文:田辺千夏  撮影:炭家清花
 
 今回は、国家資格である宅地建物取引士(以下、宅建と略記)の資格を取得された経営情報学部3回生の芦村湖己(みずき)くんに取材させて頂きました。

毎日4時間勉強 夏休みは資格講座で6時間勉強

——:この資格を取得しようと思ったきっかけは何ですか?
芦村:大学で何か熱心に取り組んだ経験をしたいと思っていました。そこで、一回生の時に友達が宅建資格を取得したことがきっかけとなり、自分も資格取得に挑戦しました。
——:宅建は合格率が約16%という難関資格だそうですが、その資格にチャレンジした理由を教えてください。
芦村:合格率が低く難しそうに見えたのですが、仕事に就いてから取得するより、時間に余裕がある学生時代にしっかり勉強していたら取得できるのではないかと思いました。
——:宅建資格を持っていることで就活では不動産関連業界以外にどんな業界に活かすことができますか?
芦村:建築業界や金融業界に活かすことができます。建築業界では建築した物件を販売・賃貸の募集を行う為に、不動産部門がある企業があります。金融業界では住宅ローンの契約の際、貸し出し業務に必要な不動産の知識があることで活かすことができます。
——:宅建の受験を決めたのはいつですか?
芦村:大学2回生の4月です。
——:宅建に合格されたのはいつ頃ですか?
芦村:大学3回生の12月4日です。
——:何回目の受験で合格されましたか?
芦村:2回目です。1回目の受験は独学で試験に挑みました。2回生の4月から勉強を始め、試験を受けましたが不合格でした。独学では厳しいと思い、2回目は大学の宅建資格講座を受けました。3回生の4月から勉強を始め、試験を受け、合格しました。
——:勉強期間はどれくらいですか?
芦村:約一年間勉強し、資格を取得することができました。
——:宅建の試験科目を教えて下さい。
芦村:試験科目は、宅建業法・権利関係・法令上の制限・その他の法令の4科目です。四肢択一式による筆記試験で解答用紙はマークシート方式となっています。全50問あり50点満点中、配点がそれぞれ宅建業法20点、権利関係14点、法令上の制限8点、その他の法令8点です。
——:宅建の勉強で得意分野、苦手分野はありましたか?
芦村:宅建業法が一番得意なのですが、初めは伸び悩んでいました。なので、過去問で重点的に勉強しました。間違った問題は教科書を見直して、また繰り返し何度も解いて暗記しました。すると最終的に一番得点を取ることができました。苦手分野は権利関係です。特に抵当権が難しく、苦手を越えて嫌いでした(笑)。
——:一日の勉強スケジュールはどのような感じでしたか?
芦村:4月から7月までは一日4時間くらい勉強していました。学校の日は通学で電車に乗っている往復2時間の間に教科書を見て勉強をしました。授業の空きコマの時間は、図書館で教科書をみたり過去問を解いたりしました。夏休みの資格講座では朝10時から夕方まで6時間勉強していました。試験に近づく8月からは勉強時間をさらに増やしました。
——:私は大学で毎日4時間も勉強したことがないので驚きました。
学習方法を教えてください。
芦村:資格講座で教えてもらった内容を電車の中や家で何度も復習しました。そして全範囲の勉強を終えてから過去問を解き始めました。
——:勉強するにあたって自分の中で決めていたことはありますか?
芦村:気になった時にすぐに確認できるように教科書は常に持ち歩くようにしていました。
——:意識が高いですね!勉強のための教科書は何冊ありましたか?
芦村:講座の教科書は宅建業法・権利関係・法令上の制限・その他の法令の4冊と過去問の4冊の合計8冊です。他にも書店で過去問を買いました。
——:くじけそうになったときや、やる気が下がったとき,どんなふうに自分の気持ちをコントロールしましたか?
芦村:スマホなどを見てしっかり休憩を取り、メリハリをつけることを心がけました。

見直しで答えを変えた二問は、両方とも変える前の答えが正解で、絶望した

——:試験当日の気持ちはどうでしたか?
芦村:1回目の試験の時はとても緊張しました。会場が広く、試験中の周囲の鉛筆で書く音や雑音に飲まれないように必死でした(笑)。2回目は試験会場の環境に多少慣れ、気が楽でした。
——:宅建の試験問題を調べてみたのですが,50問に対して、試験時間は二時間で1問にかけられる時間は2分半もなく短く感じます。実際に試験を受けられてどうでしたか?
芦村:1回目の試験は勉強不足で見直す時間がなく、2時間でぎりぎり解けました。ですが、二回目の試験は20分残り、余裕を持って見直しをすることができました。
——:自己採点はされましたか?
芦村:一回目はしていません。二回目は、見直しの時間に四肢択一で迷っていた問題がありました。そして二問の答えを変えたところ、自己採点の際に二問とも変える前の答えが合っていることがわかり、絶望しました。合格発表まで後悔に苛まれました。でも、合格点が35点のところ、36点でした。
——:二点失っても合格点に達していてすごいですね!合格したときの気持ちを教えてください。
芦村:嬉しかったです。電車で結果発表を一人で見る予定だったのですが、友達がたまたま一緒の電車に乗っており、一緒に結果を見て祝福してくれました。
——:合格を親族に伝えた時はどんな反応をされましたか?
芦村:LINEで結果を伝え、おめでとうと祝福してくれました。
——:先生達に伝えた時はどんな反応をされましたか?
芦村:ゼミの先生からは、ガシッと握手されました(笑)。
——:宅建に合格して良かったことを教えてください。
芦村:難しい試験に合格する為の勉強をしたことがなかったので、宅建資格に合格したことで自分に自信がつきました。
——:宅建を目指している学生にアドバイスをお願い致します。
芦村:大学資格講座は一回一回の講座が大事です。一回休むとその内容が試験に出題されるかもしれません。なので、休まずに全て出席した方が良いです。

就職率が高いから阪南大に

——:次に、芦村さんについてお聞きします。阪南大学に入学された理由と経営情報学部を選んだ理由を教えてください。
芦村:自分の学力に合っており、就職率が高いという情報を聞いたので阪南大学を受けました。公募推薦で受けようとしていたのですが、高校の内申点で経営情報学部の指定校推薦が取れるのではないかと先生に言われて、指定校推薦で経情にしました。
担当教員注:
阪南大学は、東洋経済onlineの「本当に就職に強い大学」ランキングトップ150(2019/07/26)で、全国45位となっています。
——:出身校を教えてください。
芦村:和歌山県立和歌山北高等学校です。
——:どのゼミに所属しておられますか?
芦村:奥ゼミです。
——:そのゼミに入った理由を教えてください。
芦村:就活関連のことが学べると思ったからです。
——:ゼミではどのような勉強をされているのですか?
芦村:先生が教科書を用意し、グループごとに1章ずつパワーポイントを作成しプレゼンをしました。
——:次の目標を教えてください。
芦村:就活で内定を取ることです!

取材を終えて

 芦村くん、宅建試験の合格おめでとうございます。二回目の試験では時間が20分も余るほど十分に知識を身につけているのだと思いました。また、一回目の試験で不合格になっても諦めず努力し、結果として二回目で合格することができたお話を聞きました。達成できた喜び、自信となったことが芦村くんの表情と話し方で伝わりました。芦村くん、お忙しい中、取材にご協力いただきましてありがとうございました。
田辺 千夏

 まずは宅建合格おめでとうございます。芦村さんは通学時間や授業の合間など隙間時間を使っていて、私も資格の勉強をしようと思っているのでとても参考になりました。就職活動は大変だと思いますが、ご健闘をお祈りしております。今回はお忙しい中取材を引き受けてくださりありがとうございました。
炭家 清花

ゼミ指導教員より

 芦村君は、宅地建物取引士資格の取得のために、1年以上かけて準備していました。とても真面目で計画的に学習をしていたように思います。何より、継続的に学習をしていたことが合格につながったものと思います。そして、それが芦村君の強みだと思います。
逸話としては、ゼミの合宿にも問題集を持参しており、聞いたところ「時間があれば勉強しようと思っています」と言っていました。この一言がとても印象に残っています。現在は就職活動に向けて熱心に準備を進めています。例えば、自分の強みや弱みを把握しようと日々自己分析に励んでいるところです。
 最後に、粘り強さとあきらめない心は、何より人間的魅力を高めます。素直さがあればなお良いと思います。芦村君は地道に資格取得の準備に励み、また積極的に他の人の助言を聞くなど、人間的魅力にあふれています。芦村君のこれからの未来はきっと明るいものであると確信しています。おめでとう!!
奥康平
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