2019年度実施(統計質保証推進協会)の統計検定の2級に、経済学部のビジネス統計分析パッケージの羽田敏彦君が、同じく3級に同パッケージ所属の磯本紘佑君が合格しました。この検定は日本統計学会が公式認定し総務省が後援しているもので、ビジネス統計分析パッケージとしても受験を推奨してきました。経済学部のビジネス統計分析パッケージでは、過去に2級に2人の合格者がいますが、彼らに続いてくれたということで、私を含めパッケージの先生方も大変喜んでいます。
 ITの進歩によってデータ取得が容易になったこと、統計ソフトの機能向上と普及に伴い、今後ますます社会とビジネスの現場でデータ分析の需要が増えてきています。統計学はそのための重要な理論的な道具です。この統計検定も時代の要請に応じて、創設されたものといえますが、その統計学を駆使する知識と能力を持っていることを、二人は検定合格という形で証明したことになります。
 統計検定の問題は専門的でかつ多岐に渡り、通常の経済学部の統計学関連の科目で教える以外の内容を含み、数学的に難しい問題も多いです。その点で、理工系の学部に較べて経済学部の学生にとっては難関といえます。当然ながら、授業を受けるだけで合格するのはまず無理です。二人とも授業以外でもずいぶん勉強したと思います。
 また、この検定合格のために身に付けた数学・統計学の力は、就職活動での筆記試験をはじめ、その後の企業やビジネスの現場において役に立つことはいうまでもありません。
 残念ながら、今年度2級を受験して不合格となった学生もいますが、卒業後またチャレンジすると言ってくれています。大学で真剣に学んだことは、自己を形成し、自身を内から支えることになります。今後もこの二人に続く合格者が出ることを期待しています。
青木 博明