私たちの生活を見てみると,最近では,地下鉄や車の中などどこにいてもインターネットサービスを利用できる環境になりつつあり,ますます便利で効率的な情報化社会へと時代は進展しています.また,コンピュータのハードウェア,ソフトウェアが高機能化し,あらゆるビジネスで高度に情報機器が活用されるようになっています.経営情報学部では,このような情報化社会が進展するビジネス社会で活躍できる人材を輩出するために,経営と情報関連技術をバランスよく学ぶことのできるカリキュラム構成になっています.特に,1年次には,必修科目である経営学入門とIT(Information Technology)入門を配置して専門科目の基礎を学ぶとことになっています.
 IT入門では,情報技術の基礎を学ぶことを授業目標にしています.情報技術は,パソコンの仕組み,パソコンの構成,文字だけでなく画像,音声,映像などのデータ表現,情報通信技術の基礎を学ぶことになっています.情報通信技術は知識だけでなく実際にデータの取り扱いができる技量(スキル)の学習が不可欠です.そのため,情報処理技術関連科目では,理論と演習で構成される科目を設置して学習を深めることにしています.これらの科目群は,1年生の後期から2年,3年生に配置されていますが,その専門科目の学習に先立ち,情報処理技術の基本的な内容の学習がIT入門で提供されています.

 情報処理技術の学習を始めるときに戸惑う点は,情報処理技術に関連する多くの用語が頻出する点です.この情報処理技術を学ぶ際の戸惑いを小さくするために,入門科目,基礎科目,基幹科目と段階を追って学ぶことで,無理なく習熟できるカリキュラム編成にしています.IT入門はその最初となる科目として,1年生の前期に必修科目として配置されています.

 受講生が繰り返して学びを進めることができるように,1回の授業構成を(1)前回の復習テスト,(2)今回のテーマに関する講義,(3)確認テストとして,授業を行っています.前回の復習テストと確認テストはネット学習機能を活用して受講生が自ら学習状況を確認できるようにしています.初めて知った情報関連用語を繰り返しテストで学習することで修得できるようにしています.

 さらに,IT入門では,IT関連の業務がどのようなものであるかを体感できるように,IT関連で働く卒業生や招へいした講師による講話を授業の後半30分で取り入れています.IT入門では,このようなIT業界で働く講師のリアルな仕事についての講話を通して,情報化社会において,ITがどのように活用されているのか,どのような業務があるのかなど学生が自らのキャリアを考えるために必要な事柄を,情報関連技術の学習とともに学ぶ機会としています.学習の意味(何の役に立つのか)を理解すると目的意識が明確になり学習意欲が高くなるといわれています.卒業生による講話は,受講生にとって情報関連技術の学習の意味を伝える場として講義に取り入れ,学生の学習意欲の高揚もねらっています.

 情報関連科目は,初めてという入学生に対して,このIT入門によって情報処理技術に興味を持っていただき,情報化社会で必要とする知識の第一歩を修得できる授業となってほしいと考えています.
三好哲也(科目担当)