経営情報学部学生広報誌「じぇむ」no.6 経営情報学部オリエンテーション委員会委員長の本屋敷郁実さん

文:上谷 沙耶  撮影:山本 あづさ

 今回は、経営情報学部オリエンテーション委員会の委員長である3回生の本屋敷くんにインタビューさせてもらいました。すでに4回生は引退しているので3回生が委員長になっています。私(上谷沙耶)もオリエンテーション委員会に所属していたので、私にとって初めての後輩へのインタビューとなりました。

入門ゼミで1年生のサポート オープンキャンパスで学生企画

——:オリエンテーション委員会とはどういう組織ですか?
本屋敷:経営情報学部が持っている学生組織です。
——:いろんな学部イベントの企画・運営を学生主体で行っていますね。
活動内容を順番に教えてください。まずはSA(スチューデントアシスタント)からお願いします。

(担当教員注)SAは実習を伴う授業等で、教員の補助を行う学生です。入門ゼミ以外の授業(情報処理関係や簿記等)のSAは教員の推薦により採用されます。
本屋敷:オリエンテーション委員が担当するSAは1回生の全員履修科目である大学入門ゼミで、後輩のサポートを行っています。この授業で1回生はフィールドワークに行きます。去年はひらかたパーク、今年はみさき公園に行きました。そしてフィールドワークの成果を先生方や経営情報学部の1回生の前で発表を行います。1回生は5・6人が1グループとなり進めていくのですが、1回生だけで行うのは大変なので、各グループに1人ずつオリエンテーション委員のメンバーがサポートに入っています。
——:私も1回生の時、先輩からたくさんアドバイスをもらいました。サポートする側になってからも勉強になることがたくさんあり、私たちにも力がつきますよね!
オープンキャンパスではどのような活動をしていますか?
本屋敷:大学や学部のことについて来場者の方に説明をしています。基本的には高校生を対象にしているので、現役の学生が運営に回ることで魅力を伝えることができていると思います。

(担当教員注)経営情報学部はオープンキャンパスで学生企画のブースを設けており、これをオリエンテーション委員会が担当しています。
——:私たちが経験してきたことをありのままに話していますね。来場者の目的が学年や来場した月によって変わってくるので、それぞれに合った説明をすることが大事ですよね!

入学前オリエンテーションで入学予定者の学習・交流イベントを企画

——:入学前オリエンテーションの時の取り組みはどのようなことをしていますか?
本屋敷:阪南大学では、専願制入試で早くに阪南大学への入学が決まった高校生を対象にしたオリエンテーションが11月にあります。私たちはそれに参加する経営情報学部入学予定の高校生へ学習や交流ができるイベントを企画しています。

(担当教員注)阪南大学は、全学部で専願制入試合格者を対象にした入学前教育を実施しています。11月の入学前オリエンテーションは入学前教育の一環です。学習・交流イベントは経営情報学部独自の企画です。
——:経営情報学部合格者が入学前オリエンテーションに参加するメリットは何ですか?
本屋敷:経営情報について楽しく学んでもらえるところです。昨年度は授業で学んだマネジメントやマーケティングなどを簡単なゲーム形式にして、参加者に体験してもらいました、経営情報らしさを残しながら楽しさを伝えています。さらに、入学前に集まってもらうことで友達ができ、離学者対策にもなっています。

(担当教員注)離学者対策とは退学予防策のことです。経済的事情以外で自主退学に至る理由として、友達ができないために学校がおもしろくないことがあるとされます。阪南大学は、入門ゼミなどのオリエンテーション事業を通じて、新入生が自然に友達ができるよう工夫しています。また、保護者向けサイト(HUPAS)で学生の出席状況や時間割等を保護者が随時把握できるようにしています。

——:経営情報学部がある大学は近畿では阪南大学だけですが、私たちの生活に関わっていることもたくさんあるので、楽しみながら理解してもらえると嬉しいですね。
広報は何をしていますか?
本屋敷:学部のPRやオリエンテーション委員会活動のPRです。オープンキャンパスでフリーペーパーを配布しているのですが、学生目線で作成しているので大学のパンフレットとは違ったものになっていて面白いと好評です!
——:委員会メンバーの1日のスケジュールを載せていたりして楽しいですよね。
委員会内だけでのイベントもあると思いますが、これを行っている目的は何ですか?
本屋敷:委員会メンバーに楽しんでもらうために行っています。普段は係りごとに分かれて活動していることが多いので、メンバーとの交流の場にもなっています。
——:ゲームやBBQなどをしながらいろんな人と話せて楽しいですよね!

常に相手の立場になって考える

——:オリエンテーション委員会に入ろうと思った理由は何ですか?
本屋敷:大学生活で何かしたいと思っていた時に、仲良くなった先輩から誘われたからです。
——:委員会に入ってみてどうですか?
本屋敷:友達が増えました。また、人のことを考えられるようにもなりました。
——:先輩・後輩との関係はどうですか?
本屋敷:引退した先輩方とは今でも仲良くしてもらっています。後輩は人数が多いので全員と話ができるよう、会議の時に声をかけたり、少人数ずつ食事に行ったりしています。
——:後輩がたくさん入ってきてくれたのは嬉しいですが、全員と話す機会はなかなかつくりにくいですね。
本屋敷:そうですね。日々の活動でも全員で取り組めるように役割ややりがいを与え、モチベーションを保てるようにしています。
——:委員長は全員の気持ちを考えないといけないので大変ですね。
委員長は同期だけでの話し合いで決まったと思いますが、立候補したのですか?それとも推薦ですか?
本屋敷:立候補者はいませんでした。同期のメンバーで僕を推薦してくれる子が多かったので委員長になりました。
——:嫌だという気持ちはなかったのですか?
本屋敷:なかったです。このまま委員会を続けていくなら中途半端では意味がないと思ったので委員長になることにしました。
——:今までに生徒会長やクラブ部長などの経験はありましたか?
本屋敷:無いです。初めてです。
——:戸惑うことはなかったですか?
本屋敷:ありました。目的の違う人の上に立つことの難しさを知りました。全員が同じ考えではないことに気づいたのは、同期から「やり方についていけない」という厳しい意見をもらったからです。オリエンテーション委員会には「友達をつくりたい」「SAをしたい」「オープンキャンパスの企画をやりたい」などそれぞれ違う目的をもって入ってきています。委員会の一部の活動に興味を持ってくれている人はたくさんいるのですが、それぞれの目的とは違ったイベントでの活動もあるので、委員長としては全員の目的を理解したうえで全体をまとめ、各イベントに臨んでいます。全員が活動しやすい環境をつくるため、目的としていない部分にも魅力を感じてもらい、新しい目的に変えていくという部分に一番戸惑いました。
——:委員会に入った理由はそれぞれ違い、イベントの種類も様々なので、すべてで全員のモチベーションをあげるのは大変ですよね。
本屋敷:考え方もそれぞれなので衝突や価値観の違い、意識の違いも多くみられるので、それを調整し全体に交渉することが必要になります。
——:衝突はよく起こってましたね(笑)
対策はどのように考えたのですか?
本屋敷:同期や先輩に相談しました。特に昨年の委員長にはたくさんアドバイスをもらいました。
——:委員長を経験して学んだことは何ですか?
本屋敷:前に立つ人、引っ張っていくことの大変さを知りました。また、人とのかかわり方を学び、常に相手の立場になって考えることができるようになりました。

新メンバー募集

——:オリエンテーション委員会の新メンバー募集期間と入ってほしい人物像を教えてください。
本屋敷:募集期間は9月27日から10月20日までです!期間中の水・木・金曜日、お昼休みから4限まで、図書館前に募集ブースを設けています。経営情報学部で主体的に行動したい人、オリエンテーション委員会の活動に興味を持ってくれている人、途中で投げ出さない人に入ってきてもらいたいです。募集ブースでは委員会メンバーから直接話を聞くことができるので、委員会についてもっと知りたい人、入るか迷っている人もぜひ来てみてください!!
——:委員会に入ると得られるメリットは何ですか?
本屋敷:学部内の友達が増えます!大学生活が有意義になります!何かをしているのと、していないのとでは違うと思います。企画や運営を楽しみながら学ぶこともできます!
——:そうですね。私も委員会に入ってよかったなとおもっています!
本屋敷:沙耶先輩はどうして委員会に入ったのですか?
——:逆インタビュー!!
私は1回生の時に大学入門ゼミでサポートしてくださった先輩のアドバイスがすごくて、憧れたことがきっかけです。その後、先輩から委員会の活動内容を教えてもらうようになり、入ることにしました。部活やサークルに所属していなかったことも理由の1つです。
本屋敷:やっぱりSAが与える影響は大きいですね。
——:そうですね。SAをしてもらった先輩に誘われて入ってくる子が多いですね!

取材を終えて

・今回は一緒に活動していた仲の良い後輩へのインタビューということで話しやすかったです。人の上に立つことの難しさを知ることができました。私はオリエンテーション委員会のメンバーとして活動していただけで、全体のことまではあまり考えていませんでした。しかし、委員長はたくさん考え、行動してくれていたことを知り、今更ですが感謝します。
上谷沙耶


・本屋敷君とは、以前、大学入門ゼミのプレゼンテーション大会での学生広報委員会の活動紹介打ち合わせでお話させていただいたことがありました。その際、スムースに打ち合わせができるように資料を事前に用意していただいたり、また他の委員のメンバーに休憩を取るように指示していたりと、相手のことを考えられる方なんだなという印象を受けました。委員長として、委員会をまとめるために様々な工夫をされていることが知れ、私自身も参考にさせていただこうと思いました。ありがとうございました。
山本あづさ


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ゼミ指導教員より

福重八恵(2018年6月追記)

本屋敷君は、ゼミ内では「副代表」という役割を担っていました。私のゼミでは、学生が多くの企業関係者と直接関わりながら取り組む産学連携活動を行っています。そのため、副代表は、代表をサポートしてゼミ内をまとめながら、対外的にも様々な仕事をしなければなりません。本屋敷君は、その両面をしっかり遂行できる人物です。4回生になった今は、後輩たちが手掛けている産学連携プロジェクトの相談役として、様々な角度から親身にアドバイスをしてくれています。後輩たちにとって大変頼もしい先輩です。本屋敷君の今後ますますの活躍を期待しています。