2023.3.28

経営情報学部学生広報誌「じぇむ」no.52  警察官採用試験に合格した佐々木淳志さん

文:馬場かれん 撮影:松田珠実
 
 今回は4回生で、警察官採用試験に合格された佐々木淳志さんにインタビューさせていただきました。

1回生から公務員試験対策講座を受講

——:まずは合格おめでとうございます。
佐々木:ありがとうございます。
——:いつから警察官を目指されたのですか?
佐々木:高校3年生の時ですね。
——: 警察官を目指された理由を教えてください。
佐々木:もともと車やバイクが好きで、整備士になるための学校に通おうか迷っていたのですが、車やバイクに触るのに資格はいらないかなと思い、警察官を目指そうと思いました。警察官だったらパトカーや白バイに乗れますし、ずっとしていた剣道も続けられると思ったのもあります。
——: 志望されている警察の部署を教えてください。
佐々木:交通部です。
——:交通部の主な仕事はなんですか?
佐々木:一番分かりやすいことで言えば白バイですね。スピード違反している車を取締ったりする仕事です。
——:就活の際、民間企業も受けられましたか?
佐々木:民間企業は受けず、警察官に絞りました。
——:公務員しか受けられなかった理由を教えてください。
佐々木:民間企業と並行して受けるのは大変だという印象があって、それに時間を使うなら公務員試験の勉強を優先した方がいいと思ったからです。
——:就活をする上で民間企業と公務員の違いは何ですか?
佐々木:公務員試験では幅広い分野から出題される教養試験があるところが違いかなと思います。
——:次に公務員試験対策についてお尋ねします。
阪南大学の公務員試験対策講座は受講されていましたか?
佐々木:はい、受講していました。
——:何回生から受講されていましたか?
佐々木:1回生から受講していました。
——:阪南大学の公務員試験対策講座は基礎力養成コース市役所・消防・警察コースと分かれていますが、違いは何ですか?
佐々木:基礎力養成コースは1~2回生対象で、市役所・消防・警察コースは3回生対象のコースという点です。
——:基礎力養成コースを1回生から受講しようと思った理由を教えてください。
佐々木:公務員試験の内容や難易度が全く分からなかったので少しでも早く勉強をスタートさせた方が良いと思ったからです。
——:教養試験の試験科目を教えてください。
佐々木:社会科学、人文科学、自然科学、文章理解、数的処理があります。
——:教養試験の中で得意科目はありましたか? 
佐々木:すごくできるっていう科目はないんですけど(笑)、数的処理は問題数も多いので一番勉強していました。
——:問題数は事前に知ることができるのですか?
佐々木:募集要項にそれぞれの問題数が記載されているので、それを目安に勉強していました。
——:逆に苦手な科目はありましたか?
佐々木:英語と理科科目は苦手でした。
——:苦手な科目はどのように対策されましたか?
佐々木:対策はしなかったですね(笑)。
——:そうだったんですか(笑)!?それはなぜですか?
佐々木:出題範囲が多いのと、英語は出ても2~3問程度だったので、そこに時間をかけるよりかは別の科目を勉強した方がいいと思いました。
——:なるほど、時には捨てることも大切なのですね。
面接はどのような対策をされましたか?
佐々木:まず自己分析からやってみて、ある程度形が固まってきたら講座の先生に何回も練習してもらっていました。また個人的に資格講座カウンターでお願いして見てもらっていました。
ライター注:資格講座カウンター・公務員相談カウンターは1号館2階、図書館入口左側にあります。
 ——:公務員試験対策講座を3年間受講している中で、モチベーションはどのように保っていましたか?
佐々木:民間企業は受けず公務員一本に絞っていたので、後がないと思いこんで勉強していました。あとは就職後買いたいものを考えていたりですかね(笑)。
——:それはいいモチベーションになりそうですね(笑)。
公務員試験対策講座を受講して良かった点を教えてください。
佐々木:一から教えてくれるのが良かったと思いました。

小論文でゼミレポートの内容が出たので、「きたー!」と(笑)

——:次に公務員試験についてお尋ねします。
警察官採用試験の流れを教えてください。 
佐々木:一次に筆記試験と小論文試験があり、二次に体力試験と面接、集団討論がありました。一次で受けた小論文試験は二次試験と一緒に採点されます。
——:では一次試験の合否は筆記試験のみで決まるということですか?
佐々木:はい、そういうことになります。
——:警察官採用試験はいくつ受けましたか?
佐々木:静岡県と大阪府の2つです。一次は2つとも合格しましたが大阪は2次で不合格でした。
——:民間企業は多くの企業を受ける人がほとんどだと思いますが、2つしか受けていないのはなぜですか?
佐々木:そもそも試験の日程が重なっている県が多いことと、自分の受けたい県以外に行く気はあまりなかったことが理由です。
——:静岡県を志望した理由を教えてください。
佐々木:僕自身小学生まで静岡県に住んでいたのもありますし、静岡県警の説明会に行ったときも、警察官の方が親身になって聞いてくださったのが良かったので志望しました。
——:説明会ではどのようなことを教えてくださるのですか?
佐々木:問題の傾向など募集要項の内容をより詳しく教えてくれるといった感じです。
——:一次試験はいつ頃行われましたか?
佐々木:5月上旬ごろでした。
——:小論文対策はどのようなことをされましたか?
佐々木:その場で内容を考えて書くことがすごく苦手だったので、あらかじめ県警が力を入れていることや全国の警察で問題になっていることなどを調べたりして、7つくらい小論文を作って覚えていました。
——:それは大変ですね…!
小論文試験ではどのような問題が出題されましたか?
佐々木:静岡県は「交通事故を減らすにはどのような取り組みが必要か」、大阪府は「正しい警察官になるには」といった内容だったと思います。
——:対策の効果はありましたか?
佐々木:静岡県警の小論文の問題が、3回生のときゼミの夏休みレポートで書いた内容と一致していたので、「きたー!」と思いました(笑)。
——:本当ですね!
続いて二次試験について質問します。面接ではどのような質問をされましたか?
佐々木:静岡では「なぜ静岡県警を志望しているのか」ということを詳しく聞かれました。それから、『もし、警察学校に入ってから友達とかに「何かネタをして」、と言われたらどうする?』と聞かれました。
——:どう答えたんですか?
佐々木:『「大阪人が全部面白いと思うなよ!」って言います。』と答えました。
——:(笑)
面接受けるにあたって緊張はされましたか?
佐々木:しました。
——:どのように対策されましたか?
佐々木:面接のときは待ち時間が長いので、小説などを持ち込んであまり考えすぎないようにしていました。
——:体力試験はどのようなことを試験されるのですか?
佐々木:腕立て伏せ、上体起こし、反復横跳び、握力、立ち幅跳びです。静岡県警の体力試験は他の県より点数配分が高くて、そこで他の受験者と差を出そうと思っていました。なので腹筋は誰よりも多くやったと思います(笑)。
——:やればやるほど点数が高くなるのですか?
佐々木:大阪府警の試験では回数の上限が決まっていたのですが、静岡県警はやればやるだけ点数が伸びるのでたくさんやりました。
——:体力試験に向けて対策したことを教えてください。
佐々木:反復横跳びがすごく苦手なので、それを重点的に練習しました。また家で腹筋や腕立てなどをしていました。
——:警察官を目指すようになって、普段の生活や運転するときに心掛けていることはなんですか?
佐々木:当たり前なんですけど、警察に捕まらないように運転することですかね(笑)。
——:試験合格に向けて普段の生活で心掛けていたことはありますか?
佐々木:とにかく勉強することを第一に考えていました。なのでそのときは友達ともあまり遊ばなかったです。

パソコンがより使えるようになり、経営の勉強を通して分析する力がついた

 ——:次に佐々木さん自身についてお尋ねします。
出身高校を教えてください。
佐々木:精華高等学校です。
——:高校ではどのようなことに力をいれていましたか?
佐々木:剣道部です。
——: 大学の入試区分を教えてください。
佐々木:指定校推薦です。
——:阪南大学を志願された理由を教えてください。
佐々木:公務員試験対策講座があるということと、大学の剣道部の監督ともともと知り合いだったことです。
——:経営情報学部を志願された理由を教えてください。 
佐々木:高校ではi-Techコース(専門的な情報技術や知識を学べるコース)に所属していてある程度パソコンの知識があったので、その分野が活かせる経営情報学部を志願しました。
——:部活動などは所属されていますか?
佐々木:剣道部です。
——:部活動での役職を教えてください。
佐々木:主務と主将を務めていました。
——:コロナ禍で思うように活動ができない期間がありましたが、練習や部の運営などで気を配ったことや工夫したことはありますか?
佐々木:練習自体が制限されてしまっていたので、前の主将から引き継ぎがうまくできないままご卒業されてしまい、手探りな状態でした。ただ最低限のことはしようと思って、高校ではまだ練習できていたので高校で練習させてもらっていました。
——:大学で履修してよかったと思う科目はなんですか?
佐々木:「日本国憲法」です。公務員試験の教養試験に出てくるようなところがこの授業でも触れられていたので、試験を受けるにあたって履修していてよかったと思いました。
——:所属ゼミを教えてください。
佐々木:濱ゼミです。
——:濱ゼミを選んだ理由を教えてください。
佐々木:レゴでロボットを作るのが面白そうだと思ったことと、僕自身文章を書くのが苦手だったので、ビジネスライティングも学べるというところに魅力を感じました。
——: 卒論のテーマを教えてください。
佐々木:「静岡県の交通事故の現状と対策」です。
——:このテーマにしようと思った理由と内容を教えてください。
佐々木:3回生の頃から交通事故について調べていたことと、静岡県は交通事故件数が多い県で、僕自身も来年から静岡県警に勤めるということもありこのテーマにしました。内容としてはなぜ事故が多いか、どれくらい事故件数が減少しているかなどを県警のデータに基づいて分析しました。
——: 阪南大学や経営情報学部に入学してよかったことを教えてください。
佐々木:パソコンがより使えるようになったことと、経営の勉強を通して分析する力がついたことがよかったと思いました。
——:これからの目標を教えてください。
佐々木:静岡県で交通事故を減らして、車やバイク業界に交通安全の面から貢献したいです。
——:公務員・警察官を目指している後輩に一言お願いします。
佐々木:合格するぞという気持ちはもちろん大切ですが、気を張りすぎないように自分のペースで頑張ってほしいです。

取材を終えて

 この度は取材に応じてくださりありがとうございました。ご自身の目指すものにひたむきに努力されていることが伝わり、それがいかに大変かということを考えさせられました。警察官になられて、静岡県だけでなく、佐々木さんもより良い生活が送られるよう願っております。
馬場 かれん


 警察官採用試験合格おめでとうございます。
 公務員を目指している方が身近にいなかったので、貴重なお話を聞けてとても勉強になりました。私は就活が始まっており佐々木さんのようにやりたいことのために勉強と努力を重ねていこうと感じました。お忙しい中お時間頂きありがとうございました。

松田 珠実

ゼミ指導教員コメント

 佐々木君のことは剣道部の監督さんから受験時から聞いていましたが、佐々木君は入学前オリエンテーションの時に自分から私に挨拶しに来てくれましたね。コロナ禍の困難な中で、剣道部の主務・主将としての仕事はとても大変だったと思います。また部活に大幅な制限がある中でも、自主練・自主トレを怠らなかった姿勢も立派です。
 記事にある3回生の時の夏休みゼミレポートは、手法としてデータ分析を行うこと以外はゼミ生各自に自由にテーマを設定して貰っています.佐々木君が早くから交通安全に強い関心を持っていたことが採用試験にも生きたのだと思います。
 卒論では、本田宗一郎氏の「高校生から教育の名のもとにバイクを取り上げるのではなく、バイクに乗る際のルールや危険性を十分に教えていくのが学校教育」との言葉を引いて、交通事故を減らすためには単に取り締まりだけでは不十分として、安全教育の重要性を指摘しており、佐々木君の交通安全に対する理解の深さが覗えました。
 立派な警察官になられること、そして剣士として成長されることを期待しています。
濱道生(剣道部顧問・学生広報委員会担当教員)
経営情報学部学生広報委員会では、「じぇむ」の記事を書いていただける方・撮影をしていただける方を募集しています。興味のある方は担当教員(濱、中條)か、教務課までお問い合わせください。