南大阪の歩き方発表会に参加

 3月8日にマイドーム大阪で開催された、南大阪地域大学コンソーシアムが主催する「南大阪の歩き方発表会」に、清水ゼミ3年生10名が昨年に引き続き参加しました。
学生の発想力や行動力を活用して、南大阪地域の魅力や資源を新しい視点から発掘・調査し、文化・観光の振興等、地域の活性化に役立てようという目的で平成15年から開催されているプロジェクトです。
 本年度は「五感で感じるツーリズム魅力情報まんさい展&大阪ミュージアム交流会」との合同開催で、大阪や関西他府県からの自治体関係者も参加され、多くの方に発表を聞いていただくよい機会になりました。
 清水ゼミから3チームが参加しましたので、各チームリーダーからの報告を紹介します。

※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

「工場夜景を利用したツアー提案」 
3年生 瀬尾 拓弥

 3月8日金曜日、マイドーム大阪にて「南大阪の歩き方」発表会が行われました。こらは、学生が南大阪地域のまち、文化や歴史、観光などをテーマに、実際のまちを歩き、まちで生活・仕事をしている人の声を聞くなど、現地でのフィールドワークを主として調査し、地域の魅力を内外に発信していくというプロジェクトです。
 私たちのチームは、南大阪の「光・あかり」を利用したツアーを企画し、夜間の観光客誘致を行なうことを目的に研究をスタートしました。
 「光・あかり」を活用した魅力ある観光資源を探し、発見したのが「工場夜景」でした。工場夜景は、近年メディアなどから新たな観光資源として注目を浴びており、機械的・幾何学的に入り組むパイプやタンク、煙突が工場の光で浮かび上がる幻想的な様子が人々をひきつけています。現在、日本各地の臨海工業地帯で、工場夜景をクルーズやバスから鑑賞するツアーが行われており、魅力のツアー商品となっています。そこで私たちは阪神工業地帯の中心である堺臨海地域周辺にもクルーズを使った工場夜景ツアーを企画できるのではないかと考え、堺臨海地域に着眼し、研究を進めました。

 研究を進めていくうちに、堺市は歴史や文化の溢れた魅力ある都市とイメージだけでなく、臨海地域には工業都市のイメージも強くあることがわかりました。また堺市全体の観光客数は増加傾向にありますが、宿泊客数が観光客数に対して伸びていない事実もわかりました。そこで当初の目的である夜間の観光客誘致から宿泊客数にも繋がると考え、ツアーを企画しました。
 今回この研究を通じて、堺市役所や商工会議所・また企業の方々にヒアリング調査を行い、様々な協力を得ることができました。ツアーを企画する際、課題や問題点など発見し研究が行き詰ったこともありましたが、私はグループのリーダーとして、仲間と協力し課題解決に取り組みました。最後まで努力した結果、発表会では緊張しましたが、自信を持った発表ができました。アルバイト・就職活動・NPO活動など忙しい中、発表できたのはグループの仲間や周りの方々のお蔭です。清水先生には私たちのために熱心に指導して頂き感謝致します。この研究を通じて学んだことは今後の活動に生かしていきたいです。

「大阪My昆布ロードを通じて得たもの」 
3年生 家永由貴子

 3月8日(金)私たちは、大阪ミュージアム構想の企画の一環である「南大阪の歩き方」の発表に参加しました。
私は、「大阪My昆布ロード」というテーマで、林さん、夏野さん、岡田君の4人で街歩きを企画・提案させていただきました。パワーポイントが無事完成し、発表もうまくいきました。しかし、それまでには大変なこともたくさんありました。
 他のチームもそうですが 、就職活動と授業の間をぬって街歩きの対象地域である堺市へ何度も行き、ヒアリングやお店への訪問を重ねました。1日に10キロほど自転車で堺の街を走ったこともありました。

 お店を訪問する際はとても緊張したのですが、先生が「学生らしく元気に行ったら大丈夫!」と仰っていたのを思い出し、少し気が楽になり学生らしく元気に、お店の方と接することが出来たのではないかと思います。そのおかげかあるお店では、堺市や大阪府の職員さんに依頼されても絶対に断っているという、昆布を削っている現場を見させていただくことができました。生まれて初めて見る光景に、興奮してしまいました。実際に昆布を包丁で削っている所を見たことがある人は、少ないのではないでしょうか。とても得をした気分です。
 この研究は、インターネットや本では得ることのできないものがたくさんあるのだと、改めて気付くことができた時間でもありました。
 今回私たちは、昆布に関する街歩きを企画・提案させていただいたのですか、研究は一旦終了です。しかし、ここで終わるのはもったいないと私は思います。なので、実際に街歩きを実現させたいと考えています。

 自分が携わったことが形に残ることで自信になり、その自信がまた自分を成長させてくれる糧になるのではないかと思います。堺市の活性化のためにも、自分が成長するためにも、私はこの研究を続けていきたいです。
 最後に、同じチームで最後まで一緒にがんばってくれた林さん、夏野さん、岡田君と、指導してくださった清水先生、研究に関わった皆様に感謝します。

「サイクルーズバルの研究を通して」 
3年生 淺野 衣紀

 3年ゼミ後期研究の主である「南大阪の歩き方」の学会発表会に私達は参加するため、私達のグループは『堺市を活性化させるために 〜サイクルーズバル〜』というテーマで、観光により地域を元気にしようと取り組み研究してきました。
 大阪は「水の都」として知名度を上げていますが堺市はまだまだ低いのが現状です。そこに着目し、以前フィールド調査を行ったこともある中之島の水都大阪フェスの成功事例を参考に、そのシステムを堺市にも活用したいという思いから研究が始まりました。
 成功事例があったためすぐに企画できるだろうと思っていました。それゆえ、最初は堺・堺東の飲食店を巡ればイベントが作れると考えていましたが現実はそんなに甘くなく、それは研究ではなく、ただの食べ歩きになってしまいぼろぼろでした。そのため、スタートが遅くなってしまい、非常に焦りを感じました。
 新たなスタートは、堺市の現状を知る所から始まりました。私達はクルーズ(川)・自転車・堺のめぐみ(食)を取り入れたイベント企画を行いたかったため、その3点について勉強しました。しかし、情報だけでわからないことが多く、実際に何度も現場を訪れ、自分の目で見て現状を把握し、現地の方の生の声を聴きました。現場へ訪れることによって見方が変わり、現場を訪れる大切さを実感しました。そうすると、研究に深みが増しイベント企画が形になってきました。また、何度も何度も清水先生にチェックして頂き沢山のアドバイスを頂きイベント企画が完成しました。
 イベント企画では、ただやりたいことを提案するのだけではなく、企画・運営はいつから開始するのか、運営費はいくら必要で誰が出し、運営は誰が行うのか、売り上げはいくら見込めるのか、そして宣伝はどのように行うか等、掘り下げて今すぐにでも実現可能な企画を考えました。この私達の『サイクルーズバル』企画により、NPO法人「観濠クルーズSakai」のPRになり、堺市の文化財である内川・土居川の維持に繋がります。また、自転車まちづくりの促進に繋がると共に、堺のめぐみのPRができ堺市への集客増加を期待できます。これらそれぞれのPRになり、知ってもらうことで堺市の活性化に貢献できると考えます。

 あっという間に3月8日の「南大阪の歩き方」発表会の当日になってしまいました。私達は7チーム中トップバッターでした。良い緊張感の中で始めましたが、皆、本番では練習よりも堂々と発表でき満足のいくものとなりました。終了してから感想を下さる方もいらっしゃり、「堺市の魅力でもある川・自転車・農産物に着目した案は面白かった」と言って頂き嬉しかったです。他校の研究発表も聞くことができ、違う視点での研究で大変勉強になりました。

 今回私はグループリーダーを務めましたが、研究を引っ張って行く難しさを痛感しました。皆、就職活動やアルバイトとの両立で3人揃える時間が確保できず大変苦労し、研究が行き詰まることもありましたが、不甲斐無いリーダーを支え一緒に研究を進めてくれた黒川くん、吉川さんをはじめ、お忙しい中研究過程を見てアドバイスを下さった先生、他グループのみんな、そして、私達の研究に協力して下さった関係者の皆様には大変感謝しています。周りの協力があり今回の研究が形になったと思います。
 この研究や前期の旅行会社研究を通して、今まで経験していなかったことを沢山学び行動に移し、非常に濃い1年間を過ごしました。そのことを4回生の研究にも活かし、更に成長していきたいと考えています。