有名大学と競い、ビジネスプランコンテストで見事入賞した田原優月葉さん。
保育士の負担と園児の安全を同時に解決する革新的サービスを仲間と創り上げた背景には、「まずタスクを定め、必要な情報を徹底的に集める」という実践的な姿勢がありました。試行錯誤の中でリーダーシップを磨き、他者の視点を取り入れる重要性も体得。挑戦が未来を切り拓く力へと変わっていく・・・。

文:学生広報委員会 撮影:松本淳志
 

今回は、2025年度にビジネスプランコンテストで入賞された、経営情報学部3回生の田原優月葉(たはらゆづは)さんにインタビューさせていただきました。田原さんは学生広報委員会の委員長でもあります。

有名大学と並んでの入賞

------: ビジネスプランコンテストでのご入賞おめでとうございます。
田原: ありがとうございます。
------: 最初に、どのような賞を受賞されたのですか?
田原: 2つ受賞したんですけど、一つ目が「テクノ愛」っていうコンテストです。「健闘賞」を貰いました。このコンテストでは、プランの内容をA4用紙1枚にまとめて、それを審査してもらいます。もう一つが「学生ビジネスプランコンテスト」で、これも書類審査で判定します。こちらは、「努力賞」を貰いました。この「学生ビジネスプランコンテスト」は、結構規模が大きいと思います。
------: 二つも受賞されたのはすごいですね。競合校として、どんな大学が応募してたんですか?
田原: 神戸大学、早稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学などです。
------: なるほど。それら有名大学と競い合っての受賞なのですね。すごいです。

情報を学ぶために阪南大学へ

------: そこに辿り着くまでの背景としまして、阪南大学にはどの入試区分で合格されましたか?
田原: 指定校入試です。
------: 阪南大学経営情報学部を選んだ理由は何ですか?
田原: 高校の時に、大学に進学するなら情報系に行きたいなと思っていて、情報系の指定校でどこかないかなってなった時に、候補に挙がったのが阪南で、それで阪南大学を選びました
------: どういうところが魅力的だと思いましたか?
田原: オープンキャンパスに参加した時、情報系のゼミでいろんな発表があったんで、それを見て自分でもそういうのに取り組んでみたいと思いました。
------: 何が一番面白かったですか?
田原: 花川ゼミのメタバースがすごく目を引いて、あとプロジェクションマッピングとかも、すごく印象に残ってます。

保育士が直面する課題を解決するためのビジネスプラン

------: それでは、このコンテストに挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?
田原: まず、ビジネスプランコンテストへの参加は、ゼミでの絶対条件だったんです。
------: ビジネスプランコンテストに応募することが、ゼミでのノルマとは驚きです!ということは、田原さん以外も皆さん応募しているのですね。
田原: そうですね。3人か4人ぐらいでチームを組んで、何かしらに応募していくっていう感じです。
------: 今回田原さんもチームで応募されたんですか?
田原: はい。私を含めて4人のチームでチャレンジしました。
------: では、入賞プランのテーマ、そして、そのプランの特徴的な点を教えてもらえますか?
田原: はい。保育士の業務負担軽減と、園児の安全性向上という2つの課題を、1つのサービスで両立するというものです。
------: それはアプリか何かですか?
田原: まず、園児一人ひとりにそれぞれウェアラブル端末を付けてもらいます。その上で、園内とかバスにビーコンを置いておくことで、登園時間がわかったり、今どこにいるかとかが把握できたりします。
------: 園児の位置を把握することで、どのようなメリットがあるのですか?
田原: それを把握することによって、最近問題になっているバスの置き去りを予防することにつながります。さらに、園児に付ける端末に加速度センサーを組み込むことで、転倒した時とか、(昼寝の際に)寝返りした時にも、すぐ通知が行くようにすれば、保育士の仕事がかなり楽になるんじゃないか、という提案もしました。
------: 怪我にも対応してるわけですね。通常と違うような動きをしたら、それを検知してアラートする具合で。保護者にもメリットがありますか?
田原: はい。親には連絡帳みたいなのを通して、データを見られるようにします。登園時間などのデータが、そのまま連絡帳に通知されれば、保護者との連絡の面で保育士の負担も軽減されるのではないでしょうか。
------: そういう情報サービスのプランを提案したっていうことですね。そもそも、なぜこのテーマに取り組もうと思ったんですか?
田原: 最初はアイデアが出なくて、すごく困ってました。とりあえず、今気になってるニュースから何か派生して考えられないかなっていうところから始めました。そんな時、保育士の人手不足がメディアで取り上げられていて、それこそさっき言った園児の置き去りとかが話題になっていたので、それを解決するために何かないかなって考えたのがきっかけです。
------: 園児の置き去りって、どういうことですか?
田原: バスの後ろの方に座っていて、運転手から見えなかったりして、それで下ろし忘れることがあるみたいなんです。そうなると、保護者が迎えに行かないといけない、これも保護者にとっては大きな負担ですよね。
------: それはなかなか興味深いところに目を付けられましたね。しかし、ホットな話題なだけに、保育士の不足や園児の安全性に注目している人って、結構いると思うんですよ。そういう中で、田原さんのプランにはどういう強みがあるんですか?
田原: 実現がしやすい、手間がかからないっていうところが強みだと思っています。大規模な工事とかがなくて、ビーコンを置くだけですし、園児も簡単なクリップ型のウェアラブル端末を服とかに付けるだけで済みます。ネット環境があるだけで実現可能っていうところを強調しました。
------: ちなみに、その端末からビーコンに送られてくる情報っていうのは、プログラムによって加工する必要はありますか?
田原: 一応加速度度センサーが付いてる端末っていうのは、実際にネットで調べてもあったんですが、用途に合わせて情報をカスタマイズできた方が利用者には嬉しいんじゃないかと思います。
 
 
 

まずはタスクの設定、つぎに必要な情報の収集

------: 将来性を感じますね。田原さんはすごく豊富なアイデアをお持ちなんですけれど、アイデアを育てていく上で、日頃心がけていることはありますか?
田原: 正直に言うと特になくて・・・。
------: え、そうなんですか!?
田原: 今回であればゼミの課題がきっかけでしたが、必要に応じて情報を集めて、そこからアンテナを広げていくように心がけてます。
------: 最初になすべきタスクがあった方がいいっていうことですかね?
田原: そうですね。タスクの達成に向けて、情報収集とか必要な作業を展開していくことが重要だと思います。
------: なるほど。今回のコンテストへの応募で、一番苦労されたことは何ですか?
田原: まずは、保育士にとって何が負担なのかを深く知るために、とにかくネット上にあるアンケートを調べることに力を入れました。それと、メンバーの内の1人に保育士が知り合いにいたんで、実際にその人に何が大変かとかを聞いてもらったりもしました。
------: 現場の話を聞いてみて、驚いたことは何ですか?
田原: 寝返りのことですね。保育園ではお昼寝があって、小さい子はうつ伏せで寝るのが良くないらしくて。だから、保育士の方は園児がうつ伏せになっていないか、ずっと見守らないといけなくて大変だそうです。その話を聞いて、何か解決できるようなアイデアはないかと考えるようになり、それが今回のプランの着想につながりました。
 

きっかけを作ってくれたのは北川ゼミ

------: 今回のプランを作るときに、ゼミでの活動がどう役立ちましたか?
田原: ゼミでは、文章作成や構成のコツについても学んでいたので、自分が考えたプランを分かりやすく文章化するのに役立ったかなって思います。
------: 北川先生のゼミでは、文章の指導って結構あるんですか?
田原: 2回生の初めに、400字で自己PRの文章を書いて、誰の文章が一番いいかを全員で評価したりしました。
------: 北川先生のゼミなので、徹底的にプログラミングとか情報系のことやってるのかと思ってたんですけど、社会人になるための基礎もしっかり勉強するのですね。
田原: 実際、情報系がメインではあるんですけど、それぞれがやりたいことを相談したらやらせてくれる先生なので。
------: 結構自由度が高いゼミなんですね。
田原: そうですね。3回生の時にビジコンに参加することは必須ですが、特に「これがやりたい」という明確なものがないんだったら、とりあえずプログラミングの勉強、みたいな感じですかね。
------: それでは、先生の方が結構大変ですね。いろんな人のニーズに応えないといけないわけですから。
 

情報を効果的に伝えるために必要なこと

------: チーム内での役割分担とか連携に関して、工夫したことはありますか?
田原: スケジュール調整とか、ディスカッションの進行とか、タスクの割り振りとか、全体的なことは私がやってました。また、作業の進捗状況も細かく確認するようにしていました。
------: なかなかチームプレイって大変だと思うんですけど、苦労された点は何ですか?
田原: 始めた当初、アイデアが全然出てこなかったことです。
------: そういう時、どうされたんですか?
田原:  最初は、4人のメンバーが、それぞれ考えてきたことを話し合いで共有する形でやってました。そのうち、どうやってアイデアを考えたりしてるのか、まで情報共有するようになりました。一度個人で考えるのやめて、2人グループになってアイデア出しをしたりも・・・、とにかくいろんな方法を試しました。
------: 先生、先輩、ゼミ生を含め、周囲の人からどんなアドバイスを受けましたか?
田原: 先生から、提案書を書くときに、一番初めに「何を伝えたいか」を明確にしてから書いた方がいいと言われました。それが決まってる方が、内容に一貫性があって、どこが強みなのかがはっきりするからです。
------: いい文章を書くときには、それは絶対重要ですよ。今後も使えそうですね。
 

今回の経験を活かした職業が目標

------: 今回の経験を活かして、卒業後はどんな分野で何を実現したいですか?
田原: そうですね。情報を集めて一個のプランの形にする、そして提案書にまとめる、という一連の作業を体験したので、将来就職した後にもこの経験が活かしたいとは思ってます。今はデータ分析に興味を持っていて、それに携われる仕事がいいなと思ってます。
------: 特に絞ってる職種や分野はありますか?
田原:  IT系で見てますが、ピンポイントにデータエンジニアとなると少ないので、とりあえず大きめに、プログラマーとかを候補にしています。同時に、データ分析も事業の一つに掲げてるような会社を中心に見ています。
------: 在学生、後輩へのアドバイスを聞かせてもらえますか。特に、コンテストに挑戦する際のポイントなど教えてください。
田原: チーム内だけで話し合ってると、どうしても意見が偏ってしまうので、とにかく先生や第三者に相談することで、自分たちが考えているところが、客観的にどうなのか見てもらう方がいいと思います。
------: どうしても自分たちのプランとなると、内輪で盛り上がってしまって、「これいいよね」ってなるんですが、外から見ると全然そうでなかったりするので、すごく重要だと思います。
 

ビジコンでリーダーシップを身につける

------: 最後に、改めて今回のコンテストに取り組んで得られたものを教えてください。
田原: 限られた時間の中で、初対面というか、ほぼ喋ったことのない人と作業する中でも、ちゃんと意見をまとめる力が得られたと自負しています。私、今まであんまりリーダーとかやるタイプじゃなかったので、今までになかった経験ができたと思っています。
------: そこで培われたリーダーシップを、今後どういう局面で活かしていきますか?
田原: 今までは、ほとんど他の人の意見を聞くだけだったので、これからは積極的に意見を提案するなど、自分から働きかけるようになれたらいいなって思ってます。
------: そういう機会を与えてくれたっていう意味でも、やっぱり今回のコンテストは有意義だったということですね。では、これで終了させていただきます。ありがとうございました。
田原: ありがとうございました。
 

学生広報誌「じぇむ」