阪南大学流通学部はビジネスにおけるヒト・モノ・カネ・情報の流通に関する総合的な分析やその体系的理解を目的としています。そしてこれらの学びを通じて流通のスピード化・システム化・グローバル化の時代にふさわしい知識とコミュニケーション能力を兼ね備えた個性豊かな社会人を育成していきます。

10月7日(月)および10月9日(水)、阪南大学流通学部は上記目的を実現する活動の一環として、1年次生向け全員履修科目のプレゼミ2で株式会社イングのスタッフの方々を講師として招いてキャリア教育を実施しました。

プレゼミ2という授業には、2つの目的があります。1つは、1年次生同士の交流を促進することです。もう1つはフィールドリサーチやプレゼンテーションといった大学から本格化する教育手法の基礎を学ぶことです。今回の授業は大学を卒業した後の人生について展望することで、あらためて大学時代をどう過ごすのかについて1年次生に考えて貰うことを主旨としています。
講演の冒頭は、大学卒業後にフリーター、中小企業、大企業それぞれの立場になった場合の平均収入を具体的に示すことから始まりました。例えば平均的な生活費が月間約16万7千円、年間約200万円であるのに対し、フリーターの場合だと平均収入が生涯変わらず月あたり7万円から16万円です。これが大企業の従業員だと27歳時点でも毎月23万円、45歳時点だとさらに増えて月あたり34万円の収入が得られます。この事実は多くの1年次生にとってショックだったようで、最初から教室の中が良い意味での緊張感に満たされました。

次に、どのようにすれば自分が望む人生を実現出来るのか、またそのために大学をどのように活用すれば良いのかについての話がありました。中でも特に身につけるべき能力として、「コミュニケーション能力」があげられていました。

一口に「コミュニケーション能力」と言っても1年次生達にとっては具体的にイメージすることは困難です。今回の講演では、ディズニーランドや一流ホテルでの具体的な事例を使い、話すだけで無く相手の話を聴くこと、そしてその上で相手に対して自分にどのようなことができるのか真剣に考えることだと説明されていました。

授業の後半では、受講生達は講師から聴いた話についての感想を200字程度にまとめるとともに、小学生時代から高校生時代まで自分がどのようなことを頑張ってきたのか、そして大学1年次から4年次、卒業後までの目標について記入しました。これは話を一方的に聴くだけで終わらせず、話を聴いたことで自分の中で起こった変化を言語化することでより明確に確認し、さらに次のステップに向けての方向性を具体化することを目的としています。

授業全体を通じて、流通学部の1年次生全員が4年間という長いようで短い大学時代を有意義に過ごすためには意識的・主体的に活動し、考えていく必要があることを学べたという点で非常に有意義な機会をつくることができました。

流通学部1回生 佐藤 天音

社会に出ると大企業の正社員とフリーターとでは、経済力に差が出て、チャンスの数も異なるということを数字で感じられました。自分の人生の中の選択肢を増やすには、今の時間をどれだけ有効的に、有意義に使うことが大切だと思いました。今ただ授業を受け身的に受けているが、これからは自発的に受けようと決めました。

また、先のことを見すえて考えていくことが、卒業後の未来に大いに関わってくると改めて感じました。行動力・分析力・コミュニケーション力を意識して4年間を過ごしていこうと思いました。インターンシップにも参加したくなりました。
※この活動は学部教育研究活動助成(阪南大学学会)の補助を受けています。