2014.3.10

国際観光学部 第1回卒業研究発表会を行ないました

 去る2014年2月5日に、国際観光学部としては第1回目となる卒業研究発表会が、南キャンパスのアッセンブリーホールにて行なわれました。発表会の準備や運営は毎年3年生が担うことになっていますが、今年は段ゼミがと清水ゼミが担当しました。清水ゼミの研究発表を行なった4年生の淺野さんと、司会の役を果たした3年生の田渕さんの報告です。

※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

2年間の経験を活かした研究発表会
4年生 淺野衣紀

 平成26年2月5日(水)『国際観光学部 第一期生 卒業研究発表会』に清水ゼミの代表として、参加させていただきました。
 私は「宇治市における宇治茶を利用した観光振興」というテーマで研究を進めてきました。
 京都府は国内外において日本でも有数の人気を誇る都道府県のひとつです。その中でも大半の観光客が京都市を訪れています。一方、宇治市にはおいしい宇治茶を楽しむことができるお店が多くあり、世界遺産も2か所存在する自然豊かで交通の便も良いところです。京都市からは20分、大阪からは55分、奈良からは40分と気軽に訪れることができます。しかし情報発信力が不足しているため、宇治市にまで訪れる観光客は少なく、リピーターも少ないという現状です。
 私は宇治市の中でも宇治茶にスポットを当て現地調査やヒアリング調査を行いました。宇治茶にはブランドがあり、「地域団体商標 登録第5050328号 宇治茶® 第30種 京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した緑茶」と宇治茶の定義が定められています。また、茶業関係団体と行政等が連携した「宇治茶の郷づくり協会」では、おいしい宇治茶のメニューが揃い、宇治茶の歴史、文化、淹れ方等の説明ができる喫茶店を「宇治茶カフェ」と認定し宇治茶のPRをしています。その「宇治茶カフェ」に認定されている宇治市の6店舗へ足を運びお話を伺いました。ほとんどのお店で、宇治市出身の私が宇治市や宇治市のお茶について研究をしていることを伝えると、優しく質問にお応えいただき仲良くなることができました。観光客の方は勿論ですが、地域のお客様を大切にされていることが非常に伝わってきました。
 また宇治市では、たくさんの人に来てもらい宇治茶のことを含め宇治市を広めるために、民間企業が第一回宇治バル『新茶&スイーツフェスタ』を平成25年6月15日(土)・16日(日)に行いました。そこで私は開催者(株式会社アースワーク)にお話を伺いました。開催者は印刷媒体を中心に、販売促進(企画・制作・印刷・広告・編集)を提案する会社で、『うじぶら。』という雑誌を発行しています。
 調査から、第一回宇治バルではコンセプトやターゲットなどが定められておらず、設定が曖昧だったことが一番の課題であるとわかりました。しかし、宇治市のことを広めたい、地域の方に楽しんでもらいたいという思いが伝わってきました。
 そこで私は現地調査とヒアリング調査をもとに、地域の方と観光客の方と一体になって交流できる第二回宇治バル開催の実現のための企画案を提案しました。
 清水ゼミに入り、今まではグループで活動してきたため、より良い意見交換もでき、研究は深まっていきました。けれども今回は初めて、一人での研究でもあり最後の研究でもあったため、経験を駆使した集大成となりました。行き詰まることもありましたが、好きなことを研究していたため最後まで興味関心を持って取り組むことができました。
 その成果を卒業研究発表会で披露することができ、非常に良い経験となりました。伝えたいことが多く、時間オーバーしてしまったのは非常に悔しかったですが、リラックスし楽しんで発表することができました。先生からも質問やお褒めの言葉も頂戴することができ本当に良かったです。また、他の学生の発表を聞くことにより自分の課題を実感すると共に、良い刺激を受け大変勉強になりました。
 これまでたくさんのアドバイスをくださり支えていただいた清水先生は勿論、当日運営をして下さった清水ゼミの後輩や段ゼミのみなさん等、全ての方に感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

卒業研究発表会から学んだこと
3年生 田渕成美

 2014年2月5日に行われた、2013年度卒業研究発表会に、司会として参加させていただきました。私は去年も卒業論文発表会を見に来ていたのですが、その時は座席に座って、先輩方の発表を聞いているだけでした。当時の私はまだ2回生で、パワーポイントを使用したプレゼン発表をあまりしたことも無ければ、見たことも無かったです。ですので、プレゼン発表というものをしっかり理解しておらず、ただ単に、あの先輩の話し方が上手だな、パワーポイントがすごく面白いなどとしか感じておりませんでした。
 そして今年自分自身が3回生となり、ゼミ活動も本格的に始まって、海外での学生プレゼン発表会や、国内の学会での学生ポスターセッションなど、プレゼン発表をする機会も段々と増えていきました。私は活動の中で、プレゼン発表というものは、プレゼン力としての話し方、見せ方も大事ですが、発表自体の構成も大事だということを強く学びました。実際、自分がプレゼン発表をするときも、話の筋がしっかりと通っているのか、主観的な意見ではなく、第三者として客観的な意見が書けているのかなどを気にするようになりました。
 今年の卒業論文発表会に参加し、プレゼン力や構成、論理性など、より細かい視点で、去年とは違った目線で先輩方の発表を聞くことができました。プレゼン力は素晴らしいけれど、構成が少し甘い方や、専門性が高く、細かいところまで調べている方、さまざまな発表で、1人1人のプレゼンにそれぞれの個性が出ていました。1人1人の個性が強く、それぞれ全く違うのが、国際観光学部ならではだなと見ていて感じました。さらに、今回は司会という形で、先輩方を裏方から支える仕事をさせていただいて、そこでもやはり、去年には見ることができなかったことが数多くありました。
 今年発表された先輩方は、学年が1年上なので身近で、よく知っている方がほとんどでした。普段、全く緊張しそうにない先輩が、「すごく緊張している、どうしよう」と話しかけてくださったり、緊張していないように見えても、原稿や、マイクを持つ手が震えていたりしていました。そのような姿を見て、先輩方にとって、この卒業論文発表会が大切な舞台であるということが分かりました。私は司会者として、発表者より目立たないように、そしてこの発表会の雰囲気を壊さないようにと気を配りました。来年は、自分達が発表する立場になり、後輩達が裏方を担当してと、毎年ずっと続いていく行事です。そのような行事に司会として関われたことを、誇りに思います。