2018.2.26

国際観光学部学生広報誌「ラ・れっとる 53号」故郷の沖縄を知るための台湾旅行

ふるさとを知る旅に出る

 自分が生まれ育った町のことを聞かれたとき、知っているようで、意外と知らなかった。という経験はありませんか。故郷の歴史や文化、地理や特産物などを調べてみると、意外なよさがわかり、前よりも、もっと故郷が好きになるかも知れません。そうなれば、幸せですね。そこで今回は、沖縄を故郷とする国際観光学部3回生の大盛秀則(おおもり ひでのり)さんにお話しをうかがいました。大盛先輩は研究を通じて沖縄と台湾に深い関わりがあったことに気づき、その関係を示す資料を探す目的も兼ねて、台湾を回って来られました。その成果はいかに。台湾の魅力も大いに語っていただきましょう。(春本莉花)



※この広報活動は、阪南大学給付奨学金制度によって運営しています。

沖縄と台湾の意外な関わり

春本:インタビューに応じていただき、ありがとうございます。
大盛:こちらこそ、ありがとう。
春本:失礼ですが、「大盛」という苗字は、珍しいですよね。
大盛:大丈夫です。よく言われます。でも、この苗字をもつ人は、沖縄では、結構いるんですよ。
春本:そうなんですか。ちなみに、沖縄はどちらのご出身なのですか?
大盛:石垣島です。
春本:台湾のことを始められたのは、以前から何か台湾に興味があったとか?
大盛:中学生のとき、兄の友達の母親が台湾の方だったんです。そのお母さんから何度か中国語を教えてもらえました。
春本:なるほど、そういう経験が。
大盛:その方の影響なのかどうかわかりませんが、兄は今、中華料理屋を経営しています。
春本:そうなんですね。他にも?
大盛:そういえば、昨年、従妹が台湾の男性と結婚しましたね。
春本:それは、おめでとうございます。台湾との関わりが、たっぷりとあるじゃないですか。
大盛:確かに。(笑)
春本:申し訳ございませんが、沖縄にはまだ一度も行ったことがないのです。やはり、評判通りの観光地なのですか。
大盛:ぜひ、来てください。美しい自然だけでなく、沖縄独特の音楽や文化も魅力的ですよ。
春本:そうなんですね。ところで、沖縄と台湾が深い関わりをもつことを調べようとしたきっかけは?
大盛:ゼミで指導をしていただいている段家誠先生が、沖縄についてよく取り上げて下さいまして、そのことがきっかけで故郷の沖縄を調べてみようと思ったのがきっかけです。読んでいた資料の中に台湾と沖縄の関係を見つけたのです。
春本:なるほど。
大盛:段先生は台湾を研究されていますので、台湾のことをよくお聞きします。そこで台湾と沖縄が深く関わることを知りました。
春本:沖縄と台湾の関わりとは?
大盛:1930年頃に沖縄の八重山諸島に台湾の人々がパインをもたらしました。そして、戦後に八重山で栽培されたパインがよく売れるようになるのです。
春本:パインブームが起こったということですね。
大盛:当時は八重山の経済をパインが支えていたのです。
春本:そんな時代があったのですね。
大盛:はい。一方で、パインがもたらされた当時は、台湾の人と地元の人との間で対立があったとか。
春本:決して友好な入植ではなかったと。
大盛:今はざっくりとしたことしかわかりませんが、そういった歴史を認識して、台湾と八重山の、過去の、そしてこれからの交流のあり方を考えていきたい。
春本:すごく興味を引かれますね。
大盛:今はまだ歴史を学ぶだけで精一杯。これから深く研究してゆきます。
春本:頑張ってください。

資料とおいしさを求めて台湾へ

春本:研究も兼ねて初めての台湾に行かれたのですね。そのときのエピソードをお聞かせ下さい。
大盛:はい。
春本:台湾は、初めての海外旅行ですか。
大盛:いえいえ、それまでにタイ・カンボジア・ベトナム・韓国・ニューカレドニアなどに行っています。
春本:けっこう海外に出られていますね。その大盛さんが台湾旅行に出かける前に、どういう期待を?
大盛:「探している資料や人に会うぞ」っていう感じですかね。おいしいものが食べたい、という気持ちも。
春本:なるほど。では、どういった日程で?
大盛:期間は9月20日から25日までの5日間。台北空港からそのまま台北市に入り、台湾南部の嘉義市や台南市、北部の新北市の九分や十分を回り、台北市に戻って台湾大学図書館や中世記念堂、台北101や誠品書店などを見て帰国しました。
春本:どこで情報を集められたのですか。
大盛:嘉義市や台南市で、台湾のことをよく知る方にお会いしました。段先生から紹介されたのです。最終日には、台湾大学の図書館で資料を探しに行きました。
春本:お目当ての情報は手に入りましたか。
大盛:お一人だけ、お会いできなかった方がいましたが、資料はばっちり入手できました。
春本:今後の研究に活かせますね。
大盛:はい。

刺激と感動のあふれる夜市

春本:台湾には私も2度行ったことがあるのですが、不思議と懐かしさを感じますね。
大盛:とくに台南市は昔ながらの雰囲気が残っていますよね。一度行ったカンボジアの街並みを、少し都会にしたような。
春本:沖縄と比べて、どうですか。
大盛:台湾の方が繁華で「ジャングル」っぽい。都会の賑わいを感じます。
春本:なるほど。食べ物はどうでしたか。お口に合いましたか。
大盛:夕食は夜市で済ませていたのですが、必ずあるのが、チョウトウフ(臭豆腐)。あれはインパクトが強すぎますね。
春本:私は大好きですが。大盛さんはダメだったのですか。
大盛:もういいかなといった感じです。あの匂いが…(笑)
春本:他の食べ物は?
大盛:シャオロンパオ(小籠包)はおいしかった。ミルクティーもおいしく、いくらでも飲める。あっ、そうそう、夜市と言えば、台湾の人のよさを感じるエピソードがありました。
春本:それは興味深い。
大盛:店頭にある商品が欲しくて、店員さんに「在庫があるか」と聞いたんです。そうしたら、店員さんが急に「ちょっと待って、ちょっと待って」と言い残し、走ってどこか行ってしまった。
春本:どうしたのでしょう。
大盛:5分後くらい経ちましたか、店員さんがゼイゼイと肩で息をしながら戻ってきました。聞けば、わざわざ責任者のいるところまで走ってゆき、店頭の商品を売ることの許可を取りにいってくれたのです。あれには感動しましたね。
春本:すごくいい話。台湾ならではのエピソードですね。
大盛:おまけにその店員さん、地元の友達にすっごく似ていたのです。像が重なりましたね。
春本:大盛さんの話を伺っていると、また台湾に行きたくなってきました。
大盛:私も。

インタビュー後記

 日ごろからゼミでお世話になっている大盛先輩。経験豊富で、いろいろなエピソードや考えを持っていらっしゃる。そんな先輩が台湾に行かれたと聞き、「これは面白い話が聞けそうだ」と思い、インタビューをお願いしました。沖縄と台湾の関係についても、旅のエピソードについても、取材をされた先生方の話についても、もっとお聞きして記事に盛り込みたかった。あとでそう思ってしまうほど、活気溢れるインタビューでした。そんな大盛先輩も、次は4回生ですので、資格試験や就職活動に追われることでしょう。「それでも研究をしっかりと進める」という力強い言葉。大変でしょうが、頑張ってください。(春本莉花)