阪南大学経済学部では、「キャリアアップ」枠並びに「リーダーシップ」枠という学部独自の給付制奨学金制度(2・3・4年次生各5名、1名につき年間給付額40万円)を用意して、学生の成長をサポートしています。
 「キャリアアップ」枠は、金融・公務・国際という三つのキャリア分野を設け、学業成績が優良で主体的に進路目標の実現をめざして資格取得等に励んでいる学生に給付される奨学金です。
 「リーダーシップ」枠は、学業成績が優良で経済学部や大学が主催する行事等の企画・運営で中心的な役割を果たした学生に給付される奨学金です。
 今回は、2018年度「キャリアアップ」枠・金融分野奨学生である平井健五さん(2年生)、池本拓都さん(2年生)、大坂成太さん(3年生)の活動成果を紹介します。

経済学部2年生 平井健五さん

 経済学部2回生の平井と申します。私は経済学部奨学金制度を1回生のときに知り、今回奨学金に応募しました。奨学金をいただいたことで、アルバイトに割いていた時間を最小限にすることができ、現在は勉学や他の活動に時間を有効に使っています。また、応募の際は自分の将来を見直す良い機会になりました。
 私は将来財務専門官になりたいと考えています。財務専門官は公務員です。そのため、私は公務員関連のプロジェクトゼミに所属しています。同ゼミは警察官・消防士・市役所・国家公務員などの合格を目指しています。ゼミでの活動は授業中に公務員試験の過去問を解き確認テストなどを行なっています。また夏休みなどの長期休暇の際には合宿があり、勉強はもちろんのこと行政関係の施設などを見学しています。
 また、今年度は日商簿記3級とFP (ファイナンシャル・プランナー) 3級と法学検定試験スタンダード〈中級〉コースに挑戦しました。挑戦しようと思った理由としては、大学に進学したので何かに挑戦して意義のある4年間にしたいと思ったからです。そして、簿記やFPを選択したのは就職活動のときにアピールすることができ、また一生使える資格であるからであり、法学検定を選択したのは公務員試験の対策になり、また法律に興味があるからです。これらの資格試験に合格するため、奨学金を利用して参考書・過去問などを購入しました。勉強方法としては、(日商簿記などの)講義を履修するとともに、過去問や問題集を何度も解きました。結果、簿記と法学検定は合格点に少し足りない悔しい結果となりました。FPは1月に試験があり合格を目指し勉強しています。この経験を活かして来年度はより早い持期から対策をして合格になるよう頑張ります。 
 さらに、今年度はオープンキャンパスにも参加して、阪南大学の魅力や活気を感じ、高校生や多くの学生と関わったことで良い刺激を受けました。
 来年度からは、3回生になり本格的に公務員試験合格に向けて対策をすべく、学外の予備校に通おうと現在考えています。理由は膨大な量を自分一人でするのは難しく時間が足りなくなる、また同じ目標を持った人と関わることで切磋琢磨し一層努力できると思ったからです。今年度いただいた奨学金の残りは予備校の受講料に充てるつもりです。

 なお、今の自分の実力を知る良い機会であるため、今年の4月に予備校で実施される公務員公開模擬試験にも受ける予定です。良いスタートを切れるよう頑張りたいです。

経済学部2年生 池本拓都さん

 今回、私を経済学部奨学金受給学生として、選んで頂きありがとうございます。選んで頂いた教職員の皆様には心より感謝しています。経済学部給付奨学金受給学生として自覚を持ち、この名に恥じないようにこの1年間は、「人の倍の努力をする」ことを目標として自分自身を高めてきました。私のこの1年間を下記に記します。
 私の将来の夢は、不動産会社を起業することです。その為、1回生では宅地建物取引士資格を取得しました。そして、私はこの経済学部給付奨学金を頂いたことにより、時給1000円のアルバイトで例えると、400時間という時間を頂きました。私は、この時間を、読書や資格取得の為の勉強、そして私が興味を抱いている投資関連の勉強時間に充てました。
 私は、将来、起業したいという想いがあることからよく自己啓発書を読んでいます。本は実際に起業している方々などの意見や経験が綴られており、偉人の考えに直接触れることができるため、本を読むことは非常に有効な時間の使い方だと思っています。しかし、家庭の事情もあり、バイトに明け暮れていたため、自由な時間が限られていました。そこで、今回頂いた貴重な時間を、まず読書に充てようと考え、自己啓発書を10冊ほど読みました。その中でも1番心に残っているのは自己啓発書の原点とも言われている『人を動かす』という本です。D・カーネギーが自分の人生をもとに書いている本ですが、タイトルにもある通り、人の上に立つ経営者にとって必要不可欠なことばかりが綴られており、共感できることが多く、とても心に残る本でした。
 次に、この時間を活かして、宅地建物取引士に続き、ほかの資格にもチャレンジしようと考え、FP3級、MOS(PowerPoint)、MOS(Access)を取得しました。去年は、FXや株式投資なども同時並行して勉強していたため、資格をあまり取得できなかったのですが、今年は株式投資の勉強を進めながらも主に資格取得に励もうと思っています。
 今回、阪南大学から経済学部給付奨学金を頂いたことにより、自由に使える時間が増え、新しい考えや知恵を手にしました。大学生活の過ごし方で人生は決まると私は思っています。大学生は、学生生活の中で最も自由な時間が多いため、最後の挑戦期間でもあり、ほかの人と差をつけることができる期間でもあると思います。今年は、私が描いている未来像に少しでも近づくことができるように、自分の興味のある分野に挑戦し、悔いのない大学生活を過ごそうと思います。

経済学部3年生 大坂成太さん 【キャリアアップする「資格」と「経験」】

 私は、このたび阪南大学経済学部奨学金をキャリアアップ枠(金融分野)で応募し、給付をいただくことができました。この奨学金をいただいたことで時間と経済の面に余裕が生まれたため、これに際して自身のキャリアアップのために二つの目標を定めました。
 一つ目の目標は金融関連の資格を取得することです。現在ファイナンシャル・プランナー三級検定試験に向けて勉強しています。ファイナンシャル・プランナーとは、住宅の購入、子供の教育、老後の生活設計など、様々な個人のライフプラン(人生設計)の実現を財政面、資産設計の側面からサポートする人のことです。資格を取得するには「学科試験」と「実技試験」の両方に合格する必要があります。学科試験では「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」「タックスプランニング」「リスク管理」「不動産」「相続・事業承継」の六つの分野についての知識を身につければなりません。実技試験では学科試験の応用となる「資産設計提案業務」「保険顧客資産相談業務」が出題されます。
 ファイナンシャル・プランナー三級を受験するにあたって、それぞれの用語と、利率計算に焦点を絞り、集中的に勉強しました。特に不動産の建築基準法(建蔽率や容積率の計算)と相続・事業承継の課税と控除(贈与税、相続税)の理解に力を入れ、分からない単語や式をノートに書き出して覚えるように努めました。テストの一週間前からは模擬テストや過去問等を一日一回以上解くようにしました。その結果、ファイナンシャル・プランナー三級検定試験に合格することができました。
 二つ目の目標はインターンシップに参加することです。これは昨年から立てていた目標で、インターンシップでの経験を通して、将来目指している金融関連会社の業界研究や、実際に働いている社員の方々がどのような目標や志を持っているのか等、就職活動で参考になる様々な情報が手に入ると考えたからです。
 インターンシップ実習先は二つの証券会社に参加させていただきました。同じ業界の違う会社の実習に参加し、それぞれの共通点・相違点に着目することで、より細かく企業分析することができました。実習では金融関連会社の役割や金融商品についての座学、日経新聞の読み合わせ、推薦銘柄を選定するグループワークなどを行いました。特にグループワークは、今までゼミや授業で学んだ金融用語や財務諸表分析の方法等の知っていた「知識」が、推薦銘柄について調べ、資料を作成するうちに「経験」になったのが最も有意義な実習ができたと感じた点だと思っています。
 来年度、私は四回生になり就職活動が始まります。これからも資格勉強で得た「知識」と、インターンシップから学んだ「経験」をもとに一歩ずつ、着実に金融キャリアに向けて研鑽を重ねてまいります。