文:飯銅航太 撮影:松田珠実

 今回、国家資格である宅地建物取引士(以下、宅建と略記)の資格を取得した経営情報学部3回生の井本翔太(いもとしょうた)くんにインタビューさせていただきました。

徹底した自己管理と努力

——:井本さんが宅建を取得しようと考えたきっかけは何でしょうか?
井本:父方の実家が空き家になる可能性が高いので、それらを扱う際に建物の知識などが必要だと思ったことと、就活をする上で、大学で何かに取り組んだという形が欲しいと思い取得しようと思いました。
——:宅建を取得するうえで学内講座は利用されましたか?
井本:はい、受講しました。
——:学内講座を受けて何かメリットはありましたか?
井本:前期三教科型受験で入学したこともあり、受講料がいらないことで講座費がだいぶ安くなったことですね。
——:いつ頃から宅建を所得しようとお考えでしたか?
井本:2回生の時の1月です。ただ、大学受験などとは違い暗記分野がほとんどになるため、モチベーションを保つことに苦労しました。そのこともあり、少し早く始めすぎたかなとは思っています。ただ早く始めることに越したことはないですね。
——:宅建の試験科目を教えてください。
井本:宅建は宅建業法、民法、法令上の制限、税・その他の4つに分かれています。
——:その試験科目の中で苦手科目などはありましたか?
井本:どれも苦労したんですけど、一番苦労した部分は民法ですかね。
覚える量が多いことや、民法ではただ単語を覚えるだけでなく、内容を理解して解答する必要があるため苦戦しました。
——:2回生の1月から勉強を始めたということですが、勉強期間はどれくらいでしたか?
井本:宅建の試験が10月ごろにあったので大体8カ月か9カ月ぐらいです。
——:一日の勉強スケジュールを教えてください。
井本:大学のある日はオンラインだったこともあり、授業の合間などを利用して勉強してました。逆にない日だと、朝2時間ほど勉強して夜も2時間勉強するといったことをしてました。追い込みの時期になると、一日6時間の勉強時間を確保してました。覚えていない部分を完璧にするため、その分時間を増やすといった方法を取っていました。
——:勉強をする上で意識していたことなどはありますか?
井本:勉強をする上で長時間は集中が続かないので、長くても2時間のように時間を決めて午前、午後に分けて勉強していました。あとは、ご飯のあとには絶対に勉強しないと決めてました。お昼ご飯などを食べた後だとやっぱり眠たくなるため、その時間は避けていました。
あとは地味な方法ですが、覚えられない部分はメモに書いて壁に張ったりしました。やっぱり目に入るのと入らないのとでは差があるので、そうすることで覚える努力をしました。
——:モチベーションを保つうえで考えていたことや意識していたことはありますか
井本:試験のチャンスが一年に一回しかないことに加えて、今回の宅建取得を逃してしまうと就活で活かすことが難しくなるといったことがあり、今年がラストチャンスだという心持で自分のモチベーションを高めていきました。
——:試験当日はやはり緊張などされましたか?
井本:それはもちろんしましたね。
——:やっぱり緊張されたんですね。緊張を和らげるためにされたことなどありますか?
井本:音楽を聞くなどして気を紛らわせてました。あとは自分が試験に落ちた時のことを考えてました。いい結果の方を考える人も多いんですけど、自分は悪い結果を考えてそれだけは避けないと駄目だと考えてました。
自分自身危機感を持っていないと駄目なタイプだったので、そう考えることでモチベーションを保っていました。
——:宅建を取得された今、就きたい職業などはありますか?
井本:宅建を取得したこともあり、不動産関係の仕事をしたいと考えています。ただ、まだ分からない部分もたくさんあるため、これから探していこうと思います。

将来の選択の幅が広がると思い阪南大学を受験

——:ここからは井本さんのことについてお聞きします。井本さんの出身校を教えてください。
井本:大阪府立港高校です。
——:入試区分を教えてください。
井本:一般の前期3教科型入試です。
——:何の教科を受けられましたか?
井本:現代文と英語と日本史です。自分自身数学が苦手だということもあり数学は選択せず、日本史を受験しました。
——:なぜ阪南大学の経営情報学科を選択されたのでしょうか?
井本:志望学部だけでなく、ほかの学部も併願できる5学部併願が出来たことが大きいです。経営情報学部と国際コミュニケーション学部で迷っていたのですが、将来の目標が決まっていなかったこともあり、経営と情報の二つの分野を学べ、将来への選択の幅が広がる学部だと思い経営情報学部を選択しました。
——:井本さんの所属ゼミを教えてください。
井本:伊田ゼミです。
——:伊田ゼミを選ばれた理由を教えてください。また伊田ゼミではどのような勉強をされたのですか?
井本:通っている整骨院があるんですけど、そこの担当の方が阪南大学出身で伊田先生のゼミがいいよといった話を聞いたので選びました。オンラインだったこともあり、ゼミでは昔から続く企業の分析、コロナ禍の経済状況、COOL JAPANをはじめ海外から見た日本等の題材から1つ選択して研究し、パワーポイントで発表するといった活動をしていました。
宅建を取得する際に伊田先生のサポートや激励があったことで合格できた面もあります。
——:大学の授業の中で面白かったものや印象に残っている授業はありますか?
井本:英語圏文化や外国語文学の授業です。海外の童話やミュージカルについて色々な背景や歴史を知れたりする部分が面白かったですね。新たな発見もあり楽しかったです。
——:次の目標を教えてください。
井本:それはもちろん就職です‼
——:就職活動をしていくなかで始めていることや感じたことはありますか?
井本:就活をする上で、企業研究と志望理由を考えることなどをしています。感じたこととしては、やっぱりSPIは絶対に勉強しないと駄目だと思いましたね。色々な部分、例えば数学とかが記憶から抜けていたりするので気を付けないといけないです。
——:最後になりましたが、これから宅建などの資格を取ろうと思っている人にメッセージをお願いします。
井本:個人的には、宅建はどんな人でも努力をすればとれる資格だと考えています。覚えていない部分があるのならば、勉強量を増やすべきだと思います。宅建は努力したら必ず合格できる資格だと考えているので、頑張ってほしいです。
また、アルバイトだけで大学生活を潰すなということを伝えたいです。楽しいのであればいいんですけど、将来就職した際、アルバイトの時給1000円といったお金は稼げると思うんです。それだったら、大学生のうちにしかできない遊びや勉強に力を入れてほしいです。

取材を終えて

 まずは宅建合格おめでとうございます。試験勉強法だけでなく、コロナ禍の過ごし方などとても興味深いお話を聞かせて頂いて、私も参考にしようと思います。最後になりましたが、お忙しい中取材にご協力いただきありがとうございました。
松田珠実

 
 今回井本さんの取材を受けて、コロナウイルスの影響もあり行動が制限されている中でも自分のやりたいことや趣味を極めている姿を拝見して、とても素晴らしいと思いました。自分自身も大学生の時にしかできないような勉強や趣味などを見つけていきたいと思います。今回はお忙しい中取材を受けていただき、本当にありがとうございました。
飯銅航太

ゼミ指導教員より

 宅建合格おめでとうございます。井本君は私の3回生ゼミに所属しており、とても意欲的で真面目な学生です。ゼミでは「企業のブランディング生成」や「コンテンツ産業の輸出」など、現代的なeビジネスや国際ビジネスのテーマについても幅広く、かなり深くまで研究発表をしてきたことが印象深いです。
 インタビュー記事を読んで、井本君の目標に対する計画性、持続する意志の強さに感心しました。宅建は直近の合格率17.9%とかなりの難関資格で、しかも年1回のチャレンジしかできません。見事合格したことは、本当にすばらしいことです。これを足掛かりに、これからも様々なことにチャレンジを続けて、井本君の夢を実現していって欲しいと思います。
伊田昌弘
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