— 合同会社Konnect代表・内田圭様による「洞察力を鍛えよ」 —

2026年7月13日(月)、経済学部の授業「実務講座A(営業活動実務)」において、合同会社Konnect代表の内田圭様をゲスト講師としてお招きし、「洞察力を鍛えよ」をテーマとした特別講義を実施しました。

本講義は、経済学部が推進する「特色ある教育」の一環として、社会や企業と学生をつなぐ実践的なプログラムです。授業を担当する村田敏也非常勤講師のネットワークを活かし、2026年度もさまざまな業界からゲスト講師を迎えています。

以下、村田先生による講義レポートをお届けします。

内田圭様について

鹿児島県鹿児島市出身。大学卒業後、スポーツクラブ勤務を経て、個別指導塾の教室長・代表を務める。現在は合同会社Konnectの代表として、企業や個人の広報支援、動画の企画・編集、SNS戦略の立案、インフルエンサーを起用したイベントの企画など、多方面で活動されています。

AI時代をどう生きるか

講義は、「AI時代をどう生きるか」「人にしかできないことは何だろう」という問いから始まりました。

内田様は、大切な知人との別れや自宅の火災など、ご自身が経験した予想外の出来事についても率直に語られました。「まさか」と思うことは誰の人生にも起こり得ます。しかし、起きた出来事をどのように受け止め、その後をどう生きるかは、自分自身で選ぶことができます。

また、会社経営には、資金面の責任や休日の少なさ、意思決定の重圧など、多くの苦労が伴います。それでも、それを自分で選んだ生き方として引き受けることも、一つの人生の形であると話されました。

学生たちは、「どのような人生を送りたいのか」「後悔の少ない人生にするために、今何ができるのか」を考えました。

幸せは他人と比べられるのか

学生時代には、成績や運動、進路など、さまざまな場面で他者と比べられることがあります。しかし、幸せも同じように比べることができるのでしょうか。

例えば、都会で月給40万円、生活費が30万円の場合と、地方で月給25万円、生活費が15万円の場合では、どちらも手元に残る金額は10万円です。では、どちらの生活が幸せなのでしょうか。

この問いに、誰にでも共通する一つの正解はありません。大切なのは、社会や他者が示す基準だけで判断するのではなく、自分にとって何が大切なのかを考えることです。

また、「電気自動車は環境にやさしい」と言われますが、その電気がどのようにつくられているのかまで考えると、別の視点も生まれます。表面的な情報だけで判断せず、「本当にそうだろうか」「その背景には何があるのだろうか」と考えることが、洞察力の出発点です。

「当たり前」を問い直す

現在では、Amazonで本を購入し、スマートフォンで好きな動画を見ることが当たり前になりました。Uberでは個人が所有する車が移動サービスに、Airbnbでは個人が所有する家や部屋が宿泊サービスに活用されています。

かつて捨てられていた食材に新しい価値が見いだされたり、民間企業が宇宙開発を担ったりするなど、これまでの常識は次々に変化しています。

今の「普通」が、これからも普通であり続けるとは限りません。既存の仕組みを当然のものとして受け入れるのではなく、別の使い方や新しい価値の可能性を考えることが重要です。

洞察力のある人とは

内田様は、洞察力の出発点を、目の前の出来事に対して「何かおかしい」「なぜだろう」と気づくことだと説明されました。

私たちは、家庭や学校、社会の中で、「〇〇することが普通である」という価値観を無意識のうちに身につけています。しかし、正解が一つではない時代には、その「普通」を一度問い直し、異なる視点や切り口から物事を見ることが求められます。

これから必要なのは、用意された正解を選ぶ力だけではありません。失敗を恐れず、自分で考え、自分なりの正解をつくる力です。

内田様からは、「脱・普通思考」を意識し、困難に直面したときにも、その状況から何を学び、どのように楽しむことができるかを考えてほしいというメッセージが送られました。

そして、幸せの形も人それぞれです。自分の幸せを他者との比較だけで決めるのではなく、自分自身で選び取ることの大切さが伝えられました。

事前質問や質疑応答

義では、学生が事前に提出した質問にも答えていただきました。

・これからの時代のキャリアチェンジについて
人が変わる、あるいは自分を変えられるきっかけや転機は、必ず訪れる。
・内田様の仕事上のマイルール
スピードを大切にすること、そして相手をよく知ること。
・仕事の極意とは
目の前の仕事に本気で取り組むこと。
・学生へのアドバイス
学生のうちに、たくさん失敗してほしい。失敗は将来の糧になる。
・SNS時代の情報発信について
誰に向けた発信なのかを明確にし、内容や見せ方に統一性を持たせること。
・苦労や失敗に直面したときには
困難な状況の中にも、楽しめる部分や学べることを見つけてほしい。

学生からの質問一つひとつに、ご自身の経験を交えながら率直に答えていただきました。

授業後の学生の声

授業後の感想では、「AI時代だからこそ、自分で問いを立て、考える力が重要である」という意見が多く見られました。

また、「失敗を恐れず挑戦すること」「『普通』という固定観念にとらわれず、異なる視点から物事を見ること」「表面的な情報だけで判断せず、背景や本質を考えること」の大切さを実感した学生も多くいました。

営業活動との関連では、「営業とは、商品を一方的に売ることではなく、相手を知り、まだ言葉になっていない課題を見つけ、解決策を提案する仕事である」という気づきも寄せられました。洞察力が、新しい発想を生み出すためだけでなく、相手を理解し、信頼関係を築くためにも必要な力であることを学ぶ機会となりました。

授業を終えて

今回の授業を通して学生たちは、洞察力とは、特別な才能ではなく、日常の中で「なぜだろう」「本当にそうだろうか」と問いを持つことから始まると学びました。

AIが多くの答えを提示してくれる時代だからこそ、人には、問いを立て、異なる視点から考え、自分なりの答えをつくる力が求められます。

「普通」にとらわれず、失敗を恐れずに行動すること。そして、自分にとっての幸せや生き方を自分自身で選ぶこと。学生たちにとって、これからの学び方や働き方、人生について考える機会となりました。

講義終了後の記念写真

  • (写真:左から)合同会社Konnect代表の内田圭様、村田敏也先生

※文責・写真・グラフィックレコーディング:村田 敏也(阪南大学 経済学部 非常勤講師)