日本女子プロサッカーリーグ・WEリーグの観戦者数の増加方策の検討

国際観光学部観光学科 數野 伊織

 私は現在、女子サッカーリーグ・WEリーグの観戦者数の増加方策の検討について研究しています。2025年3月30日に日本女子プロサッカーリーグ(以下「WEリーグ」)の現状を把握するため、兵庫県神戸市のノエビアスタジアム神戸で開催されたINAC神戸レオネッサ対三菱重工浦和レッズレディースの試合を初めて観戦しました。
 そもそもWEリーグとは、2021年秋から開始された日本初の女子プロサッカーリーグで、当初は11チームからスタートし、現在は12チームが所属しています。WEリーグが女子サッカーのプロリーグであるのに対し、なでしこリーグが女子サッカーのアマチュアトップリーグとして位置付けられています。
 私がWEリーグを知ったきっかけは、Instagramの投稿からでした。当初は、関心が薄かったもののある選手のプレー動画を見て「この選手の活躍を生で観たい」と思い、観戦をしました。
 実際の試合は、Jリーグに比べると展開がゆるやかで、サッカー観戦の初心者でも気軽に見ることができ、彼女たちの魅力が詰まった素晴らしい内容でした。
 しかし、試合はとても良かったものの、観客の少なさに驚きました。その日の観戦者数は、3,282人でした。一般の方だったり、WEリーグに関わっている方だったりが約3,000以上の人が観戦していたと聞くと普通だと思うかもしれませんが、私は、もっと多くの人が観戦しても良いのではないかと思いました。
 そこで、WEリーグの観戦者数の推移を知るために、平均入場者数、累計入場者数、最高入場者数、最低入場者数のデータをWEリーグが始まった2021-22シーズンから集めてみました。その結果、入場者数はWEリーグ全体とクラブ単体で見ると年々入場者数は増加しているものの、横ばいになっていることが分かりました。
 また、トップチームがJリーグであるチームとそうでないチームを比較したときに、あまり関係はないこともデータから読み取ることができました。
 2024-25シーズン終盤には国立競技場で初めてのWEリーグの大宮アルディージャVESTUS対ジェフ千葉レディース、J2のRB大宮アルディージャ対ジェフユナイテッド千葉の男女の同日開催が行われ、WEリーグ最多の39,858人が訪れました。
 私は、共同開催はするべきではないと考えています。特に人気トップチーム(サンフレッチェ広島、浦和レッズなど)の試合だと観客数が多く訪れるメリットはあるが、トップチームを持たないクラブ(INAC神戸レオネッサ、ノジマステラ神奈川相模原など)の試合には観客数が訪れない可能性があります。
 WEリーグの課題は多くあります。その課題を見つけ解決していくことで、リーグの発展があるのではないかと考えます。
 私も微力ながらその課題を解決する一員になれればと思っています。