経済学部では、学部の「特色ある教育」を更に充実させるため、社会(人)・企業との接点を学生に提供する授業の一環として、2022年度の「営業活動実務」(経済学部非常勤講師 村田敏也先生ご担当)において村田先生の豊富な人脈を活用したゲスト講師による講義を実施しています。今年度の2回目として、2022年12月5日(月)、株式会社NASU代表の前田高志様と同執行役員の浜田綾様のお2人をお招きし、「人生をBREAKING DOWNせよ!」というテーマで授業をしていただきました。

以下、村田先生にその内容(要点のみ)をご報告いただきます。
株式会社NASUについて
デザイナー前田高志が代表を務める株式会社NASUのNASU(ナス)という屋号は「為せば成る」に由来しています。「為す・成す」二つの言葉は辞書を引くと、同じ場所に書かれてあります。意味は「作り上げる」「築き上げる」。これはデザインをすることの意味に非常に近い。誰かが成し遂げたい「夢」や「想い」をデザインの力で作り上げる。デザインは小さな気配りの集まりです。小さな一つのブロックを一歩一歩積み上げ、強固なブランドを築き上げていく、そんなブランディングを中心としたデザイン全般、コミュニティ設計・運営、コンテンツ制作など幅広く対応しています。

株式会社NASU ホームページ
https://nasu.design/

前田高志様について
株式会社NASU代表取締役のクリエイティブディレクター/デザイナー。2016年、任天堂退社後にNASUを設立。クリエイターコミュニティ前田デザイン室・室長でもある。幻冬舎から『勝てるデザイン』、MdNから『鬼フィードバック』を出版。餃子が好き。

浜田綾様について
株式会社NASUの執行役員。大学卒業後、事務職(この間結婚、出産)、ブロガー、ライターを経て2020年4月NASUに入社。広報、コミュニティ事業担当。前田デザイン室のコミュニティマネージャー。 『勝てるデザイン』の執筆・編集協力。

授業の内容

前田高志のブレイキングダウンな人生
1.任天堂を去れ(人生のデザイン)
2.フリーランスの不安を壊せ(人と人とのつながりのデザイン)
3.任天堂の年収を超えろ(お金のデザイン)
4.あがり症の自分をぶっ倒せ(自分のデザイン)
5.佐藤可士和に歩み寄れ、闘え(未来の自分でのデザイン)

浜田綾のブレイキングダウンな人生
1.34歳でデビュー(ただの主婦からのブレイキングダウン)
2.本を作りたくて箕輪編集室、前田デザイン室へ(編集を学びにきたのに求められたのは違った)
3.素人出版革命『マエボン』(本を作る喜びを知る)
4.筆一本で食べていくのをやめる(コミュニティと書くことの両立)
5.ブックライターデビュー『勝てるデザイン』(クリエイターの翻訳者へ)
当日はなんということか、9時23分頃の阪和線(天王寺駅~美章園駅間)で発生した車両トラブルのため、大阪環状線の列車に遅れや運転取り止めが発生。多くの学生がこの授業に遅延するというハプニングで始まりました。

そんな若干の遅れのスタートでしたが、お二人の絶妙なトークが繰り広げられました。お二人のお話から、心に響いた内容を少し共有したく思います。

前田さんの人生のスローガンは「おもろ、たのし、いいな」。

親の認知症から自分の人生を考えて任天堂を去り、フリーランスの道へ。自分で人と人のつながりをデザインすることで、仕事も徐々に知られて、来てもらう営業、行列をつくる営業スタイルも出来上がる。人生において、そんなブレイキングダウンのきっかけは必ずあるはず。最初はあがり症でも、「ゆる楽しい」パターンでなんとかなるもの。苦手や不得意を改善しただけで成功した人がいるわけでなく、場数とちょっとした高いイメージを持つことが大切だと思うね。自分の王道を探して、ちょっとだけ無理をしてみる。そんな人生デザインを考えると、いろんなことができるような気がする。

浜田さんの人生のスローガンは「やさしく、つよく、おもしろく」。

普通の主婦からライターへ、そして本を作りたくなった。本作りを目指したが、人から言われて、コミュニティのお母さん役もしてきた。人に言われて初めて自分で気づくことがある。そんな気づきのおかげで自分ができることも発見できた。また、本当にやりたいことがあったら素直に手をあげることかな。後に「素人出版革命者」と評された『マエボン』という雑誌の編集長に立候補して、熱量が凄すぎて、家族関係にひびが入りかけたが、そんなやりたいことを見つけたら家族も応援してくれた。現状を壊すタイミングやきっかけは何かしらあるはず。人から言われたことはお金よりも価値があるから忘れないようにメモっておいてね。

お二人のお話を聞いて「自分の人生をデザインするチカラを持てば、強く生きることができるのだろうな」と感じました。さて、学生のみなさんは、この授業から、どんなキーワードを持って帰ってくれたのでしょうか?


授業の最後には、流通学部の倉本望未さんが初めて挑戦したリアルタイムのグラフィックレコーディングも完成しました。

左から、前田さん、浜田さん、村田(非常勤講師)、倉本さん(学生)


最後に前田高志さんの著書を2冊紹介します。興味持たれたらぜひ読んでみてください。

※グラフィックレコーディング作成:
 倉本 望未(阪南大学 流通学部)
※文責:
 村田 敏也(阪南大学 経済学部 非常勤講師)