国際コミュニケーション学部 卒業研究発表会を実施しました。

 2014年1月25日(土)10時よりフロンティアホールにて、国際コミュニケーション学部卒業研究発表会が実施されました。
 本学部では、4年次生の必修科目として「卒業研究」を配置しております。これは、本学部が全学生に課す最後の関門でもあります。
 4年間のさまざまな学びを背景に、バックデータを明確にしながらインタビューや画像データなど、独自の基礎資料を作り上げ、さらにそこにオリジナリティー溢れる鋭角的な分析と考察を行う最終学年。所属ゼミナールの指導教授から「Face to Face」の指導を受けると共に、自らが選んだテーマをより深く掘り下げていくのが「卒業研究」です。

 卒業研究発表会では、各ゼミナールからエントリーした発表者が、4年次生をはじめとして学部全学生を前にして自らの研究テーマについて、プレゼンテーションを実施することになります。研究テーマを10分間という制限時間の中でまとめ、さらに5分間の質疑応答を受けることが本プログラムです。
 今年度は下記の学生によりプレゼンテーションが行われました。

(文責:学部担当係長・角井康寛)

発表者およびタイトル一覧

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発表者 プレゼンテーマ 所属ゼミ
1 安西 未帆 日本における仏教 藤野
2 菅  彩華 日本におけるストリートダンスの普及 チョ
3 吉野 紗也 学生と授業 神尾
4 伊勢 勇大 野球留学制度について〜野球界への影響 寿山
5 金高 莉佳 日本のアニメ文化で日本を救えるか〜本当の観光立国とよばれるために
6 金田 俊樹 日本と海外におけるジェスチャーの違いとその成り立ちについて 吉川
7 高尾 元健 PC Guys〜最強の経営者 松本
8 立石ダンビ 近いようで遠い国〜韓国と日本は仲良しなのか? 曽根
9 成田 幸加 日本と韓国の大学生における賞賛獲得欲求と拒否回避欲求の比較 吉川
10 目  侑子 現代の留学の意義〜阪南大学の新留学プログラムの提案 寿山
11 門脇 七恵 門脇家住宅をはじめとする鳥取県文化財の活用と活性化について チョ
12 柏木 邦世 英国メディアと在日英国人へのインタビューを通してみる英国ファストファッション産業の現状と課題 杉村
13 福田 早希 ドキュメンタリー・笑顔配達人〜学生が見た2012年の被災地 曽根

受賞者

表彰 所属ゼミ 氏名
最優秀賞※ 杉村ゼミ 柏木 邦世
優秀賞※ チョ ゼミ 門脇 七恵
学部長賞 吉川ゼミ 成田 幸加
※最優秀賞と優秀賞は、阪南大学学会の学会賞の補助を受けています。

受賞者の喜びの声

柏木 邦世

 最優秀賞という素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございます。いつも親身になって、全力でご指導してくださった杉村先生、そして忙しい中私の応援に駆け付けてくれた友人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。
 私は英国留学中に出会った、プライマークというファストファッションブランドに焦点を当て、ファストファッションと人々との関わりについて研究しました。研究で使用した文献の多くが英語で書かれており、短い文献を読むだけでも、相当な時間を費やしました。在日英国人への英語でのインタビューなど、杉村ゼミで英語をしっかり学んできたからこそ成し得た、私の阪南大学での4年間の集大成のような研究だったと思います。
 阪南大学へ入学した時は、まさか私がこのような賞をいただけるなんて、夢にも思いませんでした。面白い授業がない。お金がないから留学できない。何かしたいけれど、何をしたらいいのか分からない。と、だらだらと毎日を過ごしていた私を変えてくれたのは、英語が“好き”という気持ちでした。阪南大学の留学助成金制度などの手厚いサポートの存在を知り、一念発起した私は、TOEICの勉強を始め、アルバイトで留学費用を貯めました。そうして実現させた留学が、私をこの研究テーマへと導き、英語が“好き”という気持ちが私にこの賞をつかませてくれたのだと感じています。
 就活ウケしそうなことでなくても良いのです。“好き”と思えることに一生懸命取り組めば、自分が将来進むべき道や、自分を必要としてくれる会社はどこか、おのずと見えてくるはずです。後輩の皆さんが実りある4年間を送られることを心から願っています。

門脇 七恵

 私は、大学へ入学した当時から、卒業研究で自分の家のことを書こうと決めていました。また、鳥取から大阪へ出てきて改めて感じた鳥取の魅力も、合わせて研究していきたいと思いました。
 発表にあたって、2万字以上の内容を10分のプレゼンテーションにまとめるということは難しかったですし、何より登壇する直前までかなり緊張していました。しかし、自分がこの大学で過ごした4年間の集大成だと思い、本番は堂々と発表することが出来たと思います。終わってからも、学部の先生方に「成長したね」と声をかけていただき、この発表会に出たことはとてもいい経験になりました。何より賞を受けたことで、自信につながりました。
 人前にでることは得意ではありませんでしたが、大学生活の最後にこのような機会を作ってくださった学部の先生方、誘ってくださったゼミの先生には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

成田 幸加

 留学の経験から韓国人と日本人の対人意識の違いについて研究しました。韓国語で質問紙を作成し、韓国人にネットを通して回答を求める作業に少し苦労しました。発表の準備では慣れない作業が多く戸惑っていたところを、所属ゼミの吉川先生にサポートしていただき、不安を取り除いてもらいました。
 発表の際、聞いている人に伝わるように、自信を持って堂々と話すことを心がけました。なにより私は、大勢の人の前で話すことが大の苦手なのですが、今回苦手に挑戦してみて、またひとつ自分が成長できたような気がしています。また、学部長賞という表彰状まで頂くことが出来、本当に頑張って良かったと心から嬉しく思っています。

神尾学部長からのメッセージ

 2005年1月。ここから国際コミュニケーション学部での「卒業研究発表会」は始まりました。時の学部長は現在、本学学長である辰巳浅嗣教授。それから瞬く間に2014年で10回目の卒業研究発表会となりました。
 私は毎年、各ゼミナールからエントリーしてきた4年次生の卒業研究発表会を聴きながら思うことがあります。それは、登壇学生諸君がそれぞれに差異はあれど、「緊張」と闘っているのであろう、と。
 いつの時代の発表者も2つの「緊張」を持ちます。一つは、自分の発表にどのような質問が投げかけられるのだろうか、という不安。もう一つは、発表が無事に終了した後の質疑応答の僅かな時間に放り込まれる孤独感。前者はいうまでもなく、質問に答えられるだろうかという緊張に他なりません。後者は、質問が出ない場合に遭遇する緊張感です。自分のプレゼンが伝わらなかったのか、と短い時間の中で落ち込むことさえあります。
 発表する登壇学生諸君のみならず学部に所属する全学生にとって、「卒業研究発表会」は、学生生活最後の学部プログラムとなります。その意味では、聴く側の学生も緊張感の中にいるのかもしれません。発表に対してどのような質問を投げようか、と。

 さて、それにしても、本プログラムが始まった当初とは大きく異なる2010年度生の発表会。今回は、2010年度に運用開始となったカリキュラムの真価が問われる学年でもありました。
 最優秀賞の柏木邦世君の発表は、イギリスLEEDS大学への留学経験をベースに、杉村ゼミナールでの基本指導である「Reading/Writing/Speaking/Hearing」を最大限に生かした研究でした。それはあたかも本学部における教育の見本のようなプレゼンでした。Dr. Junko SUGIMURAの指導力に「アッパレ!」という他に言葉がみつかりません。
 優秀賞の門脇七恵君にしても、学部長賞の成田幸加君にしても、国際コミュニケーション学部におけるカリキュラムの成果を大いに発揮した内容であり、質疑応答でした。
 13名の学生諸君のプレゼンは5時間に及びましたが、それがあっという間の「時」となったことを記しておきます。

 最後に。
 今回の卒業研究発表会の運営を取り仕切ってくださいました松本教授・井上准教授、そして全ての準備を整え、当日の運営を滞りなく執行してくださった松本ゼミナール学生諸君に、心より感謝申し上げます。
 さあ、2011年度生諸君、次は君たちのステージです。
                                                   (文責:神尾登喜子)