経済学部では、1年次生必修の基礎教育科目として「大学入門演習」を開講しています。大学生活に必要なスタディ・スキルズを身につけ、それらの技術を駆使しつつクラスメイトたちと共同で研究をおこなうことが、この演習の第一目標です。演習科目ですので、グループワークに重点を置いているのですが、今年度はコロナ禍の影響で、大部分を「PCやスマホの画面越し」で行うことになってしまいました。
 毎年、後期「大学入門演習b」において開催している課題成果報告会は、クラス対抗のプレゼンテーション大会であり、この授業における成果を示す場となっています。この報告会では、授業をつうじて身につけた情報収集や文章要約、プレゼンテーションに関する技術を駆使し、クラスメイトと共同で調査した成果を報告します。これまでは講堂で行われてきたのですが、今年度は感染対策のため、2020年12月22日(火)に、1限目クラスと2限目クラス(各8クラス)に分かれ、831教室を「スタジオ」として、そこからTeamsを用いて4つの教室に「ライブ配信」する形で報告会を行いました。
 今年度は、各報告を授業担当教員各8名と学生によって評価する形式をとりました。そして、それぞれの評価を総合して、各時限の上位3位までを表彰しています。入賞したクラスのテーマは以下のとおりでした。

表彰対象報告のテーマ

1限目

1位 若者のネット利用に対する危機感
2位 ファッションマスクについて
3位 YouTube—収益の仕組み

2限目

1位 大卒後の一人暮らし
2位 海洋ゴミとは?
3位 ペットが人に与える効果
 2020年はなんといってもコロナ禍によって、学生生活が一変した1年でした。そうした状況を反映して、発表で扱われる内容も、直接「コロナ」を扱ったものから、「環境問題」、「インターネット」、「自宅での過ごし方」など、コロナの影響を感じさせるものに偏っていたように思います。また、例年に比べ、遠隔授業を通じて(教員が作成する)パワーポイント資料に触れる期間が長かったためか、どのクラスも例年以上に提示資料の質が高く、見やすさや分かりやすさだけでなく、情報を印象的に伝えられるかどうかという点にまで配慮が及んでいました。
 遠隔授業は、学生にとっても教員にとっても大きな負担でしたが、このように、予想外な良い副産物も生まれていたのかな、と前向きに考えることもできるかもしれません。

 本事業は、阪南大学学会2020年度学部教育研究活動助成事業補助を受けて実施しました。ご支援いただいたことに感謝いたします。