2014.1.27

日本観光研究学会第28回全国大会ポスターセッションへの参加

 神奈川県厚木市の松蔭大学で12月8日に行われた日本観光研究学会第28回全国大会において、清水ゼミの3年生12名、4チームがポスターセッションに参加し発表を行ないました。各グループが「大手旅行会社における着地型観光の研究」、「日本旅行における海外旅行販売に関する研究」、「旅行会社におけるコンテンツツーリズムの研究」、「ツアーオペレーターの現状と課題」というテーマで4月から研究を続けています。以下、各チームからの報告です。
※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

多くのことを学び成長できたポスターセッション
3年生 増森千絵

 私たちは12月8日神奈川県松陰大学で行われた「日本観光研究学会第28回全国大会」の学生ポスターセッションに参加しました。私のグループは「着地型観光における大手旅行会社の研究」という題で発表しました。この研究は8月に韓国で行われた東北亜観光学会でも発表しましたが、今回のポスターセッションに向けてさらに深い内容となるよう、引き続き研究してきました。研究の内容として、まず地域を主役とした着地型観光が観光業界で注目されることとなった背景や、現在旅行会社が取り組んでいる着地型観光について調べ、知識を深めてきました。その後実際に旅行会社にアポイントメントを取りヒアリング調査を行って、着地型観光を推進していく上で旅行会社がどのような役割を果たし、またどのような問題を抱えているのかを直接聞かせて頂きました。ここで私たちは、実際に着地型観光に関わっている方にしか分からない生の声を聞くことができ、とても貴重な経験をすることが出来ました。また、今後私たちが社会人になるにあたって知らなくてはいけないマナーや常識を学ぶ為の良いきっかけになりました。
 今回のポスターセッションの発表の際には、全国の大学の教授や学生が私たちのグループのポスターに立ち止まって聞いてくださいました。私たちの研究では大手旅行会社に焦点を当てて考えてきましたが、大手ではなく中小の旅行会社が着地型観光を専門に取り扱うのはどうかという意見や、地域と顧客を結ぶコンサルタントとしての旅行会社を重点的に考えたテーマで発表を行えばより深い研究になったのではないかなど、様々な意見を頂くことができました。そのような鋭い意見やアドバイスを頂くことは今回のポスターセッションが初めてのことでした。この研究は見る人によって様々な考え方や捉え方があるということを知り、たくさんのことに気づかされました。このことから、今後の着地型観光の可能性や研究の奥深さを感じることができました。そして、この研究をさらに深いものにしていく為には、ヒアリング先を旅行会社だけに絞るのでなく着地型観光や地域のまちづくりに関わる全ての自治体や企業に範囲を広げ、より詳しい研究内容にしていきたいと思いました。
 最後に、今年の日本観光研究学会が神奈川県で行われたということで、ポスターセッションの後には鎌倉や江の島などいくつかの観光地を巡り、とても充実した時間を過ごすことが出来ました。素敵な思い出も出来て本当に良かったです。

貴重なアドバイスをもらったポスターセッション
3年生 山際麻里奈

 先日、12月8日(日)に神奈川県にある松蔭大学で開催された「日本観光研究学会 学生ポスターセッション」に参加しました。ポスターセッションとは普通のプレゼンテーションのように大勢の前でモニターを使って発表をするのではなく、ボードに印刷した用紙を貼り付け、同じ場所に立って学会の参加者に個別で説明していくものです。私は1年生の頃に授業の一環として1度参加したことがあるのですが、当時はまだ1年生であり、また阪南大学で学会の全国大会が開催されたので、あまり緊張しませんでした。研究者の方々も優しく接してくださり、とても楽しく有意義な時間でした。今回は3年生としての参加で、ポスターセッションまでに約半年しか時間はかけられませんでしたが、先生の指導の下研究を行ってきました。私たちのチームは株式会社日本旅行TiS天王寺支店との共同で研究を進めています。研究の目的は、その支店の海外旅行の売上販売高のシェアを向上させるためにはどうすれば良いのか、阻害要因はあるのかということを探っていきます。ずっと支店長と相談しながら研究を進めてきました。まず支店長へ何度もヒアリングをして問題の現状を知りました。そして社員や海外旅行契約をされたお客様へアンケートを実施したり、パンフレット調査を行ったりして、現状を分析し、現段階で出来る提案をしました。
 この研究は1年間継続するので、今回の研究発表ではアンケートや実地調査をしてデータを集めて、私たちなりに努力して研究を進めたつもりだったのですが、まだ完成段階ではなく中間発表だったこともあり、可能な限り多くの研究者に話を聞いてもらい、たくさんの指摘やアドバイスがほしいと思っていました。しかしあまり注目してもらうことができず、残念な気持ちがありましたが、発表を聞いてくださった方にはとても有難いアドバイスをいただきました。あまり研究に慣れていない私たちは、アンケートの仕方、内容、ヒアリングするにあたって何が必須事項なのかの判断が難しかったことがありました。予想したとおりその点を指摘されましたが、同時にアドバイスももらってとても嬉しく思いました。またアンケート数を増やさなければ裏付けは難しいと言われたことはその通りなので、継続して母数を増やさねばと思いました。
 少ない人数のアドバイスでしたが、自分たちで気付かなかった点を指摘されて、非常に有意義な発表になりました。まだ研究は続きます。ポスターセッションという中間発表に参加できたことは、研究を進める上で重要な機会でした。いつも同じメンバーで研究をし、同じゼミ生から意見をもらうので、第三者からの意見は貴重です。また、地元の大阪ではなく他県での開催に参加できて良かったです。知っている土地だとどうしても気が緩んでしまうけれども、全然知らない土地だというだけで気持ちが引き締まりました。
 このポスターセッションを終えて、いただいた意見やアドバイスをしっかり消化し、今後の研究につなげていきたいと思います。

日本観光研究学会に参加して
3年生 西村 梓

 12月8日、松蔭大学で行われた「日本観光研究学会第28回全国大会」のポスターセッションに参加しました。私たちは、8月に東北亜観光学会の学生発表で「旅行会社におけるコンテンツ ツーリズム」というテーマで発表しましたが、それ以降も今回のポスターセッションに向け内容を深めるべく研究を続けました。
 フィルムツーリズムから派生したアニメ・マンガの舞台を巡る旅がコンテンツ ツーリズムです。この研究は近年注目を集めている分野なので、大学教授や同様の研究をしている学生が私たちの発表を興味深く見てくれました。教授陣からは、ヒアリングを実施した会社が少ないことや、実際に聖地といわれている現場に行ってフィールドワークを行うことで新しい視点で見ることが出来るのではないかとご指摘いただきました。また学生の中には、実際に聖地に行った方がいたので、その聖地の現状を教えていただきました。興味深いことに、実際アニメの聖地に住んでおられる方もいましたが、長年住んでいても地元の駅が聖地であることを最初は知らなかったとのことでした。現場を知ることができる良い機会なので、聖地になって観光客の動きがどう変わったのかなど詳しく教えていただきました。研究だけではわからない貴重な意見をいただき感謝しています。
 ポスターセッションで私は、私たちグループの研究の甘さを実感しました。研究内容を重視しすぎ、アニメのタイトルや聖地等の詳細を調べきれていなかったことに気づきました。今後、いただいたアドバイスを参考にしたいと思います。
 せっかく神奈川県まで発表に行ったので、その機会を生かし近くを旅して観光の現場を見ようということで、次の日に藤沢市の江の島に行きました。藤沢市は年間1300万人の観光客が訪れる観光都市です。中でも江の島は東洋のマイアミビーチと謳われる美しい海岸や、古くから参詣・遊山の地として賑わってきた江の島は、年間を通じて多くの観光客を楽しませています。
 明治35年に運行が始まった江の島電鉄は、この電車自体が観光資源そのものです。車両には数種類のデザインがあり、ポップなものもあれば、レトロなものもありました。開通100周年の2010年には、明治時代に使用していた車両と同じ塗装をし、ノスタルジックな雰囲気を出しました。どの車両も魅力的でたくさん写真を撮りました。単なる交通機関ですが、乗客を楽しませる仕組みがそこにはありました。
 食も観光の大きな魅力のひとつです。昼食に江の島名物のしらす丼を食べました。かなりの数の店舗がしらす丼を提供しており、これを目当てにやってくる観光客もいます。私達が入店した時間がお昼のピーク時を過ぎていたので、お店は私たちだけでした。するとお店の方は、私たちに話しかけてくれました。大阪から来たことを伝えると、今朝獲れたアジが美味しいと言い、料理を出してくれたのです。お店を出るときには、お店の外まで出て見送ってくれました。このようなホスピタリティーも観光の大事な要素です。現場に足を運ぶことが観光を学ぶ上でとても重要だということを再認識した旅でした。

日本観光研究学会のポスターセッションに参加して
3年生 碓井里奈

 12月8日に松蔭大学厚木ステーションキャンパスで行われた、第28回日本観光研究学会全国大会の学生ポスターセッションに参加しました。3回生の前期に取り組んだ「ツアーオペレーターの現状と課題」というテーマについて、作成したパワーポイントをグループで展示、発表しました。また、阪南大学国際観光学部の小林ゼミ・森重ゼミの学生や、私たちと同じように観光学を学んでいる他大学の学生も参加しており、合わせて20グループほどが研究の成果を発表していました。
 私たちが研究したツアーオペレーターというカテゴリーの旅行会社は、海外において自らが専門とする地域に支店を持っており、旅行の手配をオーダーする旅行会社に対して、現地での旅行の素材となるホテルやレストランなどを提供する海外に詳しいスペシャリストです。ツアーオペレーターについては今まで研究された前例があまりなく、どうやって研究を進めたら良いのか迷い、自分たちなりの結論を出すまでに大変苦労しました。研究では、数社のツアーオペレーターにヒアリング調査を行ない、ビジネスを行なう上での現状の厳しさを知ることができました。インターネットの発達で、旅行会社の役割が大きく変化をしてきています。顧客の立場では分かりえない事実を垣間見ることができました。
 ポスターセッションでは、私たちの研究内容に興味を持ってくださった他の大学の教授や学生たちに研究内容を説明し、たとえば企業へのヒアリング内容や研究の進め方などについてアドバイスを頂きました。自分たちの研究方法では十分でなかった所が見えてきて、再びこの研究を見つめなおすことができました。また、ツアーオペレーターについて詳しい方とお話しすることができ、より専門的な意見を頂けて、大変有意義な時間を過ごすことができたと思います。
 空いた時間を利用して、他の展示発表を見に行くことができたのも興味深かったです。私たちのゼミでは旅行会社をテーマに研究しているのですが、観光を利用した地域振興についての研究も多く、苦労したことや思いが伝わってきて、同じ大学生としてとても刺激を受けました。
 そして、キャンパス内の教室では先生方が研究発表会を行っており、なかでも、関西のまちなかバルを利用したフードツーリズムについての発表は、先輩が研究していらっしゃったり授業で学んだりしたテーマだったので、とても勉強になりました。
 今回この学会に参加し、自分たちの研究の成果をゼミの中以外で聞いてもらえたり、多様な観光の研究があることを知ったり、観光についてより興味が湧きました。
 私は現在、堺市の観光振興について勉強しています。今回の経験を活かし取り組んでいきたいと思います。