村長や教育長、学長などに来訪者調査の中間成果を報告しました

 金剛山活性化プロジェクトでは、10月27日に実施した金剛山来訪者のカウント調査とアンケート調査の結果をまとめ、分析作業を行ってきました。11月28日(木)、千早赤阪村のくすのきホールで平成25年度「阪南大学と千早赤阪村との連携協議会」が開催され、調査結果の中間報告をする機会に恵まれました。連携協議会での報告に向けて、金剛山活性化プロジェクトのメンバーは連日遅くまで大学に残り、調査結果の分析や提案内容の検討、発表用パワーポイント資料の作成を行ってきました。
 当日の連携協議会は、千早赤阪村からは村長と副村長、教育長、理事の方々、本学からは学長、学部長、副学部長が出席し、参加した学生5名も緊張した面持ちでした。学生たちは、これまでの金剛山活性化プロジェクトの取り組みの経緯や来訪者調査の結果、結果から見えてきた課題、金剛山活性化に向けた提案などを報告しました。その後、連携協議会委員の方々との意見交換が行われ、さまざまな地域の情報を得たり、調査の継続に向けた新たな課題を発見したりできました。
 学生にとっては、自分たちが実施したことをまとめ、地域の人びとに成果を発表するということで、改めて調査の位置づけを確認する良い機会になりました。連携協議会で得た意見やアドバイスをもとに、さらに調査を続け、より良い成果を提案していきたいと思います。

※この学生教育研究活動は阪南大学学会より補助を受けています。
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当日の報告・意見交換の様子

参加学生のレポート

今後のプロジェクト活動に向けて刺激を受けた連携協議会
国際観光学部3年 水野 巧基(プロジェクトリーダー)

 11月28日に開催された阪南大学と千早赤阪村との連携協議会に参加しました。前回の金剛山でのアンケート調査の結果を踏まえて、データ報告と提案内容をプレゼン形式で発表しました。アンケート調査を終えてからあまり時間もなく、タイトなスケジュールとなりましたが、連日に渡ってメンバーでデータを分析し、提案内容を考えてプレゼンを作成し、自分たちの納得のいく発表をすることができました。
 また、データ分析をするうえで、実際に数字をみて金剛山の特徴を再認識しました。例えば、金剛山の登山者数の7割をリピーターが占めており、金剛山はリピーターによって支えられている山であることがわかりました。アンケート調査結果を分析する上で、今後の金剛山活性化に向けてターゲットを絞ることができたことが、今回の大きな成果です。データによると、リピーターの登山目的は「健康づくり」や「スタンプ集め」が多かったのに対して、初めての登山客の目的は「自然鑑賞」や「家族の親睦」が多く、リピーターと初めての登山者の目的に大きな違いがあることが明らかになりました。初めての登山客は自然鑑賞や家族の親睦の目的で来訪される方が多く、比較的「観光」目的に近いと考えられます。リピーターの方はジョギングやウォーキングなどのように、日課として登山や運動をすることを目的としているので、観光目的とはかけ離れているのではないかと感じました。
 また、自分に置き換えて考えてみると、お金を使う時は物を購入したり、食事をしたりするなど、いわゆる「観光」をしている時が多いのではないかと考えました。つまり、運動目的で登山するより観光目的で登山する方が比較的お金を使う機会やきっかけが多いといえるのではないかと考えます。このことから、リピーターの方がお金を使うしくみを考えるのではなくて、リピーターの方と協力して金剛山の付加価値を高め、魅力づくりを行うことで、観光目的で登山に来る方を増やすべきだといえます。
 さらに、金剛山に観光目的で来訪してもらうために、付加価値を高める方法として、以前からメンバーで考えていた提案内容についても、役場の方や国際観光学部の先生方からアドバイスや貴重なご意見をいただくことができたので、今後の活動に向けて活かしていきたいと思います。今回の発表準備を行うにあたって、実際に目で見てわかる特徴だけでなく、アンケート調査の結果を分析することで具体的な特徴を把握することができ、金剛山の活性化に向けた現状を把握することができました。今後はより提案内容を深めていきたいと思います。また、自分たちの考えている提案内容を発表させていただいたことで、考えを整理し、今後の提案内容の具体化に向けて貴重なアドバイスをいただくことができました。今回の金剛山活性化プロジェクトのように、アンケートによる現地調査を実施し、データを分析し、現状把握をして課題や特徴を理解し、提案内容を考えて発表をするという手法は観光まちづくりにおいて重要です。個人の研究活動にも参考にしていきたいと感じ、刺激を受け、貴重な経験をすることができました。連携協議会での発表の場を設けていただいた千早赤阪村役場の方々、貴重なアドバイスを下さった先生方や千早赤坂村職員の方々にこの場を借りて、御礼申し上げます。

私たちの意見で話が広がる楽しさ
国際観光学部3年 岡村 綾佳

 11月28日に阪南大学と千早赤阪村との連携協議会に参加しました。そこで、今年度から活動を始めている「金剛山周辺の地域活性化策(交流人口の増加)」の中間報告をさせていただきました。
 当日は、10月26・27日に行ったアンケート調査を行った結果と分析、そこから考えた提案について発表しました。提案の内容として、金剛山はリピーターの登山者が多いため、その方々に協力をしていただき、新規の登山者のガイドをしていただく「リピーターによる観光ガイド」、山の中でお酒を楽しんでいただくイベントをする「ビアマウンテン」、山の中でお茶を飲みながら落ち着ける場所を提供する「山カフェ」です。
 発表後、委員の方々が私達の発表の意見内容も含めて、話し合いが行われました。30〜40年前から自然が変わっていないことや、早朝登山者の中には糖尿病対策のために登られている方が多いこと、そして現在の取り組みとして、登山回数によってバッジを配布していることなど、その他にも調査だけではわからなかった金剛山の現状を聞くことが出来ました。その際、私たちが提案した内容にも意見、またそこから話を広げていただくことができ、たくさんのアイディアを話して下さいました。「リピーターによる観光ガイド」では、知識ごとにランクを分けて案内バッジをつけてもらう、子供の教育のために、有料で金剛山の自然について詳しいスペシャリストに解説してもらいながら、登山をするという意見がありました。また、お金を落としていただくことを考えると、リピーターの方に対する取り組みではなく、新規の方を重視してはどうかという私たちの意見に、“新規の登山者に目をつけるというのは、これから考えていく上で見つめ直す機会となった”というお言葉もいただきました。
 このような、地域に携わる連携協議会に参加させていただけるのは、数少ない貴重な機会でした。そのような場で発表ができたということ、また学生の発表内容について話を広げて下さったことに、とても喜びとやりがいを感じました。自分たちで調査を行い、分析し、発表するということが初めての経験だったので、発表をして分析の重要さを感じることができました。
 今回、連携協議会に参加させていただく機会を与えて下さった森重先生をはじめ、千早赤阪村の皆様に感謝いたします。そして、このように良い発表ができたのは、夜遅くまで大学に残り、分析資料の準備をともにしたメンバーのおかげだと思います。グループで活動をする楽しさも感じることができました。金剛山活性化のプロジェクトメンバーとともに、これからも積極的に励みたいと思っております。ありがとうございました。

学生の視点から見る金剛山の姿
国際観光学部2年 福崎 美帆

 11月28日に千早赤阪村と阪南大学との連携協議会に参加させていただきました。この協議会では、千早赤阪村と阪南大学をより深く結びつけるための取り組みについて、話し合われました。昨年度行われた取り組みの一例としては、阪南大学の留学生と千早赤阪村の小学生が交流して英語の実習を行ったり、国際観光学部の教授による歴史の講義が行われたりしました。
 今回、私たちが連携協議会に参加した理由は、金剛山で行ったアンケート調査の成果を発表するためです。今回の発表のために夜遅くまで大学に残って、データ分析や発表の内容について考えました。アンケート調査を実施する前は、金剛山の登山者はリピーターが多いため、お金を使ってくれるのはリピーター層ではないかと予想していました。しかし、アンケート調査後にデータを読み解くと、リピーターの方々はほとんどお金を使わないということが判明しました。金剛山でお金を使うのは新規の登山者ではないかという予測を立て、データとともに協議会で発表したところ、新たな視点だと評価してくださいました。
 千早赤阪村の方々から、金剛山に外国人を呼び込むにはどうしたらよいかと質問されたところ、樹氷や水が切り口になるのではないかとお答えしました。関西圏で樹氷を見ることができるのはとても珍しく、登山が好きな外国人には絶好のアピールポイントになるからです。また、金剛山にまつわる歴史は外国人にはなかなか理解してもらえず、苦戦しているとのお話も伺いました。金剛山の歴史を語る上で外せない楠木正成が、自分を犠牲にして主君を立てる生き方を理解してもらいにくいからだそうです。国内での観光需要を見つけ出すことが難しくなると、外国人誘致へと考えが飛んでしまいますが、日本人を相手につくる観光地と外国人を相手につくる観光地では、まったくアピールのポイントが異なることを学びました。
 私は、このような改まった場で成果を発表するということが初めての経験だったので、とても緊張していました。しかし、実際に自分たちが行ったデータの分析結果であることから、自信を持って発表することができました。今後は棒読み口調にならないように緩急をつけて話すなど、発表の練習にも取り組みたいと思います。今回のアンケート調査を通じて、金剛山という山の概要をつかむことができました。しかし、まだ調査が十分であるとはいえないため、今後も回数を重ねて調査と分析を行い、金剛山の魅力を外部に伝える提案ができるよう、最後までプロジェクトに関わりたいと思います。

千早赤阪村での発表を通じて感じたこと
国際観光学部2年 上垣 彩夏

 10月26、27日に行った金剛山活性化プロジェクトの現地アンケート調査の結果報告と提案を、千早赤阪村にて発表してきました。発表者は3回生2人と2回生3人、森重先生の計6人です。富田林駅まで近鉄線で向かうと、役場の方が迎えに来てくださっていました。役場に着き、さっそく協議会が始まりました。阪南大学と千早赤阪村の連携協定ということで、阪南大学の辰巳学長、国際観光学部学部長の松村先生、村長さんなど、トップの方がたくさんいらっしゃったので、私たちの緊張はその時点でピークに達していました。
 平成23年度の報告や来年度、再来年度の事業案などの報告を経て、私たちの発表が始まると、皆さんは熱心に耳を傾けてくださりました。できるだけ資料を読むのではなく、皆さんの顔を見ながら発表しようと練習していたのですが、やはり緊張のせいか何度か詰まってしまいました。しかし、皆さんの目を見て話せたことは、本当に良かったと思います。
 発表内容として、年代別、男女別、登山回数別、どこから来たのなど、またリピーターの方にはガイド参加の意思の有無やおすすめスポットなどをお聞きし、そのデータをまとめて発表しました。私たちが大学でのミーティングの際に話していた、金剛山でちょっとしたお茶やお菓子を楽しめる喫茶店である「山カフェ」、ビアマウンテンもアンケート調査で人気を集めたので、それらのデータも年代別や男女別に見て分析し、そのことも発表しました。1人はパワーポイントの操作を担当し、残りの4人で発表を行いましたが、やはり3回生の先輩は発表がとても上手で、まったく原稿を見ずにアドリブでわかりやすく説明していました。発表やプレゼンテーションをうまくこなすことは学生生活だけでなく、社会に出てからも必要不可欠となってくるので、これからこうしたスキルも学んでいこうと思いました。
 私たちの発表が終わってから、意見交換の時間が設けられていました。このプロジェクトは私たちだけで行っているわけではありません。村長さんや他の役員の方のお話や意見を直接聞くことで、気づくこともたくさんあります。また、松村先生のお話は本当に参考になりました。私は現地で行われたアンケート調査自体には参加できなかったので、今回の発表準備の際、他のメンバーに迷惑をかけてしまった面もありましたが、最後に役場の方に発表を褒めていただいて本当にうれしかったです。発表メンバーに加わってよかったと感じました。これから金剛山活性化プロジェクトを進行していくにあたって、もっと積極的に活動に加わって進めていこうと感じた日となりました。

金剛山活性化に向けて役立つ情報を聞くことができた
国際観光学部2年 山本 歩

 11月28日(木)、平成25年度阪南大学と千早赤坂村との連携協議会に参加させて頂きました。今回私がこの協議会に参加したのは、先月の10月27日(日)に金剛山プロジェクトで行った、金剛山の活性化に向けた来訪者へのアンケート調査の結果を報告するためです。協議会では、平成24年度事業報告、平成25年度事業計画の進捗状況、平成26年度事業計画(案)が協議されました。そして、「金剛山周辺の地域活性化策(交流人口増加)の中間報告」として、私たちは発表を行いました。私たちの発表後は、阪南大学と千早赤阪村との意見交換が実施され、両者の連携を深める協議会にふさわしい時間を過ごすことができました。
 連携協議会でアンケートの調査結果を発表するにあたって、まずは金剛山の活性化に向けた来訪者へのアンケート結果をまとめました。連携協議会に参加するメンバーだけではなく、金剛山プロジェクトのメンバー全員でアンケート結果に目を通しました。アンケートの質問は全部で11項目あり、選択肢だけではなく、記述式の回答欄もあります。金剛山プロジェクトメンバーで考えた金剛山活性化に向けた提案である、「ビアマウンテンの開催」、「山カフェの実施」、「リピーターによる観光ガイドの実施」も質問事項に加えました。中には、質問事項とは違った回答の仕方や、質問事項に図を描き説明してくださった来訪者の方もいらっしゃいました。アンケートから、各質問に対しグラフを作成し結果を出す方法、一つの質問事項に対し条件を取り入れ結果を出す方法の2パターンでアンケート結果をまとめました。アンケート結果を基に、金剛山プロジェクトのメンバーで分析を始めました。放課後の時間を利用し、時には21時までメンバーと一緒に分析をしていたこともありました。正しくアンケート結果を読み取り、分析をすることで来訪者のニーズに沿えることができます。分析を怠ると金剛山の来訪者の意見が台無しになるので、時間をかけて行いました。私たちはアンケート結果の分析だけでなく、アンケート調査を実施し気づいたことや、アンケート調査では把握できない来訪者の意見を取り入れ発表を行いました。ただ、アンケート調査だけを発表するより、千早赤坂村の役場の方に金剛山へのニーズをイメージしてもらいやすかったと思います。最後に行われた、阪南大学と千早赤坂村両者の意見交換会ではアンケート調査に対するアドバイスや、金剛山の特徴や、金剛山の来訪者の特徴など、インターネットやHPには掲載されていない情報をたくさん教えて頂きました。この情報を、今後の金剛山の活性化に生かしたいと思います。
 私たちが今活動している金剛山プロジェクトの活動を発表する場は、めったにないと思います。発表の他にも、千早赤坂村側の意見を直接聞けたことも良い経験でした。アンケート調査が終わり、集計し分析するまでの一連の作業をメンバーと行い、金剛山の活性化を実現するにはもう少し時間が必要だと感じました。今後、もう一度来訪者のアンケート調査を実施し、金剛山の活性化に向けて活動を進めて行く予定です。