2020.5.19

民博(みんぱく)で学ぶ。(第4回配信分)

昨年、国立民族学博物館へ行った時の学生レポートの続編を配信します。
国際観光学部 渡辺和之

イースター・エッグで祝うイエスの復活祭
国際観光学部2年 長谷川薫乃

 私が民博で一番興味を持ったには、イースター・エッグである。イースター・エッグはヨーロッパのドイツ北部に住んでいた古代ゲルマン人の樹木崇拝と関わっている。標本番号H0064522のイースター・エッグは、大きさは卵のサイズであり、素材は卵そのもので出来ている(1)。おもに用途としては、イエスの復活を祝うイースターと言われるお祭りで贈り物として交換したり、食べたり、イエスの復活の祭物に使われたりすると、展示場の解説にあった。私がみた所、形は卵そのままで、色はカラフルな物ばかりであった(写真1)。
  • 写真1 イースター・エッグ(国立民族学博物館蔵、撮影:長谷川薫乃)

 私がイースター・エッグに興味を持った理由は、そのカラフルな見た目である。最初、目にしたとき、このカラフルな卵は何に使うのだろうと疑問に感じた。とにかく色鮮やかで、種類が多い。国によってイースター・エッグの雰囲気が変わり、ひとつひとつの色や柄が違う。驚いたのが、中身は卵ではないということである。見た目が卵なので、中身も卵だと思っていた。だが、現代では卵アレルギーの懸念などから、チョコレートで作られた卵や、ジェリービーンズなど、キャンディを詰めたプラスチックの卵で代用されるとのことだ(2)。 
 そんなイースター・エッグがなぜイエスの復活に使われるのかというと、卵は生命の再生を象徴するものとされているからである。新免光比呂氏によると、もともと生命の再生を表す象徴として卵は、広く世界で用いられていた。そしてこのイエスの復活祭では色を塗った卵を贈りあうことが習慣となった。また、そんなイースター・エッグを隠して探したり、ぶつけ合ったりすることが子ども達の遊びにもなった(3)。
 それで、このイースター・エッグをどうやって作っているのか、関心を持ち、ビデオテークを探してみた。残念ながら、イースター・エッグを作っている映像はなかったが、民博ホームページの「みんぱく世界の旅」というコーナーに、「観光土産用に町で売られているイースター・エッグは、工房で非常に美しく彩色されているが、村では植物を煮出して自然彩色をする場合が多い」と記載されていた(4)。民博の展示場にあるイースター・エッグは観光土産用のものなのか、それとも村のものなのか気になった。
 今回、民博に行ってみて世界の文化についてより興味を持った。イースター・エッグは見た目に惹かれ調べたが、こんなにも意味が込められていたとは知らなかった。私もイースターに参加し、イースター・エッグを作りたいと感じた。このようにして、世界の文化に隠された意味を調べ、理解していきたいと思う。

参考文献

メキシコの死者の日と骸骨人形
国際観光学部2年 原田この実

私が民博で1番興味を持ったのは、骸骨人形である(写真2)。
  • 写真2 骸骨人形(国立民族学博物館蔵、撮影:原田このみ)

 標本番号H0131672の骸骨人形は、メキシコの祭典「死者の日」に様々な場所に飾られる人形である(1)。民博の展示場の解説によると、メキシコでは、砂糖菓子やおもちゃ、飾りなどに骸骨がこのんでとりあげられる。とくに11月2日の死者の日を中心に、街にあふれる。死は日常生活の一部であり、親しみ深いものであるという死生観にもとづいているという。私が見た所、骸骨人形は顔だけの小さなものから全身で大きめなカラフルでオシャレな骸骨人形までいろいろあった。
 私が興味を持った理由は、死者の日と言うのに祭典だということである。死者の日と聞くと、日本のお盆のように亡くなった人を静かにお迎えするものだと思った。だが、メキシコでは亡くなった家族や友人の話や好きだった物を用意し、亡くなった人を明るく楽しく弔う点で、日本のお盆とは大きくことなっていた(2)。
メキシコの死者の日には、各家庭、墓、公共施設、協会、広場などあらゆる生活に密着した場所に祭壇を設け、カラフルな偽物の頭蓋骨を無造作にデコレーションする。たくさんのマリーゴールドの花やオレンジ、レモンなどのフルーツ、パペルピカドと呼ばれるカラフルな切り紙で華やかにデコレーションし、キャンドルに火を灯したものを死者が迷子にならないように飾る(3)。 
 骸骨というものは、普段は怖いと感じるものである。だが、私がみた民博に展示されている骸骨はカラフルで、お洒落で可愛く感じた。マリーゴールドの花には、「死者の世界から死者を祭壇まで呼んでくれる」という言い伝えがある。このため、マリーゴールドの花は、死者の日の時期になると、メキシコの田舎で大量生産され、様々な市場で売られる(4)。
 死者の日は、数千年以上前からメキシコで暮らしていた先住民たちの不思議な儀式や風習に、侵略者であるスペインとカトリックの影響がプラスされて、現在のような明るい祭典となった(5)。人々が仮装し、パレードやイベントやショーを楽しむ。ただし、そのやり方は街によってそれぞれ違うようである(6)。
 今回、民博に行ってみて、世界の普段では見ることがない物や初めて見る物が多くあり、驚いた。世界の食文化、暮らしの文化、民族などや、日本の文化と似ている国があったり、違う文化を比べたりと学べることが多く、学ぶだけでなく、楽しみながら見ることが出来た。
 こうして、世界の文化をその場で同時に比較したり、知ろうとすることで、多くの国への興味や関心を持てることが、今回の見学でわかった。

参考文献