昨年12月2日(日)に全国で一斉に法学検定試験が実施されました。本学は同試験の団体受験校としての認定を受けており、本学の学生であれば、本キャンパスにおいて一般受験よりも割安な料金で受験することができます。

 法学検定試験とは、法学に関する学力を客観的に評価する、わが国唯一の全国規模の検定試験です。難易度に応じて、ベーシック(基礎)コース(法学部1年次生~2年次生程度)、スタンダード(中級)コース(法学部2年次生~標準的な3年次生程度)、アドバンスト(上級)コース(学習の進んでいる法学部3年次生~法学部修了程度)の3種類に分かれ、本学ではベーシック・スタンダードの2コースを実施しています。
 法学検定試験はあくまで法学に関する知識の確認を目的としているので、この試験に合格したからといって公務員や民間企業にそのまま就職できるわけではありません。しかし、試験科目に法学科目が含まれている公務員試験その他の資格試験の合格を目指すうえで現在これらの科目をどこまで理解できているのかを確認する手段として、あるいは民間企業へ就職活動する際のアピール材料として、この試験の合格を目指すことは非常に有益です。
 今年度、本学からは、スタンダードコースにおいて4名の学生が法学検定試験に合格しました。

 以下、スタンダードコース合格者2名のコメントを掲載します。

中村知樹(経済学部3回生、岡根好彦ゼミ)

 私が法学検定試験を受けたきっかけは、公務員試験に向けた対策のためです。私は自分の地元に直接関わった仕事ができる公務員に憧れ、日頃から公務員試験に向けた学習に取り組んでいます。公務員試験は一般的に筆記試験、論文試験、面接試験で構成され、大卒程度の筆記試験では高校までに学習する数学や歴史などの教養科目に加え、大学で学ぶ経済学や法律系科目を含む専門科目が出題されます。そのため、法律系科目の理解は必要不可欠であり、また面接でのアピールにもなると考え、同試験を受けました。
 私は2回生のときに憲法や民法、刑法の基本的な部分を大学の講義を通して学習し、3回生のときは講義ノートと参考書を用いてさらに理解を深め、法学検定試験の問題集を使った勉強にも取り組みました。実際に問題集を使って問題を解き、解説を読めば各科目の重要なところの学習ができるため、効率が良く何周も繰り返し解くことができ、理解の幅が広がりました。公務員試験の勉強では法学検定のみではなく教養科目などの学習も同時に行わなければいけないことから、これらの両立は大変でしたが、最後まであきらめず試験当日を迎えることができました。
 法律系科目を学ぶまでは難しい言葉が多く堅苦しいイメージがありましたが、学習を進めていくうちに、法律は私たちの生活にとって身近な存在であることがわかりました。法学検定に合格できたことで自分がどの程度、法律を理解しているかを確認することができ、公務員試験への励みにもなりました。公務員試験においても最後まであきらめず合格を目指して努力していきたいです。

吉田誠(経済学部3回生、中原隆幸ゼミ)

 私は法学検定というものを2回生の憲法の授業で知りました。興味はあったのですが勇気が出ず2回生ときは受験しないで後悔しました。なぜなら私が目指している公務員には法学の知識が必須でこの段階ではまるで対策ができていなかったからです。一方で友人は2回生で法学検定に合格し、私のなかで焦りのようなものもありました。
 そこで、3回生では必ず法学検定試験(スタンダード)を受けて合格するという目的を立てて行動をしました。私が法学検定を合格するためにしたことは2つです。
 まず、学内で実施されている法学検定対策の授業を受けました。講義の前半と後半では検定試験の過去問題を練習できるので実践的な力をつけることができました。そのおかげで私は数多くの問題を解くことができ、それが合格につながったと考えています。また、授業のなかで先生が試験についてのアドバイスしてくださったことも私としては非常に心強かったです。
 次に法学検定合格のため私がしたことは問題集の問題を大量に解き続けたことです。当たり前のことですが、試験合格にはこれが一番大切だと私は思います。法学検定で出題される多くの問題は問題集から抜粋されるので、これらを解くことが合格の近道になります。受験を考えている人はぜひ問題集の問題にチャレンジしてください。
 なお、少しでも挑戦を考えている人は安心してください。法学検定だからといって長期間、毎日勉強をする必要はありません。実際、私がしっかりと法学検定の準備を始めたのは試験日の1ヶ月前からでした。公務員の勉強や定期試験の準備などがあり、なかなか勉強に取りかかれなかったため、半ば諦めかけていたのですが最後まで粘って過去問題を解いたことが合格につながったのです。諦めずに問題集を最後まで解ききることが大切です。
 今回、法学検定試験を受験したことで公務員試験の法学の面での対策をすることができ、自分の目標としている公務員に一歩近づくことができました。そして、今さらですが、最後まで諦めないことの大切さを学ぶことができました。潔く諦めた方が清々しくて良いと昔の自分なら考えていたこともありましたが、今では泥臭く、粘り強く行動することができるようになったと感じています。
 最後に、私はこの経験を通じて培った粘り強さで公務員試験や就職活動に挑戦して悔いのない最後の大学生活を過ごすことを目標に日々邁進していきます。
 以上のように、今年度は公務員志望の学生が法学系科目を勉強する一環として、法学検定を受験するという形が多かったように見受けられました。過去には法学検定試験の合格をステップとして地方上級試験に合格した学生もおり、今後も本学経済学部は公務員志望者をサポートする意味でも積極的に法学検定試験の実施を推進していきたいと考えています。また、本学の学生が公務員試験その他の資格試験に挑戦、合格できる素地を作れるように法学検定試験の実施以外にも様々な取り組みを実施していきたいと考えています。