文:馬場かれん  撮影:堀尾真菜
 
 今回は、2020年度卒業式で経営情報学部総代(主席卒業)の谷翔大さんにインタビューさせていただきました。

先生に直接質問して授業を理解

——:首席卒業おめでとうございます。
:ありがとうございます。
——:どのようにして総代に選ばれたと分かったのですか?
:ゼミの教授から教えていただきました。
——:総代を依頼されたときのお気持ちを教えてください。
:嬉しかったです。
——:修得単位数・S修得単位数・GPAを教えてください。
:修得単位数は176単位、S修得単位数は132単位、GPAは3.7でした。
担当教員注:谷君は,総修得単位数とS修得単位数の2部門で1位.GPA部門で3位です.
——:それはすごいですね。
卒業要件である124単位を修得したのはいつ頃ですか?
:3年の前期です。
——:卒業要件である124単位を超えて単位を取ろうと思った理由を教えてください。
: 4回生になるとほとんど授業を取る人は少ないと思うのですが、せっかく授業料を払っているのにもったいないし、知りたいと思ったので興味のある授業は取るようにしていました。
——:主席卒業をしたいという気持ちはありましたか?
:ありました。それに加えて、同ゼミの友人と4年間成績を見せ合う中で競争心がうまれ、3回生の時に成績で負けた経験から今年こそ勝とうという気持ちでより頑張ろうと思いました。
——:科目を受講申請するとき、SやAが取れそうな科目を選んで履修したりしていましたか?それとも興味のある科目を履修していましたか?
:興味のある科目を履修していました。情報系の科目だけでなく、他学部の授業も履修しており、国際コミュニケーション学部の授業や経済学部の授業も履修していました。
——:授業を受ける際、意識していたことはありますか?
:教員の方に質問して仲良くなることで、授業に対しても、当事者意識が生まれ、積極的に授業に臨むことが出来ます。こういうことを言っていいのか分かりませんが、コロナ感染対策でよく行われている不特定多数に向けたオンデマンドの授業はコミュニケーションを取る機会が減ってしまい実はあまり好きではないんです。
——:経営情報学部の授業で、受講してよかったと思う授業を教えてください。
:「プログラム構成論」や「コンピュータ構成論」、「プログラミング言語論」、「システム制作」、「マルチメディア制作」です。
担当教員注:「プログラム構成論」はLEGOのロボットをプログラミングで操る授業です。「コンピュータ構成論」はPCを組み立てることでコンピュータの構成を学ぶ授業です。「マルチメディア制作」はデジタル音楽制作やアニメーション制作を学ぶ授業です。
——:なぜその授業を受講してよかったと思いましたか?
:一番は自分に技術がついたことを実感できたことです。実際に勉強してプログラムを組んでいく中でできたという結果や実感が残り、達成感を感じられたからです。

経営と情報が両方学べるから経営情報学部へ

——:次に、谷さんご自身についてお尋ねします。入試区分を教えてください。
:AO入試です。
——:AO入試ではどのようなプレゼンをしましたか?
:ビジネスプランについて発表しました。ポイントカードをたくさん持つことが面倒だと思っていて、それの解決策としてスマホひとつでポイントを付けられるアプリを提案しました。その一年半後にコカ・コーラからCoke onという同じようなアプリが出たときは驚きました。
——:阪南大学を選ばれた理由を教えてください。
:自宅が近く、経営と情報が両方学べるからです。またオープンキャンパスで田上先生と話す中で、授業や資格、映像系のことについての話を聞き、興味を持ちました。
ライター注:田上先生は現在、阪南大学の学長を務めていらっしゃいます。
——:では田上先生がもしそこにいらっしゃらなかったら入学していなかったかもしれないですね。
:そうですね。奇跡と良縁に恵まれました(笑)。
——:出身高校を教えてください。
:向陽台高等学校です。
——:高校ではどのようなことに力を入れていましたか?
:部活動には入らず、資格の勉強をしていました。日本語ワープロ検定試験1級や情報処理技能検定試験 表計算1級、文書デザイン検定試験1級、プレゼンテーション作成検定試験1級、パソコンスピード認定試験日本語準1級、珠算・電卓実務検定試験1級を取得しました。

生協学生委員として生協に学生の声を届ける

——:生協学生委員会に所属されていたそうですが、それはどんな委員会ですか?
:阪南大学生の大部分が加入している生協組合員に対して活動する学生組織です。生協は食堂部門や書籍部門、購買部門、共済部門、環境部門など、様々な部門に分かれており、生協学生委員会は生協に加入している学生をサポートする役割を担っています。環境部門ではリリパックという生協で提供するお弁当箱の容器を回収しお弁当箱への再利用なども行っています。また最近よく耳にするSDGsも設立当初から行っていました。
ライター注:SDGsはSustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標という意味です。2015年9月国連で採択された2030年に向けた目標です。
——:生協学生委員会になぜ所属しようと思われたのですか?
:生協主催の入学前オリエンテーションに行き、一番輝いて見えた活動だったので所属しようと思いました。
——:生協学生委員会に所属するにあたっての条件などがあれば教えてください。
:生協の組合員であることです。
——:大々的な活動をされているイメージなので特別な条件があるのかと思いました。
:大丈夫です。1から教えます。
——:阪南大学生協学生委員会には何名所属されているのですか?
:僕が当時所属していたときは準メンバー(現役引退した在学生)を含め50名くらいいました。
——:大学生協における生協学生委員会の位置付けを教えてください。
:学生と生協の橋渡しをする存在です。生協は、組合員(学生や教職員)の為にある団体ではありますが、その存続の為に利益を出す企画や商品を展開します。しかし学生は「もっとこうしてほしい」と思っていても、その意見を言う場が少ないです。生協学生委員会は学生でもあるので他の学生と同じように意見を持ちますし、意見を言う場に立つこともでき、学生と生協の中間に立つ存在になることができます。
——:具体的にはどんな意見がありましたか?
:「定食を作ってほしい」や「環境問題について詳しく知りたい」といった意見がありました。また、「もっと辛いカレーが食べたい」という意見に対して激辛のスパイスを用意したりしました。このように、アンケート活動をして生協としてほしいことや改善点を集めることで生協に声を届けることもできます。
——:阪南大生協のコンビニでは、商品を分かりやすく紹介しているPOPが印象的ですが、これらも生協学生委員会が作成しているのですか?
:はい。これらは購買部門の職員さんと生協学生委員会が作成しています。そのほかに広報部門と共同でTwitterでも商品の紹介をしています。
——:生協学生委員会は他にどのような活動をされていますか?
:生協学生委員会の活動の中でも、特別な活動が共済活動です。この部門では学生への共済の紹介のほか、年・月単位で学生のけがをした人数や肺炎を患った人数などのデータから健康週間の一環で主に一人暮らしの学生に向けて食生活の見直しを提案したりと、学生の健康面をサポートしたりしています。
——:なるほど。さまざまな数値から学生の健康面をサポートされているのですね。
そうなんです。さらには、骨折をした場合に生協から共済金がおりる可能性があるなど、あまり知られていない共済の使い方を提示したりしています。そのほかにも阪南大学内で共済祭りという学生に健康について考えてもらう企画があり、握力測定やドライブシュミレーター、アルコールパッチテストなどのイベントを行いました。

「はぴなん丼」を開発

——:食堂部門ではどのような活動されていますか?
:食堂部門ではバランスの良い食事を推進する食育活動を行っています。また僕自身が実施していたことは、Twitterにて時々学食で提供される朝食をアップして主に朝ご飯を食べない学生に向けて情報提供を行っていました。今年度はコロナで中止していますが「100円朝食」を実施したり、阪南大学後援会からの支援で経済学部の三木ゼミと一緒に「はぴなん丼」を作りました。作るにあたって生協学生委員会は生協の専務と共にメニューを考え、学生に試食をお願いしてアレンジを加えてもらったりもしました。その「はぴなん丼」を入れる容器もプラスチックから紙に変更することで環境問題を考えるきっかけにもつながりました。
担当教員注:「100円朝食」は、学生健康保険互助会の支援を受けています。
ライター注:はぴなんは阪南大学公式マスコットキャラクターです。また、「はぴなん丼」の容器は内側のフィルムをはがして残った紙容器を広げると1枚の「紙」になる「ホッかる」を使用して、リサイクルしやすい容器になっています。
——:生協でアルバイトをされていたとお聞きしましたが、どのような仕事をされていましたか?
:食堂で朝ご飯を提供する仕事をしていました。朝ご飯を作るところから清掃、レジ、ホール作業など全て行っていました。野球部やサッカー部は朝練がありよく活用してくれていたので「今日の朝ご飯どうですか?」や「何のメニューが好きですか?」などを質問していました。揚げ物に人気があるのは予想通りでしたが、ほうれん草の胡麻和えなどの意外と人気があるメニューを聞くことで、後の委員会にも意見として挙げられるので改善もしやすかったです。
ライター注:大学生協にはミールシステム(食堂年間利用定期制度)があり、スポーツ系学生や一人暮らしの人などにとってお得な制度になっています。
——:仕事を行う上で気を付けていたことを教えてください。
:朝ご飯を作るにあたって、どうしても出勤が早い時間になってしまうので、寝坊はしないように心がけていました。またあまり時間のない中でたくさんの準備を行っていくので、手順を忘れないことも気を付けていました。
——:生協のアルバイトの仕事を行う中で今後のためになると思ったことがあれば教えてください。
:料理をすることは今後も必要なことなので人生の得だと思いました。朝時間のない中で物事を順序立てて実行することも今後のためになることだと思いました。

生協学生委員長を努め、他大学とも交流

——:谷さんの生協学生委員会での役職を教えてください。
:委員長をしていました。
——:生協学生委員長とはどんなことをするのですか?
:主に組織の運営を行っていました。それ以外のメンバーは部門ごとに分かれて活動を行っていますが、委員長としてそれらの進捗管理や進行、企画立案や他部門の企画書の確認などを行っていました。
——:そうなんですね。
:委員長が部局に入ることは珍しいと言われていたのですが、僕はそれだけでは嫌だったので全部入っていました(笑)。
——:阪南大学以外の大学にも大学生協はありますか?
:たくさんあります。生協のある大学なら高い確率で生協学生委員会もあります。
——:他大学の生協学生委員会の方との交流はありましたか?
:あります。他大学の大学生協を見学しに行くこともありました。例えば学校までの道のりのマップを作っている大学の見学に行った際は、うちでも作ってみようと参考にしたり、新入生歓迎会のパンフレットを作成するとき、生協学生委員会オフィシャルと他大学のパンフレットとを見比べて参考にしたりしました。そのほかにも良かった点を報告し合いトライ&エラーを繰り返していくといった交流をしていました。
——:他大学の生協学生委員会の方と合同で行っていることは何かありますか?
:あります。例えば、共済活動では共済を扱うための資格が必要なので、その資格取得のための勉強セミナーを行ったり、毎年静岡県熱海市で行われる共済セミナーへの参加もしていました。組織運営を学ぶ委員長セミナーもありますし、釣りや網漁をしたり魚をさばく経験をして地産地消を学ぶセミナーも行われています。平和活動では舞鶴、沖縄、長崎、広島で戦争のお話を聞くことによって、僕たちが今体感している平和について考えるPeace Now(ピースナウ)というセミナーがあります。これ以外にもたくさんのセミナーが実施されています。
——:大学生協のホームページを見ると全国総会というのがありましたが、谷さんは全国総会への参加のご経験はありますか?
:あります。毎年名古屋国際会議場を貸し切り、全国の大学生協の代表を集めて1年間の事業部の報告などを行います。そこでは一年間活動してこられた生協の実績の中でイチオシの活動を発表することで今後の改善に役立てたりします。
——:スポーツなどだと地区大会があって、地区大会で上位が全国大会に出場しますが、全国総会で発表するときもそういった地区大会のようなものがあるのですか?
:全国総会は、各生協さん誰でも参加可能ですが、総会での発表となると地区大会のようなものがあります。大学生協は関西や関東、九州などのブロックごとに分かれていて、ブロックごとに活動実績を発表し合い、セレクションをしてブロックの中で実績を残した、評価の高い大学生協が全国総会に行くことができます。2年前阪南大学の「はぴなん丼」が関西ブロックで優勝し、全国総会で発表することができました。また全国総会で他大学向けに阪南大学のセミナーも実施しました。
谷翔大さん注:総会発表は、その年、良い活動をした会員生協さんのもとに、発表のオファーが来るので、それに応じることで、総会発表が可能になります。3位までという縛りはないのですが、基本、上位にあたる活動が挙げられています。
——:全国総会にはどんな人が参加するのですか?
:基本的に各大学の大学生協の専務と理事長が参加します。しかし、傍聴人として学生委員会の代表や生協職員さんが参加する場合もあります。

他大学生協の学生委員と共同して地域セミナーを運営

——:大学生協全国学生委員会のホームページを見ると全国セミナーというのがありましたが、全国セミナーへの参加のご経験はありますか?
:参加をした経験もありますし、地域やブロックごとのセミナーでは運営もしていました。
——:参加だけではなく運営もされていたんですか?
:そうなんです。僕は共済セミナーなどの運営を担当していました。各大学の学生委員会の代表が事務局を結成してセミナーを開催し、そのメンバーで運営をしていました。共済セミナーとひとくくりに言っても地域共済セミナーと全国共済セミナーに分かれていたり、平和活動は全国セミナーで行われているなど、全国規模のものから地域ごとに分かれていたりとさまざまです。僕は共済セミナーを運営していましたが、分野ごとに分かれてメンバーと一緒にセミナーを運営していました。
——:それはすごいですね。
全国セミナーではどのようなことを学んでいるのですか?
:平和のセミナーは印象深かったです。小・中学校の頃に学んだ平和学習とは違う、より事実に近いものがわかります。
例えば、舞鶴の引き揚げ船当事者に伺った話なんですが、戦争中に一番大切にしていたものは何だったと思いますか?
——:やっぱり食料とかではないですか?
:実際は青酸カリだったそうです。セミナーとして戦争を実体験された方の話をお聞きしたのですが、戦争中は死ぬことができる道具を一番大事にしていたそうです。いかなる時も生きることを頑張るのですが、どうしても無理なときに死ぬという選択肢を残しておくそうで、それがあるから生きられたとおっしゃっていました。また「いつでも死ぬことができるからこそ自分は生きている。生きているからこそ生きる事について頑張れる。だから私は生きている。」とおっしゃっていて、このような話は当事者しかわからないことなので、直接聞く機会を得られて本当に良かったです。
——:全国大会に参加するとなると交通費や宿泊費の負担が大変ではないですか?
:生協が負担してくれるケースが多いです。その代わり、我々生協学生委員はセミナーで聞いたことを伝えていくという役割があります。阪南大学をはじめ、他大学で知識や経験を風化させないように伝えることで、語り継いでいってほしいという側面を持ったセミナーでもあります。
——:生協学生委員会で、特に印象深かった活動はありますか?
:投票で委員長に推薦してもらったことです。そのほかにも組織の方針を決めるにあたって衝突したり、合宿の実施期間中である3日間は翌日の資料作りなどで忙しく寝られなかったことなどたくさんあります。
——:生協学生委員会に所属して良かったことや今後社会で活かせると思ったことは何ですか?
:しゃべることです。例えば入学前オリエンテーションでは500名の保護者の前で話した経験もありますし、組織運営やマネジメントを通じて生協学生委員の前で話すこともありました。生協学生委員会の中には仕事をうまくこなせない人もいるのですが、その人に対して自分が持っている技術を教えることで解決に近づいたのではないかと思います。

「楽しんで成長しよう」をモットーにサークルを立ち上げ

——:部活動やサークルなどに所属されていましたか?
:はい。ボードゲームサークルをはじめ、げんにけんサークルやe-sportsサークル、TRPGサークルに所属しており、ボードゲームサークルは自身で立ち上げました。
——:なぜサークルを立ち上げようと思ったのですか?
:立ち上げたのが3回生のはじめなのですが、以前から所属していた生協学生委員会は3回生の夏で終わってしまうので、新たにコミュニティを作りたいと思い、サークルを立ち上げました。
——:サークルを立ち上げる際、特に考えたところはどんなところですか?
:サークルの仕組みを作るのに一番時間をかけました。当初は「実績を残して成長する」など考えたりもしたのですが、メンバーが活動する中で一番大事なのは楽しく活動することや成長することだと考えたので「楽しんで成長しよう」をモットーに決めました。
またHPや公式LINEを立ち上げたり、サークル内の出席管理システムを作ったりしました。
——:サークルを立ち上げてよかったことを教えてください。
:多くの仲間に囲まれたことです。コロナで活動自体が減ってしまったことは悲しいことではありますが、この期間で今所属してくれているメンバーと活動できていることはとてもいいことだと思っています。
——:ボードゲームサークルの活動内容を教えてください。
:ボードゲームというツールを用いてメンバーの活動の機会を提供しています。主な活動内容は対面での学内企画活動やイベント運営を行いました。去年の冬にはHannan Cycling Clubと合同で「冬のスポーツ大会」を実施しました。また今年はコロナの影響で学校のことがわからない新入生の不安を解消すべくオンラインでのゲームイベントや交流会を行いました。
——:他サークルと交流することは普通では難しいと思うのでそのような機会があるのはいいですね。
ボードゲームサークルには何名所属されているのですか?
:正規メンバー49名、準メンバー9名が所属しています。当初は15人で、委員会や他のサークルのメンバーを勧誘して立ち上げました。今年度はコロナの影響でどの部活動やサークルも勧誘しにくかったみたいなのですが、うちはオンラインや対面での勧誘の結果30数名所属してくれて嬉しかったです。
——:所属されているサークルは大学公認サークルですか?
:はい。
——:サークル内ではどのような役割を果たしていましたか?
:ボードゲームサークル、げんにけん、TRPGサークルの3カ所では、代表を務めていました。
——:通常はサークルや委員会は一つだけ参加することが多いと思うのですが、谷さんは生協学生委員会やサークルなど、複数の活動に参加された理由を教えてください。
:空き時間があることが苦手で、活動できる場があればとりあえず挑戦してみたいと思ったからです。
——:複数のことを平行して行うことのメリットを教えてください。
:しんどいと感じることは自分のキャパが広がることだと思っています。1回生の頃に今と同じことをやれと言われても難しいと思います。しんどいと思わず楽しむという気持ちが先行することで4つのサークルに所属しているときはコミュニケーションを楽しむことでコミュ力が上がったり、小学校でのアルバイト活動では子どもと関わることでいろんな経験ができたりと、これらは自分の人生以外もそうですが、すごく得なことだと思っています。

ゼミ長も努める

——:次にゼミについてお伺いします。
所属ゼミを教えてください。
:花川ゼミです。
——:なぜ花川ゼミに入られたのですか?
:実は第1志望は田上ゼミだったのですが、田上先生が学長になられたことによってその年は田上ゼミがなくなってしまい、入ることができなかったんです。オープンキャンパスで田上先生と話しをしていたときに「先生のゼミに入ります」と言っていたので少し残念でしたが、興味のあったプログラミングができる花川ゼミへの所属を決めました。
——:ゼミではどのような勉強をされていたのですか?
:主にプロジェクションマッピングの勉強をしていました。プロジェクションマッピングには当初から興味があったので、本来であれば2回生の後期から始まるところ、1回生の終わりにあった大学祭から参加させてもらっていました。
——:ゼミの中での役職があれば教えてください。
:2回生からゼミ長を務めていました。
——:卒論のテーマを教えてください。
:プロジェクションマッピングについてです。
——:なぜそのテーマにされたのですか?
:最近では3DCGを使った技術が発展していると思うのですが、主にその技術を担当していたので、そのことについて書きました。
——:在学中に取られた資格があれば教えてください。
:情報と商業の教員免許を取得しました。日商簿記検定3級、MOS Excel 2016も取得しました。
担当教員注:谷君の修得した176単位には教職科目は含まれていません.教職科目を加えると206単位となります.
——: なぜ教員免許を取ろうと思われたのですか?
:成長するために必要なスキルはコミュ力だと思うのですが、僕自身が人間スキルに欠けていると思ったからです。

「経営学」で、どうやったら組織の人間の力を引き出せるかを学んだ

——:サークルや生協学生委員会など、様々な活動をされていながらも主席卒業をされたことで、常人ではなしえないようなことを遂行され感銘を受けたのですが、気を付けていたことは何ですか?
:止まらないことです。怠惰に過ごしてしまったとき後悔するのが一番嫌だったので、何よりもまずやってみました。でも第2に気を付けていたのはやりすぎないということです。何かをやっていないと気が済まないので、周りには休んでと言ってもらうことが多かったのですが、休んだ後の反動をどう抑えるかについて気を付けていました。
——:たくさんのことを同時並行で行うために必要な自己管理の工夫があれば教えてください。
:正直に言えば自己管理はできていないんです。そのためやることが多すぎて詰まってしまうこともあり、仕事を周りに回していました。また自分が受けるべきではない仕事は周りに任して、その人たちの成長に繋げるなどを行っていました。逆に言えば回しすぎないようにも気を付けていました。回したはいいものの、その人がその仕事をできるとも限らないので、相手に適した仕事を分配し、管理することを心がけていました。
——:経営情報学部の科目でサークルや生協学生委員会の活動に役立ったものは何かありますか?
:「経営学」では組織マネジメントの授業があったりするので、どうやったら組織の人間の力を引き出せるかというのは非常に役に立ちました。また経営情報学部以外の科目だと「心理学」では組織マネジメントで使えるコミュ力や誉め方などが役立ちました。
——:阪南大学や経営情報学部に入学してよかったことを教えてください。
:経営情報学部では技術が身に付きます。大学で学んだことはコミュニケーションスキルであったり、話し方など、成功や失敗も含めて過去の経験を重ねられ、それらを自分のペースでたくさん行える時間であると思います。大学生の4年間はとても自由だと思うのですが、その自由な時間でどれだけ失敗や成功の経験を積めるかというのが大きな点でした。
——:卒業後の進路を教えてください。
:IT系のエンジニアです。まずは社会を知って勉強して、新しいことにチャレンジしていきたいです。
——:本日は貴重なお時間ありがとうございました。

取材を終えて

 まずは首席卒業おめでとうございます。初めての取材でご迷惑をおかけしたかとは思いますが、何事にも前向きに捉え、経験と知識に貪欲な谷さんを取材させていただけて、私自身も成長できた気がしてとても楽しかったです。これからも止まらず学び続ける谷さんを目標に努力していきたいと思います。お忙しい中、取材に応じてくださりありがとうございました。
馬場かれん

 谷さん、主席卒業おめでとうございます。私も、2回生から花川ゼミに所属するので、履修してよかった授業などの話は、とても参考になりました。谷さん、お忙しい中、長時間の取材協力、ありがとうございました。私は今回が初めての取材で緊張しており、笑顔の写真を撮るタイミングがあったのに、逃してしまったことが今回の反省点です。
堀尾真菜

ゼミ指導教員より

 谷翔太君、ご卒業おめでとうございます。晴れの卒業式での卒業生総代、ご苦労様でした。りっぱな成長した姿だったと思います。
 谷君は2回生のはじめから3年間のゼミでの付き合いとなります。主にプロジェクションマッピングチームにて活躍していただきました。プロジェクションマッピングチームは複数学年で構成されており、かつ、イベントごとにチーム編成が変わるという難しいプロジェクトでした。その中の2年生から始まり、4年生まで様々な映像制作や現地テスト投影、本番、片付け等ありとあらゆるところで活躍いただきました。大変感謝しております。
 さらに、谷君はゼミ活動のみならず、学内外の多くのイベントや委員会、そのほかの活動を実施しており、毎日多忙な日々を送っている様子がわかりました。何事にも積極的に取り組む姿勢は素晴らしいと思っております。
 これからは社会に出て、多くの人たちが所属する組織の一員として谷君の個性を尊重しながら、社会に貢献できる人材に成長していってくれると信じております。大学で学んだいろいろなことを礎とし、より発展してくれることを心より願っております。
花川典子
経営情報学部学生広報委員会では、「じぇむ」の記事を書いていただける方・撮影をしていただける方を募集しています。興味のある方は担当教員(濱)か、教務課までお問い合わせください。