古くから都がおかれた関西地方には、世界に誇るさまざまな観光資源があります。その一つが古墳です。大阪府にある百舌鳥古市古墳群は、2019年にユネスコ世界文化遺産に指定されました。これら古墳群は、当時の天皇・豪族の権力や、人々の生活に思いを馳せる格好な観光資源です。しかし、古墳の多くが住宅地の中に埋もれてしまっており、かつ広範囲に散らばっているため、観光資源としての開発が進んでいません。いっぽう、新型コロナウイルス感染症の蔓延もあって、近年は自転車など公共交通に依存しない観光形態が普及しています。マイクロツーリズムやSNSでの情報発信・共有など、近年ならではの観光のあり方も、古墳群を観光資源とすることの追い風になっています。
 国際観光学部の堀内が担当する観光実習1(国内)では、百舌鳥古市古墳群の観光資源としての価値を発見するため、現地での調査を実施しています。まずは第一回目の調査を2021年7月3日におこないました。当初は自転車で古市古墳群と百舌鳥古墳群の両方の調査をする予定だったのですが、天気予報では雨とのことでしたので、古市古墳群を徒歩で回りました。訪れたのは、応神天皇陵古墳→仲姫命陵古墳→仲哀天皇陵古墳→墓山古墳→白鳥陵古墳(日本武尊陵)です。結局雨は降らず、ジメジメした天候の中での調査は大変でしたが、歩いてでしかわからない、古墳群および周辺の様子がよくわかりました。
 後日改めて、百舌鳥古墳群の調査、百舌鳥古墳群—古市古墳群の往復路調査、そして学会などでの発表をしていく予定です。