで当時のチューターの先輩にアドバイスをもらいながら考えたことを思い出しながら、国際観光学部に入ったころの初心を思い出しました。国際観光学部の強みは、先生・先輩・後輩の距離が近いことです。その特長を生み出すのがキャンプであることを、改めて実感しました。

後輩とともに成長できた2日間でした
外記優美(国際観光学部3回生・清水ゼミチューター)

 5月10日・11日の2日間、清水ゼミのSAとして新入生オリエンテーションキャンプのチューターを務めました。1昨年に自分が新入生として参加したときとは違い、リーダー兼サポーターの立場として役目を果たさなければなりません。少しの緊張と大きな期待をもってバスに乗り込みました。現地ではワークショップ、レクリエーション、篠山フィールドワークと、大きく3つの活動が行われます。ワークショップでは「夢(希望)、悩み(不安):問題の共有」というテーマが出され、話し合いから始められました。新入生は緊張しているのか、遠慮しているのか、なかなか発言する学生が出てきません。話し合いの進め方がわからないようで、ディスカッションが成り立ちません。私自身もどのようにサポートしていいのか、とても迷いました。具体的な進行案を出せば、新入生の自主性を損ないます。アドバイスをし過ぎず、彼ら自身で学んでゆくよう導かねばなりません。難しいものがあります。それでも、2年前の自分たちのワークショップでの方法を思い出し、ゼミでの経験などを活かしながら、少しずつ助言を出してゆくと、そのうち活発に新入生たちが話し合いを始め、意見を出し合い、最後には私たちが必要でない状態まで進みました。
  発表の準備では全員が一丸となり、互いに協力していました。ディスカッションは内容がしっかりしており、問題の背景や問題が起きる理由など、本当に細かい部分まできちんと話し合っていて、内容が濃く、説得力のあるものでした。真剣に発表の準備に取り組み、夜遅くまで頑張っている新入生を見ていると、涙が出そうになるほど感動します。夕飯は互いに全員が揃うのを待って始めました。昼食の時にはバラバラであったのが嘘のようです。レクリエーションのジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームでは、全員が声を掛け合い、絆が深まっていくのが目に見えるようでした。
 翌日の発表会では、どのゼミもすばらしい発表を披露してくれました。同じテーマでありながら、全く異なる内容が並びました。問題意識の持ち方や発表の方法など、ゼミの個性や特色が出ています。高い意識や表現力は先輩の私たちが見習わなければならないレベルでした。入学してからまだ1ヶ月あまりしか経っていないにもかかわらず、発表内容に学部への愛着が感じられます。南キャンパスをより快適にするイベント企画や改善要求が繰り出されます。全員が国際観光学部のホームグランドである南キャンパスのことを考えていることを、心から嬉しく思いました。これまで南キャンパスのよさを生かしてきた先輩や私たちと同じく、新入生も自らが学部の一員であることを誇りに思い、さまざまなことに積極的に取り組み、充実した4年間を送って欲しい。そう願います。
 このたびの丹波篠山での2日間は、チューターとして参加させてもらい、本当に勉強になることばかりでした。先輩として後輩を引っ張っていくことの難しさを知りました。責任を与えられることの重みも実感しました。後輩たちを導く技術も学びました。先生たちとは違った目線で後輩を導けたのではないかと自負しています。同じ学生であるからこそ、年齢が近いからこそ、わかりあえる気持ちや悩みがあり、その立場を生かすことができました。後輩たちの一生懸命頑張る姿を見て、残りの学生生活も頑張ろうという気持ちが湧いてきました。すばらしい経験をさせていただいたことに感謝します。

模範となる先輩をめざして頑張りました
森本貴仁(国際観光学部3回生・森重ゼミチューター)

 5月10と11日に行われた丹波篠山でのオリエンテーションキャンプに森重ゼミのチューターとして参加しました。今回の合宿は、1年生の時とは立場が違い、後輩を引っ張る役目を担いました。自分自身のことだけで精一杯の私は、人を引っ張る役割が得意ではありません。当日を迎えるまで不安に駆られていました。とはいえ、新入生が実りのあるキャンプをできるかどうかは、私たちの努力にもかかっています。「こういうことは苦手だから」という言い訳は、けっして声にして出せません。オリエンテーションキャンプは入学して間もない新入生が主役となる活動です。大学生活に慣れ、友達をつくる機会を提供し、ゼミ生どうしの絆を深めることが目的です。私たちチューターはその補助的な役割を担うとともに、先生と新入生との絆をつなぐ役目も持たされています。
 オリエンテーションキャンプの1日目は、朝からバスで篠山の宿泊施設まで行き、昼から夕食の時間までゼミ別のワークショップが行われます。夕食後には、体育館でゼミ対抗のレクリエーションが開催されます。2日目の午前中は、ワークショップで話し合った内容を全員の前で発表します。そして、午後からは篠山の町を散策して、帰路に着くというスケジュールでした。私がチューターを務めた森重ゼミのワークショップでは、いくつか出されたテーマのなかから「南キャンパスの改善」というテーマを選択し、議論をしました。話し合った内容は、翌日に発表し、順位を競うわけですから、みんなは元より真剣に取り組んでいます。単に「頑張ろう」という雰囲気が途中からは「最優秀賞を受賞したい」という意気込みに変わりました。気合が入ってきた証拠です。とはいえ、新入生にしてみれば、ワークショップは大学に入って初めての経験で、大勢の人前で発表する機会もこれまでそうなかったことでしょう。当初、不慣れな新入生たちはどうすればよいかわからず、意見もまとまりませんでした。戸惑っているように見えましたが、誰かの意見がみんなの賛同を得ると、勢いがつき、話が進みます。そのうちおのずと発表の構成を考える班とポスターをつくる班に分かれ、役割が分担されました。手際よく作業を進めていく姿は、これから3回生のゼミで活動していく私にとっても良い刺激となりました。
 普段は自分たちがワークショップをする側ですので、後輩たちが話し合っている姿を一歩引いたところから見守る体験は新鮮で、かつ難しいものがありました。話し合いが進まず、困っている時も、アドバイスの仕方に注意が必要です。口を出し過ぎることは、新入生の成長を阻害します。彼らが自分たちで考え、気づき、自分たちで発表の内容をつくり上げていくという過程が大切です。邪魔をしない程度の助言をするように心がけました。また、先輩の立場であるため、後輩に質問された時に答えられないようでは、信頼を失います。そのため常に気が抜けず、ほどよい緊張感をもって臨むことができました。学生だけでは解決できない壁に当たったときには、森重先生がみずから指導されます。助言の方法を横で聞いていると、すごく参考になります。
 夜のレクリエーションではサポート役となり、夜間は見回り役を務め、発表の時は投票者として発表を評価するなど、チューターの仕事は忙しく多様です。これまではイベントを楽しむ参加者であったのですが、このたびは運営者側に立たせてもらいました。そのため、以前には意識しなかったことに注意を払いました。後輩との接し方やアドバイスの方法を考え、先輩として手本になるような振る舞いを心がけるなど、あらゆる場面で注意が必要です。チューターとして私が特に心がけていたことは、できる限り新入生の行動を把握し、他人の迷惑となるような行動を控えさせることと、ゼミ単位の行動となるので積極的にゼミ生同士の交流をうながすことの2点でした。常にこの通りに自分が働けたかどうかわかりませんが、手応えは感じました。今後は先輩として後輩を引っ張る機会は増えることと思います。その時にこのたびの経験を活かし、「こんな先輩になりたい」と思ってもらえるよう努めます。

後輩の団結力に驚くばかりの2日間でした
上垣彩夏(国際観光学部3回生・森重ゼミチューター)

1限目の授業は9時から始まりますが、キャンプ当日はその一時間前から南キャンパスに集まり、学生委員やチューター、先生方が準備を始めていました。集合時間が近づくと、続々と新入生が集まってきます。私たちの顔を見ると、朝の眠気が吹っ飛ぶほどの元気な声で「おはようございます」と声をかけてくれます。予定通りの時間にバスが出発しました。すぐに寝てしまう人や隣の人と絶え間なくしゃべっている人、他のゼミ生とまで親しくなっている人など、新入生たちの行動や性格はさまざまでした。
 目的地の丹波篠山VIPアルパインローズ・ビレッジに到着すると、荷物をもったまま広いセミナー室に集まり、全体の説明を受けたあと、すぐさま昼食の時間となりました。食後は今回のメインイベントであるワークショップが始まりました。「まだ知り合ったばかりの新入生どうしでは難しくないか」「本当に時間までに終わるのだろうか」という不安は、正直に言って、大いに抱いていました。しかしながら、その不安はすぐさま解消しました。新入生たちはとにかく元気です。
 私は新入生が出す意見を壁に貼った模造紙に書いてゆく書記を務めましたが、意見が出過ぎて書くのが追きません。続いては、やたらたくさん出された意見をまとめ、テーマをひとつに絞ります。そして、問題を解決する策が提案され、解決策が実現することによって得られるメリットなどが、話し合われます。やがて意見がまとまり、発表の文章を考えるチーム、文章・絵・グラフなどを模造紙に表現するチーム、実演を考えて練習するチームに分かれ、それぞれが自分の役割を果たしてゆきます。準備は夕食が始まる17時半まで、というタイムスケジュールでしたが、そのころには大部分の作業が終わっており、あとは微調整と予行練習をするだけとなりました。他のゼミと比べてスムーズに作業が進みました。
 夕食後、楽しみにしていたレクリエーションが行われました。ジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームです。みんなで円陣を組み、どこのゼミにも負けない大きな声で優勝を誓います。ゼミの中には人見知りが生み出す壁は完全になくなりました。ゲームの結果は4位に終わりましたが、身体を動かす遊びを通して、より一層仲良くなったことはリクリエーションの効果です。企画してくれた学生委員会の皆さんに感謝しなければなりません。レクリエーションが終わってからは、発表の再確認をしましたが、それも30分ほどで終わり、それからは体育館で遊ぶ人、入浴する人、部屋でゆっくりする人と、銘々が自由に過ごしました。全員が入浴を終えたぐらいの時間になると、1階のロビーにゼミ生たちがおのずと集まり、森重先生を交えての雑談が始まりました。大学生活のこと、友人関係のこと、恋愛のことと、いろいろな話が出るうちに時間は過ぎ、消灯の時間となりました。時の経つのが早く感じられた初日でした。
 2日目の朝、いよいよワークショップの発表会が始まりました。私たちは12番目となりました。最後から2番目です。次々とクオリティの高い発表が行われるなか、ついに順番が回ってきました。さすがに元気な新入生たちも緊張の色を隠せません。見ている私までもが固くなりましたが、発表が始まると、それまでの緊張が嘘のように全員がはじけ、笑いと実演を交えながら、素晴らしい発表を見せてくれました。そして成績発表です。司会の来村先生から「森重ゼミ優勝」の声が出た瞬間、みんなは立ち上がって喜びました。
 午後の篠山見学の際、ソフトクリームを食べながら、ゼミ生たちに2日間のことを聞いてみました。「もう1週間ぐらいいたい」「本当に楽しかった」と、素直な感想を聞かせてくれました。こちらも同じ気持ちです。毎年行われているオリエンテーションキャンプの目的は、レクリエーションやワークショップを通じて、入門ゼミの学生どうしの絆を深めることはもちろん、ひとつの成果を出すことの喜びを感じてもらうことです。仲間と協力して発表をするには、それぞれが意見を出し、それをまとめ、他の人に伝える工夫をしなければなりません。大学生活で培っていくべきスキルです。合宿はその技術を磨くためへの第一歩であると、私は考えます。チューターとして果たすべき仕事を完璧にこなせたかどうかはわかりませんが、新入生が意識を大きく変えることに、少しでも貢献できたことは、その結果を見て明らかです。指導する立場で気づくことも多々ありました。実に有意義な体験をさせていただきました。

「ありがとう」は魔法の言葉です
守安理沙子(国際観光学部2回生・中山ゼミチューター)

昨年のオリエンテーションキャンプの時は1回生でしたので、先輩から多くのことを教えてもらい、その姿がとても大きく感じられたことを今でも覚えています。2回生となった今年は、入門ゼミでSA(スチューデントアシスタント)を務め、キャンプでは先生と後輩をつなぐチューターとして参加させていただきました。去年お世話になった先輩のように、私も後輩をサポートできるのか、的確なアドバイスをしてあげられるのか。不安を抱えながら当日を迎えました。行きの道中で中山先生ともう1人のチューターである4回生の西出実穂さんと打ち合わせをしました。「話し合いが行き詰った場合、新入生に考えをまとめてもらうためには、どのようにすればいいのか」などとあれこれと考えているうちに、あっという間に宿泊施設に到着しました。
昼食をはさんで、すぐにワークショップが始まりました。私たち中山ゼミの滑り出しは、どのゼミよりも順調でした。ところが、ひとつ話が進むと、しばらく話が滞り、ついには意見が出なくなってしまいます。ここがチューターの頑張りどころだと思い、西出さんと共に、いろいろな視点を示します。そうして助け舟を出すと、しだいに話が波に乗り、新たな意見がたくさん出てきました。初めは黙って聞いているゼミ生も、「どう思う?」と尋ねてあげると、自分の意見をしっかり話してくれます。そうして14人全員の考えを汲み取ることができました。予想以上の時間と精神力を使いましたが、みんなが満足のいく内容となりました。昼食ではまとまって座ることすら嫌がっていたゼミ生たちが、ワークショップ後の夕食では全員が揃うまで辛抱強く待ち、一斉に「いただきます」の声で食べ始めています。片付けまで協力しています。西出さんと顔を見合わせ、「絶対にいい発表になる」と心を一つにしました。
夕食後のレクリエーションでは、ゼミ対抗のジェスチャーゲームとしっぽ取りゲームを楽しみました。一生懸命頑張ったにもかかわらず、いただいたのは、なんと最下位の「ビリ賞」でした。先ほどまでの確信が少し揺らぎ、心配になったのは、今でこそ打ち明けられる話です。発表会のある2日目の朝を迎えました。発表する後輩たちよりも私たちのほうが緊張しているようです。ゼミ生たちが「いろいろとサポートして下さり、本当にありがとうございました」「頑張って発表します」と誓ってくれた時には、まだ始まってもいないのに、涙が出そうになりました。本番の発表は、前日の練習よりも断然よいものでした。ベストを尽くせたことは、ゼミ生たちの顔を見ても明らかです。あとは順位の発表を待つばかり。中山ゼミは2年連続で1位をとったのに、去年の私の代では3位に転落しました。「後輩たちには挽回してもらいたい」という気持ちもありました。結果は2位で、ゼミ生たちは大喜びでした。「やった」という達成感のあとで、「よかった」という安堵の気持ちがこみあげてきました。
 チューターとしてオリエンテーションキャンプに参加させていただいて、後輩を指導する立場の私が、逆に多くのことを学びました。同じくチューターを務めた先輩からはもちろん、後輩のみんなから教わることも多々ありました。人をまとめることは難しい。そのことを痛感しましたが、一生懸命伝えれば、必ずそれだけの喜びが得られることもわかりました。「ありがとう」は魔法の言葉だと、強く思いました。任務は本当に大変でしたし、疲れ切りましたが、後輩から「ありがとう」の言葉をもらった瞬間、疲れが一気に吹き飛びました。これからは「ありがとう」をたくさん言われる人になりたいですし、自分からも「ありがとう」の心を素直に伝えられるよう心がけます。

準備を整えてめざした満足のゆくリクリエーション
高橋香菜子(国際観光学部2回生・学生委員副委員長)

私は5月10日と11日に行われた新入生オリエンテーションキャンプに「学生委員」兼「吉兼ゼミチューター」として参加させて頂きました。今回のオリエンテーションキャンプで、初めてチューターの役目を担うことになり、学生委員としてオリエンテーションキャンプを運営することも初めてでしたので、不安と緊張でいっぱいでした。事前に行われた学生委員の会議で、1日目の夜に行うレクリエーションの企画を2回生が任されることとなりました。私は学生委員の2回生をまとめる立場ですが、どう話を進めていいのか分からず、戸惑うばかりでした。何よりもまず、どうすれば新入生たちが「楽しく」「怪我なく」「絆を深める」ことができるのか。その3つの目的を無理のないように達成するのは至難のことです。楽しさを求めすぎると事故の心配が出てきます。安全を考えすぎると、楽しさが半減します。楽しくなければ、後輩たちの絆を深めることもできません。深く考えると、そういう矛盾が見えてきます。
宿泊施設であるアルパインローズ・ビレッジには大きな体育館が併設されています。見取り図を見ながら、床の広さを測り、ゼミの人数を考慮し、ゲーム中の待ち時間が長くなり過ぎないよう配慮しなければなりません。さまざまなことを考えたうえで、「ジェスチャーゲーム」と「しっぽ取りゲーム」を行うことに決めました。先輩方にもたくさんのアドバイスを頂き、去年の合宿で自分たちが感じたことも踏まえ、何度も話し合い、悩み、みんなで一生懸命準備をしました。ジェスチャーゲームのボード作りやビニール紐を束ねてしっぽを作らねばなりません。それだけ用意をしても、本当に無事に終了し、喜んでもらえるのか。やってみなければわからないことが、あまりにも多く、不安は払えません。ところが、レクリエーションは大盛り上がりで、参加者の誰一人として白けている学生はいません。足を挫く学生が出たものの、大きな事故にもつながらず、成功しました。進行が滞る場面もあって、反省点もありますが、自分たちの企画が成功すると、本当に大きな達成感を味わえます。
たった1泊2日のオリエンテーションキャンプでしたが、運営する立場で参加すると、先生方、職員の方々、先輩方、その他大勢の方々にサポートしていただいて、はじめて行事が成立することを実感します。運営の大変さを知り、頼られる立場としての責任感も持ちました。「学生委員」兼「チューター」という、大変貴重な体験をさせていただき、心より感謝しております。

責任ある立場で成功へ導くことの価値を知りました
平山あかね(国際観光学部3回生・学生委員委員長)

4月に学生委員の委員長となって、初めての大きな行事でした。学生委員の代表として、ゼミのチューターとして参加しました。オリエンテーションキャンプへの参加は今年で3回目になります。一昨年は、新入生としてオリエンテーションキャンプを楽しみました。去年は松村ゼミのチューターと学生委員を兼ねて参加しました。そして、今年は学生委員のリーダーとして、全体の運営を取り仕切る立場で臨むことになりました。参加を楽しむだけの立場が、後輩を指導する立場に変わり、そして、合宿の成否に責任をもつ立場になったのです。「本当に私で大丈夫なのか」という不安に包まれる一方、「必ず成功させてみせる」という意気込みをもって準備を進めました。
私たちの任務は主にレクリエーションの運営です。そのため第一に行ったことは、徹底した話し合いでした。学生委員会の中で、今年の合宿に参加してくれるメンバーを集め、「レクリエーションの出し物を何にするか」「どう進めるか」を何度も話し合い、議論を重ねました。レクリエーションの内容やルール設定などは、毎年2回生が決めることになっています。私は2回生を指導する立場となりましたので、以前のようにただ突っ走るだけの行動は慎まねばなりません。後輩たちの希望を尊重し、できる限り彼らの希望に沿った運営ができるようにサポートするのが自分の役目だと決めました。どう自分が動いたら、2回生たちが動きやすいか、彼らの自由な発想を生かせるか、等々、考えることが委員長になって格段に増えました。解決策が出てこない場合は、学生委員のメンバーに相談をもちかけ、支えられながら準備を進めました。
不安も抱えながら、5月10日を迎えました。チューターとしての役割も果たさなければなりません。そうしているうちに時がたち、レクリエーションの開始時間が刻々と迫ってきました。開始前に学生委員のメンバーを集め、再度ミーティングを開きました。「レクリエーションにもう改善する点はないか」「事故の可能性があるとしたらどの点か」などをチェックしました。そして本番を迎えました。さきほど打ち合わせていたことを活かし、2回生たちが企画を順調に進めています。捻挫をする学生や手に擦り傷を負う学生もいましたが、大きな事故は発生せず、ふたつのゲームは無事に終了しました。新入生たちが「本当に楽しかったです」と、口々に興奮しながら語ってくれたことが、成功した証でした。
3回目の参加で私が学んだことは2つあります。ひとつは周囲の支援のありがたさ、もうひとつは責任を負うことの重みです。私はまだ、委員長としては言葉足らずで、なかなか思いが伝えられません。それを周りが察して補ってくれます。私の思いを理解して、賛同してくれる同輩や後輩たちの存在がどれだけありがたかったか。それに気づいたことが大きな収穫でした。支えなしでは成功はなかったでしょう。感謝の気持ちでいっぱいです。そして、もうひとつの収穫は責任の重さに気づいたことです。責任を負うことは重圧ですが、それだけに得られる経験は貴重です。2つの収穫を生かし、常に去年よりもいい結果を求めて、頑張ります。