阪南大学経済学部のビジネス統計分析パッケージでは,毎年,学修した統計学・計量経済学・データ分析技術をもとに,各ゼミ(西本ゼミ,村上ゼミ)の中で4つ程度結成されるグループが,それぞれ独自にテーマ・分析課題を設定し研究した結果を発表する機会を設けている。毎年年末に実施される2年次生のビジネス統計分析パッケージ学生研究発表会である。
 今年度は,コロナ禍の中で対面(ゼミ)での議論が制約される状況であり,報告会の開催さえも危ぶまれた。調整の結果,2020年12月22日にMicrosoft Teamsを用いたオンライン報告会を開催することとし,各ゼミ・グループが報告を行った。各ゼミ・グループの発表に対して,学生同士の活発な議論がなされた。また,3~4回生の参加もあり,上回生も各グループの報告に対する評価に加わった。
 各グループの研究成果としては,昨今のコロナ禍にある中で,コロナというホットトピックを取り扱ったものもあり,一方で,あえてそれを避けたと思われるものもあった。
いずれの報告も非常に興味深く,また,プレゼンテーションの技量については各グループとも長けたものがあった。報告・質疑応答が面白く,非常に有意義な報告会となった。
 合計8グループの報告があった。報告のタイトルは以下のとおりである。(報告順)

第一報告:ファッションへの関心から特徴が丸裸!?
第二報告:コロナ禍による駅,周辺の人流変化
第三報告:ゲームへの依存・課金あなたは大丈夫?
第四報告:コロナ克服への近道
第五報告:gotoトラベルみんなはどうする!?
第六報告:喫煙率の変化
第七報告:若者とSNS ~SNSに変化が…?!!~
第八報告:出生率と同性婚に相関性はあるか?

 各報告に対して,学生と教員が採点を行い,その総合点の上位3グループに副賞として図書カードが与えられた。1等は「出生率と同性婚に相関性はあるか?」であり,2等は「gotoトラベルみんなはどうする!?」,3等は「ゲームへの依存・課金あなたは大丈夫?」となった。
 統計学,計量経済学の知識,そしてデータ分析技術を吸収している途中であることもあって,冒険する・格好をつけることがなかったことが惜しい点であった。これまで得た知識と技術で取り扱うにはいささか手強いデータが目の前に出現する中で,もう少し高度な分析に取り組んでみようという動きがあっても良かったのではないかと感じた。この報告会を契機として,今後もさらなる専門知識の獲得に貪欲に取り組んでほしい。

謝辞 本事業は阪南大学学会2020年度学部教育研究活動助成事業補助を受けて実施しました。ご支援を頂いたことに感謝いたします。