2020.2.21

阪南大学経済学部奨学金(2019年度)奨学生レポート⑤「キャリアアップ」枠公務分野奨学生 潟山菜月さん(4年生)&吉田誠さん(4年生)

 阪南大学経済学部では、「キャリアアップ」枠並びに「リーダーシップ」枠という学部独自の給付制奨学金制度(2・3・4年次生各5名、1名につき年間給付額40万円)を用意して、学生の成長をサポートしています。
 「キャリアアップ」枠は、公務・金融・国際という三つのキャリア分野を設け、学業成績が優良で主体的に進路目標の実現をめざして資格取得等に励んでいる学生に給付される奨学金です。
 「リーダーシップ」枠は、学業成績が優良で経済学部や大学が主催する行事等の企画・運営で中心的な役割を果たした学生に給付される奨学金です。
 今回は、2019年度「キャリアアップ」枠公務分野奨学生である潟山菜月さん(4年生)&吉田誠さん(4年生)の活動成果を紹介します。

経済学部4年生 潟山菜月さん

 私はこの1年間、公務員を目指し、公務員試験の勉強をしていました。公務員になって人々の暮らしが豊かになるようサポートしたいと強く考えていた私は、予備校に通うことを決め、奨学金はその費用に使わせていただきました。思い返してみると、この1年間は勉強ばかりの日々でした。
 大学の授業がない日は朝から予備校に行って自習し、持参した昼食をとり、また昼から夕方まで自習し、夕方から夜まで予備校の授業を受け、休憩時間中に夕飯をとり、家に帰って寝るという生活の繰り返しでした。毎日勉強ばかりで辛くなることも多々ありましたが、アドバイザーと呼ばれる先輩方やたくさんの先生方、事務所のスタッフが親身になって話を聞いてくださったことや、同じ目標を持った予備校の友達や仲間と話してお互いを支え合うことで、モチベーションを保ち、楽しく過ごせたのではないかと考えています。また、勉強量の多さに嫌になることはありましたが、問題が解けたときの達成感や喜びはこの上ないもので、そのことも充実した日々を送れた一つの要因だったと思います。さらに、勉強だけでなく、面接のための自己分析や志望動機を考えることも重要でとても大変でした。しかし、これらをしっかり行うことで、自分のことを知り、将来についても考えられる良い機会になったと考えています。
 とはいえ、公務員試験は長期戦のため、やはり心がすり減るほど辛い時期もありました。特に辛かったのは春から夏頃にかけての時期で、周りは次々と就職先が決まっているのに自分だけ就職先がなかなか決まらず、とても苦しい日々を送っていました。しかし、本気で向き合っていたからこそ、辛いと感じていたと思いますし、その悔しさがバネになり、その後の就職活動でも頑張れたので、良い経験を得られたかなと今では思っています。
 結果的に公務員にはなれませんでしたが、これまで本気で頑張ったことはすべて自分の財産になりますし、自信にも繋がると考えています。これらの経験が活きたからか、8月頃から民間企業への就職に方針転換したところ、就職したいと思った食品業界の企業に就職することができました。紆余曲折ありましたが、公務員を目指して勉強を頑張ってきたこと、途中から民間企業に方針転換して就職できたことのいずれについてもとても満足しています。
 これらの経験を活かし、社会人になっても常に自分を客観的に見て、自分の理想に近づけるよう努力していきます。

経済学部4年生 吉田誠さん

 私は経済学部経済学科、公共サービスパッケージの吉田誠と申します。以下では私の奨学生としての1年を振り返りたいと思います。
 私は、市役所への就職を目指して公務員講座などを受けていましたが、残念ながら採用試験に合格することは叶いませんでした。受験した自治体以外の就職は考えていなかったので、受験後から民間企業へ就職活動を始めました。多くの就活生より出遅れてしまい、内心すごく焦りました。しかし、一次試験でよく利用されるSPIなどは公務員講座などで身につけた知識で挑むことができ、これまでやっていたことは無駄ではなく自分のためになっているのだと改めて認識しました。そして、これらの活動を行うに際して奨学金が大変役に立ちました。
 実際、就職活動中には様々な不安がありました。その1つが試験会場や就職活動イベントに向かうために必要な交通費の負担です。その会場に向かうためにかかる金額は1回あたりは僅かでしたが、あべのハルカスやインテックス大阪などで開かれるイベントへの移動、一次試験や二次試験などで、日に数回、複数の電車を乗らなければなりません。まさしく「塵も積もれば山となる」で、最終的に大きな負担になりました。私は、その負担を奨学金で補うことで、無理なく就職活動に臨むことができました。
 結果として、希望していた民間企業から内定をいただくことができ、非常に有意義な学生生活を送ることができました。
 さらに、少しでも阪南大学に恩返しがしたいと思いから、努力してきたことがあります。それは天美駅前東商店会と天美商店街復興組合の飲食店を取り上げた「天美商店街MAP」を作成したことです。私の大学生活の一番の思い出でもあります。阪南大学に奨学生として選ばれ、その自覚のおかげで、商店街MAPの作成を最後までやり通すことができました。また、本企画に携わってくれたゼミの後輩たちや同期のゼミ生、そして担当教員の中原先生にはたいへんお世話になりました。
 卒業後も阪南大学卒業生として、また経済学部の奨学生であったことを自覚し、自主自立の精神をもって活動してまいります。